(3)港湾での取り扱い
1)名瀬港
(ア)全体的機能
名瀬港の本港地区は、鹿児島〜沖縄航路、奄美〜喜界航路、東京〜奄美〜沖縄航路などのフェリー航路が寄港し、奄美大島の生活、産業物資の流通拠点港である。
フェリーのコンテナで輸送されるリサイクル資源は、基本的に本港地区で取り扱う。但し、貨物船で輸送するリサイクル資源については、佐大熊地区で取り扱う。
(イ)リサイクルステーション
本港地区の埠頭用地の一部は、ビン(ビール、焼酎等)等の集荷、保管のためのリサイクルステーションを設置し、フェリーでの輸送の効率化を図る。
2)古仁屋港
(ア)全体的機能
古仁屋港(本港地区、第4種漁港)は、鹿児島港〜平土野(〜知名)港間のフェリー航路とともに加計呂麻島、請島、与路島との航路の発着拠点として重要な役割を果たしている。
(イ)リサイクルステーション
古仁屋港の直背後に、廃家電、ビン等の集荷、保管のためのリサイクルステーションを設置し、フェリーでの輸送の効率化を図る。
(4)費用の低減について
1)船社の協力による海上輸送コストの低減
(ア)上り便の空スペースの活用
貨物が少ない上り便(鹿児島行き)の空スペースを活用し、海上輸送コストを低減する。
(イ)船社に輸送便の選択を与える
空いている便・スペースに乗せるという条件で海上運賃を安くする。
(ウ)環境美化に貢献する海上運賃の設定
船社による奄美群島の環境美化への協力の一環としての海上運賃(グリーンプライス)を設定する。
(2)加計呂麻島、請島、与路島(使用済自動車を除く)
(1)対象品目・量の整理
使用済自動車を除く加計呂麻島、請島、与路島における主要なリサイクル資源の回収状況は、以下の通りである。
二次離島であり輸送コストが高いため、廃家電、缶、ビン、ペットボトルを除いては、リサイクルされているものは少ない。
表−6.3.3 加計呂麻島、請島、与路島における主要リサイクル資源(使用済自動車を除く)の回収量
リサイクル実施状況 |
品目 |
年間回収量
(平成15年度) |
備考 |
○ |
廃家電 |
400台 |
|
○ |
缶(アルミ) |
6,500kg |
|
○ |
缶(鉄) |
|
○ |
ビン |
- |
焼酎ビンの分別はこれから |
○ |
ペットボトル |
2,600kg |
|
× |
古紙 |
- |
|
× |
発泡スチロール |
- |
|
× |
農業用ビニール |
- |
|
|
資料:瀬戸内町、瀬戸内町衛生センター資料などより推計
(2)海上輸送パターンの整理
加計呂麻島からは瀬相港、生間港と古仁屋港を結ぶ町営のフェリーで、リサイクル資源が廃棄物収集車で古仁屋港へ輸送される。
請島からは請安室港、池地港と古仁屋港を結ぶ町営のフェリーで缶、ビン等が、コンテナで古仁屋港へ輸送される。
同じく、与路島からは与路港と古仁屋港を結ぶ町営のフェリーで缶、ビン等が、コンテナで古仁屋港へ輸送される。
缶などは、瀬戸内町衛生センターに運ばれ、リサイクル事業者が入札で引取っている(名瀬港よりフェリーで鹿児島港へ輸送)。
古仁港からは、鹿児島港までフェリーで輸送される場合と、名瀬港へトラック輸送され名瀬港から鹿児島港へフェリーで輸送される場合がある。
表−6.3.4 加計呂麻島、請島、与路島における海上輸送パターン(1)
港湾地区 |
海上輸送 |
荷姿 |
輸送先 |
加計呂麻島・瀬相港、生間港 |
町営のフェリー |
廃棄物等収集車 |
古仁屋港 |
請島・請安室港、池地港 |
町営のフェリー |
コンテナ状容器 |
古仁屋港 |
与路島・与路港 |
町営のフェリー |
コンテナ状容器 |
古仁屋港 |
|
注:建設資材を加計呂麻島、請島、与路島に輸送した帰り船に、リサイクル資源を輸送する場合もある。
表−6.3.5 加計呂麻島、請島、与路島における海上輸送パターン(2)
港湾地区 |
海上輸送 |
荷姿 |
輸送先 |
古仁屋港 |
フェリー |
コンテナ |
鹿児島港 |
名瀬港・本港地区 |
フェリー |
コンテナ |
鹿児島港 |
|
(3)港湾での取り扱い
1)瀬相港、生間港(加計呂麻島)、請安室港、池地港(請島)、与路港(与路島)
(ア)全体的機能
瀬相港、生間港は加計呂麻島、請安室港、池地港は請島、与路港は与路島の生活物資等のほぼ全てが輸送される、島の玄関である。
(イ)リサイクルステーション
加計呂麻島では、町営のフェリーを使って、廃棄物等の収集車が集落までごみを収集に行けるので、特に瀬相港、生間港にリサイクルステーションを設置する必要はない。
請安室港、池地港(請島)、与路港(与路島)では、台風等による影響があることから、リサイクルステーションは設置しない。
(4)費用の低減について
町営フェリーを利用するしかないため、特段の費用低減策はない。
