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(6)対象とする周波数範囲と応答頻度
 新マイクロ波標識は、Xバンドのレーダー周波数帯すべてをカバーするために、従来の低速掃引型レーダービーコンのようにローカル周波数を掃引させて処理の中心周波数を時々刻々変化させる必要がある。レーダーの周波数と新マイクロ波標識の処理の中心周波数との関係を模式的に表したものが図3-20である。同図からわかるように、レーダー周波数と新マイクロ波標識の処理の中心周波数との間には次の3つの状態が存在する。
(1)レーダーの中心周波数と新マイクロ波標識の処理の中心周波数が一致している「理想」状態(以下、同調という)
(2)レーダーの周波数が新マイクロ波標識の処理帯域と一致していない「帯域外」の状態
(3)レーダーの中心周波数と新マイクロ波標識の処理の中心周波数とが完全に一致しているわけではないが、レーダー波が持つ周波数成分の一部(単純パルス波の場合はパルスの持つスペクトラムの一部分)ないしは全部が、新マイクロ波標識の処理帯域幅内に入っているような「離調期間」の状態
 そこで、(1)のような状態が適切な頻度で現れるように詳細設計を行う必要がある。具体的には、ローカル周波数の掃引速度や、低速掃引型レーダービーコンで見られるような複数の回路を並列動作させる等の検討が必要である。
 
図3-20  新マイクロ波標識における処理の中心周波数とレーダーの周波数の関係







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