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山岳民族保育園環境整備計画〜アカ族の子どもたちに快適な保育園を〜
対象地域:タイ
申請隊員:鈴木 聡子(平成13年度3次隊・村落開発普及)
 
申請内容:
 ローヨー村は独自の言語と風習を持つ少数民族アカ族の村で、隊員の配属先であるチェンライ県山岳民族福祉開発センター管理の保育園があり、教師1名が配属されている。また小さい村ながら園児は多く、2〜7歳までの子ども30人が通園している。
 園ではタイ語や運動、歌、本の読み聞かせなどの情操教育などを行う一方、手洗い・歯磨きなどの衛生指導も行い、子どもたちの健康維持の面でも重要な役割を担っているが、手洗い場がなく、全員でひとつの蛇口を使用している。村の衛生環境の向上も視野に入れ、教師の指導をより効果的にするため、手洗い場設置とともに手洗い歯磨き講習会も行う。
 支援金使途:石・砂利・木材等の建築資材と工事費
 
活動の経過と報告:
 最初に出会った保育園の先生が退職したが、村長はじめ村の役員や新しい先生も保育園環境整備を強く望んでおり、協力して事業をすすめることができ、村人も整地の段階から協力し、雨季という悪条件の中でも予想より短期間で完成できた。
 新しい手洗い場は、昼食前の手洗い、昼食後の食器の後片づけ、歯磨きなどに使用されている。まだ手洗い場の使い勝手がわからず、手洗い場の外でうがいをしてしまう子供も多いが、保育園の先生の指導もあり、子供たちは新しい手洗い場を使うのが楽しいようだ。
 食堂は手洗い場の隣に建設し、離れた所にあった台所を併設することで、配膳等の準備が円滑になった。またこれまでは食べるのが遅い子の周りで、子供たちが遊んで砂埃がたつなど落ち着いて食べられない環境だったが、食堂が独立したことにより、子どもたちそれぞれのペースで食事ができるようになった。
 また、先生の仕事環境を整備することは、なり手の少ない山岳民族の保育園で働く意欲を維持してもらうことにもつながり、子供たちが将来必要になるタイ語を教えてくれる先生を確保できる。
 衛生講習会は、村周辺を管轄する診療所の先生に歯磨き講習会の講師をお願いした。今後この講習会をきっかけに診療所との連携を継続し、衛生教育につなげたい。
 プロジェクト実施にあたり、工務店との交渉や建築に関する助言、工事現場視察など、多くの人の協力があった。大きな支援を望む職員もいて、支援する難しさに落ち込んだこともあったが、その時も同僚が励ましてくれた。今後これをきっかけに、新たな動きが村の中や外から出てくれることを期待している。
 
 
 
 







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