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聴覚障害児童への社会参加促進プロジェクト
対象地域:バングラデシュ マイメイシン県
申請隊員:町田 建也(平成11年度3次隊・工作機械)
丹伊田 貴真(平成13年度1次隊・理数科教師)
 
申請内容:
 マイメイシン県内にあるろう学校では、現在17名の子供たちに対して補聴器を使って社会参加のための聴覚訓練や基礎の教育を行う一方、一般の聴覚障害者の補聴器に関する指導や調整を行っているが、機材の不足により業務が滞りがちである。補聴器のパワーを測定する機材を購入することで、さまざまな業務の遂行が可能になり、より多くの聴覚障害者に対して適切な支援が可能になる。
支援金使途:聴覚パワー測定器
 
活動の経過と報告:
 補聴器には可聴域があり、使用者の聴覚にあった補聴器を使わなければならないが、これまではそれを測る補聴器測定器がなかったため、別の機関に有料で測定してもらわなければならなかった。これが補聴器の供給の障害になっており、ろう学校を運営するNGOワールドコンサーンの予算だけでは購入困難だった。
 支援金によって支援先NGOであるワールドコンサーンが機械購入の手続きに入ったが、税関で止められ、バングラデシュ政府の諸事情により受取に2ヶ月を要した。また機械の操作方法やメンテナンスを知る人がなく、製造元の担当者を呼び、ろう学校担当マネージャーなどがトレーニングを受けるために時間がかかり、3月下旬にようやく機械が導入され、4月から本格的使用が始まった。
 その後、温度や湿度の管理もきちんと行われるなど、補聴器測定器は非常に丁寧に取り扱われ、ろう学校を訪問する度に、どんなによい環境になったかという話を耳にする。
 以前は他団体の測定器に依存していたが、指定されたメーカーの補聴器は高価で利用者の負担が大きく、やむをえず使っていた中古品では測定できなかったため、利用者にさまざまな問題が起こっていた。
 この測定器のおかげでどのメーカーの補聴器でも測定できるようになったため、ひとつあたり500タカ(1500円程度)の節約ができるようになり、利用者の経済的負担も軽減することができた。
 
 
 







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