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寄生虫疾患から子どもを守る!
対象地域:タンザニア
申請隊員:原本 栄二(平成13年度3次隊・土木施工)
忠地 佳子(平成13年度1次隊・保健師)
 
申請内容:
 タンガ州のマポジョニ小学校にはトイレが1つしかなく、敷地内のいたる所で子供たちが用を足している状況で、昨年の寄生虫検査では76%の児童が寄生虫疾患を持っているという結果が出た。そこで、昨年1年がかりで7年生男子と村民を中心にトイレの穴掘りを行う等努力をしているが、土が固く掘りにくいため作業は滞っている。
 小学校にトイレができれば衛生的な環境で学校生活を送ることができ、寄生虫疾患も減少すると思われる。またトイレの使い方を通じて有益な衛生教育を行うことができる。
 支援金使途:トイレ4基の設置費用
 
活動の経過と報告:
 支援金の盗難にあい、作業開始が遅くなってしまったことをお詫びする。
 3月4日より27日まで小学校にて工事を行い、無事完成した。当初2月中に工事を実施する予定だったが、市役所の教育課のトップの交代時期で話し合いがつかず、着工が遅れたが、工事開始後は順調に進み、ほぼ計画通りに終了した。
 保護者も教育に熱心でトイレの大切さをわかっており、建設を首を長くして待っていて、工事開始が遅れたことで、保護者自ら工事をしようと考えて、すでにトイレ用の穴を掘りかけていた。工事開始後も、生徒たちが勉強を後回しにしてコンクリート用の水を1日に何回も水汲みに走ってくれて、職人の宿泊場所も村で用意してくれるなど、皆たいへん協力的だった。
 一番の問題は資材および職人の移動と運搬で、市内から非常に遠く、道も狭くでこぼこで、当初市内の建設会社に頼もうとしたが、運賃だけで高額になるといわれた。そこで市役所と相談したところ、燃料代をこちらが負担することで車と運転手を提供してもらうことができてたいへん助かった。建設にあたってブロック積み等は市内から職人を連れてきたが、穴掘り等は村の若者を雇用した。
 完了にあたっては隊員と市役所の建設課、教育課、職人と、先生・児童への引き渡し式を行い、トイレを正しく使うために看護師隊員の協力で衛生の話もしてもらった。
 児童・先生・村民・保護者にもたいへん感謝されている。この村は町から遠く行政の目も届かず、今回教育課のトップに来てもらったが、あまりの整備の遅れに驚いていた。
 こういう地域での支援こそ、実際に村を回っている協力隊の協力だと思う。
 
 
 







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