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3. 2003年度事業の展開
(1)沖合海洋情報流通システムおよび沖合海洋情報データベースの編集
 2003年4月7日と6月9日,漁業情報サービスセンターを訪問し,沖合海洋情報流通システムの設計および沖合海洋情報データベースの編集方法について協議し,基本枠組みを決定した。同年9月2日,漁業情報サービスセンターと沖合海洋情報データベース編集業務の仕様について協議した。2004年1月22日,漁業情報サービスセンターにおいて沖合海洋情報流通システムの構築業務について試作品の検討を行った。そして,その試験運用版を漁業情報サービスセンターのホームページ上で公開することとした。今後は,試作品の内容を充実させ,改訂版を順次公開していく。
 
(2)豊後水道海洋情報データベースの編集
 豊後水道で運航されている(図4参照)商船フェリー「ニューあしずり」(宿毛観光汽船(株)所属)に取り付けたメモリー式水温計のデータ編集および公開方法について,大分県,フェリー会社,およびソフトウェア会社と協議し,基本枠組みを決定した。データ編集用システムができ上がったので,今後は担当自治体(大分県)にそれを提供し,現有データの解析を推進し,本システムによる成果物の作成に入る。
 
(3)実地検証データの提供に関する協力依頼および現地視察
 大型浮魚礁ブイ(テレメータ方式自動気象海象観測ブイ)を運用している宮崎県水産試験場と高知県水産試験場をそれぞれ6月5日と6月10日に訪問し,本システムで運用するフェリー水温計の実地検証用データとして,各県のブイ・データを提供していただけるようにお願いした。また,今後水温等の海洋情報を活用した黒潮沿岸域における海況変動の予測技術を確立するための連携・協力を依頼した。
 宮崎県水産試験場は図5に示した大型浮魚礁ブイ「うみさち」を地先沖合の日向灘北・中・南部に3基展開していて,それぞれの情報を「漁海況情報サービスシステム(図6)」を介して一般に公開している。
 また,高知県水産試験場も同様に,図7に示した大型浮魚礁ブイ「土佐黒潮牧場」を地先沖合の土佐湾東・中・西部に3基展開していて,それぞれの気象海象情報を無線通信を利用して収集し(図8),ホームページ上で一般に公開するとともに,テレフォン自動案内サービスも行っている。
 
図4 豊後水道と宿毛−佐伯フェリー航路
(実線がフェリー航路を表す。)
 
図5 大型浮魚礁「うみさち」1号
(提供:宮崎県水産試験場)
 
図6 漁海況情報サービスシステムの概要図
(提供:宮崎県水産試験場)
 
図7 大型浮魚礁「土佐黒潮牧場」構成図
(提供:高知県水産試験場)
(拡大画面:241KB)







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