以上の帯域制限の効果をまとめた結果が図3-45である。図中(a)は帯域制限前の特性で図3-35と同一であり、(b)は帯域制限後の特性である。同図より、(a)に見られた(2)のような異常応答波形は、フィルタリングによる帯域制限後の(b)では、どのような離調状態でも現れない。なお、帯域制限前に見られた周期的な正常応答信号(3)も、帯域制限後は(b)(3)’のように抑圧される。
同様に、1μsの長いパルスを入力した場合の結果が図3-46であり、この場合も帯域制限により異常応答符号は抑圧される。参考のため、このときの異常応答波形の抑圧状況を、図3-47、図3-48に示した。
他のレーダー方式に対しても、同様の結果が得られた。掃引周波数幅10MHzのパルス圧縮波形を入力した場合を図4-49、掃引周波数幅1MHzのパルス圧縮波形を入力した場合を図4-50、掃引周波数幅10MHzのFM-CW波形を入力した場合を図4-51に、それぞれ示した。いずれの場合も、フィルタリングによる帯域制限によって、異常応答波形が抑圧されている。
図3-45 |
離調の度合いと応答波形の変化(帯域制限による効果) |
(a)帯域制限前(図3-35と同一)
(b)帯域制限後
図3-46 |
離調の度合いと応答波形の変化(帯域制限による効果) |
(a)帯域制限前(図3-38と同一)
(b)帯域制限後
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