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各地で騒擾事件発生
 
 公営競技場における騒擾事件は、開設当初から数多く発生していたが、昭和40年代には、売上、入場者の増加に伴って、騒擾の規模、建物の被害等がさらに拡大していた。
 昭和43年9月、児島競艇場で本命艇が着外となり、これを不満とするファンが暴徒化し、施設を破壊、各管理施設に乱入し、大きな騒擾事件に発展した。主催者の倉敷市は、事態を収拾するため、現金の支払いを行った。
 事態を重く見た運輸省は、この措置が競走法違反であるとして、倉敷市に対し、業界初の1カ月の開催停止命令を出した。
 
騒擾事件でガラスが割れた
多摩川競艇場(昭和43年8月)
 
 この開催停止命令期間中に児島競艇場で開催を予定していた第14回モーターボート記念競走は、中止となった。
 金銭による騒擾の収集措置は、翌44年2月、唐津競艇場でも行われ、同様の開催停止命令が出された。
 なお、騒擾事件は、昭和50年代以降、時代の変化に伴って減少し、この種の開催停止命令は、その後しばらくの間行われることがなかったが、平成6年5月、常滑競艇場で騒擾事件が発生し、同様の収拾措置を行ったことから、1カ月の開催停止命令が出されている。
 
騒擾事件により無惨に破壊された
唐津競艇場の投票所内部(昭和44年2月)
 
日本万国博覧会に競艇業界から21億円を拠出(昭和45年3月)
 
 昭和43年8月、関係閣僚懇談会において、昭和45年に開催される日本万国博覧会をできるだけ多数の国民が見学し得るよう入場料を引き下げ、これによる入場料の収入減20数億円の財源確保については、競艇等公営競技からの協賛を得るよう措置することとなった。
 この内容は、日本万国博覧会協会に通告されるとともに、運輸省その他関係方面に協賛方の要請がなされた。
 これに対し、他の公営競技関係諸団体は必ずしも積極的ではなかったが、競艇業界は、国家的事業である万博の意義を評価し、全施協としては、9月に開催された理事会、総会で、拠出予定額約20億円の3分の2相当額を施行者が拠出することを決定した。
 一方運輸省では、この資金を確保するため、通常の競走の枠を超えて、万博協賛競走を開催することができるよう同年11月、モーターボート競走法施行規則の特例に関する省令を公布した。
 この省令により、28施行者が合計179日の協賛競走を開催することが決定、翌44年1月から45年3月にかけて各地で協賛競走が行われた。
 その結果、同協賛競走の収益金から21億円余(施行者14億2900万円、振興会4億8500万円、連合会6000万円、全国競走会3300万円、施設協1億円)を日本万国博覧会協会に寄付することとなり、昭和45年3月、東京のホテルニューオータニにおいて、寄付金の贈呈式が行われた。
 
日本万国博覧会(昭和45年)







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