地域の障害者に対する自立支援プロジェクト
対象地域:ニカラグア
申請隊員:菊地 英理子(平成13年度1次隊・家政)
申請内容:
ボアコ市内及び郊外地区には、障害を持ちながらも貧困故に車椅子を持つこともできず、不便な生活を送る子供たちが大勢住んでいる。彼らに車椅子を提供することによって、閉じこもりがちの彼らに自分の意志で行動する自由が得られ、社会と積極的に関わりを持つようになり、自立した生活を送るようになることが期待される。
支援金使途:車椅子
活動の経過と報告:
車椅子を発注した工場の代表者は、障害者の生活向上について豊富な知識と大きな関心を持っており、一緒に支給候補者を訪ねてその状態を確認した。当初は一律の車椅子購入を考えていたが、この訪問で、リハビリ効果の高い児童を優先し、一般的な病院仕様のものでなく、彼らの症状や骨格矯正等により適したものを支給することとし、それぞれ小児麻痺用、歩行補助器、スポーツ仕様を支給した。一方、調査で支給希望者が増えたため、当初の候補者の中でも、歩行訓練が必要な児童や年輩者への支給は見送ることになった。
車椅子の支給はクリスマスプレゼントとして通知され、配付時にはメンテナンスの方法、効果的な利用法や利用上の注意を家族に指導し、障害児のための屋内外の環境改善指導等も行った。どの児童も到着を心待ちにしていたらしく、はちきれそうな笑顔で車椅子におさまっていた。
任期中に定期的に支給者を訪問するが、その後は家族省支局と、この上記の工場がメンテナンスを引き受けてくれることになった。
また、工場が良心的な価格設定をしてくれたため、予定より1台多く購入することができ、支給時に回収した古い車椅子の部品の再利用と残金による部品購入で、1〜2台を組み立て、今回見合わせた高齢者に支給する予定である。
このプロジェクトを通じて地域の現状を知ることができ、援助を待つだけでなく、しっかりした問題意識をもち、その改善に関わっている人々がいることを知った。支給を受けた人たちに、今後も外の世界に出ていく気持ちをもってもらいたい。
対象地域:ネパール
申請隊員:星野 知也(平成12年度2次隊・理数科教師)
申請内容:
ネパールの公立教育事情は良いとは言えず、隊員の活動する中学校では1クラスに70数人もの生徒が5人掛けの長机でひしめき合って学んでいる。
本年度からは政府による教科書の配布も学校側の負担に変わった。それに加えて試験制度が変わり、理科実験試験の配点が増えたが、実験室を整備する余裕など学校側には全くない。
理科実験室の施設整備によって実験重視の充実した授業となり、教育の質改善への自助努力を促すことができるものと期待される。
支援金使途:実験室建築にかかる材料費
活動の経過と報告:
工事は11月中旬から開始し、3月初旬に完成。実験室としての機能性と多目的教室としての自由性を備え、永く有効活用できるものと思う。
実験室建設の第一目的であった、卒業検定試験における理科実験試験のシステム構築はできなかったが、対象となる生徒たちに実験の機会を与えることができ、実験器具の名前を尋ねてくる生徒たちを見ていると、これまでの授業がいかに教科書のみであったかを改めて感じた。
実験室建設は技術移転のスタートであり、実際の実験室運営は後任隊員の活躍に期待している。
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