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2004/08/31 読売新聞朝刊
浦和競馬、2年連続の黒字 場外馬券場の開催増が影響=埼玉
 
◆運営組合の昨年度収支
 県浦和競馬組合(管理者・上田知事)が二〇〇三年度の単年度収支で1億2296万円の黒字を計上したことが三十日、わかった。上田知事らが同日の組合議会の臨時会で報告した。初めて単年度収支が黒字になった二〇〇二年度に続き二年連続の黒字となったことで、二〇〇二年度に20億6699万円あった累積赤字は19億4403万円に減る見通しだ。
 県浦和競馬組合は浦和競馬場を運営している県とさいたま市の一部事務組合。同組合によれば、二〇〇三年度の単年度収支黒字化は、大井、川崎、船橋の三地方競馬が開催するレースについて、浦和競馬が開設する場外馬券場の開催日数を、百五十日(二〇〇二年度)から百九十日(二〇〇三年度)に増やしたことが大きな要因だという。浦和競馬の投票券収入は減ったものの、手数料として受け取る「受託場外発売業務協力費」が3億5463万円増え、20億7054万円となったことが単年度収支の黒字につながった。
 このため臨時会では、委員の荒川岩雄県議が、「やはり、浦和競馬で開催したレースで盛り上がって黒字にならなければいけない」と述べるなど、浦和競馬自身の魅力をアップする必要があるとの意見が出た。
 これに対して浦和競馬組合のトップである上田知事も「公営ギャンブルの観点から言えば黒字となり、県民に還元しなければ意味がない。一般会計から穴埋めしてまで存続するような事態になれば直ちに廃止すべきで、大幅な改善が見込まれてこそ存続すべきだ」と述べた。だが、臨時会で、ナイター競馬を委員側が提案したことに対し、組合側が「住宅地に隣接していて住民からの騒音苦情が多いため、開催は難しい」と答弁するなど、集客力アップの具体的な方策の見通しが立っていないのが現状。上田知事は「今のままでは累損解消に二十年かかることになる」と述べるなど、抜本的な経営改善策が必要との認識を示した。
 
 
 
 
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