したがって、離島対策支援事業に頼る以外になく、二次離島である加計呂麻島、請島、与路島の住民の負担は大きいため、海上輸送費の8割支援から10割支援を要望していく。
(3)喜界島
(1)対象品目・量の整理
喜界島における主要なリサイクル資源の回収状況は、以下の通りである。
リサイクルされているものであっても、一部であり、投棄、焼却されているものも少なからずある(農業用ビニール等)。現在、焼却されている古紙・段ボールのリサイクルを模索しているところである。
表−6.3.6 喜界島における主要リサイクル資源の回収量
リサイクル実施状況 |
品目 |
年間回収量
(平成15年度) |
備考 |
○ |
使用済自動車 |
1,100台 |
|
○ |
廃家電 |
1600台 |
|
○ |
缶(アルミ) |
28,700kg |
|
○ |
缶(鉄) |
83,800kg |
|
○ |
ビン |
82,300kg |
|
○ |
ペットボトル |
18,100kg |
|
× |
古紙 |
- |
現在、焼却処分
リサイクルを模索(段ボール) |
× |
発泡スチロール |
- |
|
○ |
農業用ビニール |
5,900kg |
投棄も多い |
|
資料:喜界町、喜界町クリーンセンター資料などより推計
(2)海上輸送パターンの整理
フェリー(コンテナ)での輸送は湾港、チャーター船での輸送は早町漁港というパターンになる。しばらくは、滞留する使用済自動車を貨物船で輸送するため、早町漁港での取り扱いとなるが、その後は、フェリー(コンテナ)での輸送が中心になる。但し、大型車などは貨物船の利用が想定される。
湾港、早町漁港のいずれの場合も、航路、運賃面より鹿児島港への輸送になる。
表−6.3.7 喜界島(湾港、早町漁港)における海上輸送パターン
港湾地区 |
海上輸送 |
荷姿 |
輸送先 |
湾港 |
フェリー |
コンテナ |
鹿児島港 |
早町漁港 |
チャーター船 |
金属スクラップ |
鹿児島港 |
|
(3)港湾での取り扱い
1)湾港
(ア)全体的機能
湾港は、鹿児島港〜平土野(〜知名)港間のフェリー航路が寄港する、喜界島の生活、産業物資の流通拠点港である。
但し、現在は、飛行機の発着のため、日中は船舶の離着岸ができず、フェリー発着は早朝である。また、チャーター船は主に早町漁港で取り扱われている。
(イ)ストックヤード/リサイクルステーション
湾港では、コンテナ貨物の取り扱いが中心であるため、ストックヤードは設けない。
現状では、貨物量が少ないが、将来、リサイクル資源の輸送量が増大すれば、古紙・段ボール、缶、ビン、ペットボトル等の集荷・保管のためのリサイクルステーションを湾港の背後地域(台風時の影響のない、旅客待合所近辺)に設置することが考えられる。
2)早町漁港
(ア)全体的機能
早町漁港は、台風時など、湾港の離着岸が出来ない時にフェリーが離着岸する補完港である。また、日中も離着岸可能であり、主にチャーター船による輸送が行われる。
(イ)ストックヤード
早町漁港では、貨物船による使用済自動車の輸送が行われ、岸壁直背後に一時保管できる十分なスペースがある。現在は、滞留する使用済自動車の取り扱いがあるが、いずれ減少し、湾港でのコンテナによる輸送にシフトすることが考えられることから、ストックヤードは設けない。
(4)費用の低減について
1)離島対策支援事業による海上輸送コストの低減
「自動車リサイクル法」の離島対策支援事業による海上輸送費の8割分(予定)への支援(出えん)により、輸送コストを低減する。
2)船社の協力による海上輸送コストの低減
(ア)上り便の空スペースの活用
貨物が少ない上り便(鹿児島行き)の空スペースを活用し、海上輸送コストを低減する。
(イ)船社に輸送便の選択を与える
空いている便・スペースに乗せるという条件で海上運賃を安くする。
(ウ)環境美化に貢献する海上運賃の設定
船社による奄美群島の環境美化への協力の一環としての海上運賃(グリーンプライス)を設定する。
(5)民間事業者を取りまとめるための方策
湾港、早町漁港において使用済自動車を取り扱うリサイクル事業者と自動車整備業者、自動車販売業者においては、自動車リサイクル法に基づく離島対策支援事業に関連する連絡・調整が必要であることから、関係業界による使用済自動車の推進のための団体を設立するものとする。
表−6.3.8 リサイクル資源の島外輸送のための連絡体制の確立(案)
項目 |
概要 |
趣旨 |
使用済自動車等のリサイクル資源の島外搬出に関わる連絡・調整を行う。 |
メンバー |
リサイクル事業者、自動車販売業者、自動車整備業者、港湾運送事業者 |
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