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2-3 爺爺岳北東地域
2-3-1 西ビロク湖東側(調査日:2003年7月21〜22日、24〜25日)
 オホーツク海側、西ビロク湖と安渡移矢岬の中間付近に上陸。海岸沿いは、ハマニンニクに覆われた砂丘が続き、内陸は見渡す限りの草原で、河川の周囲には湿原が広がっていた。森林面積は非常に狭く、森林分布の北端と言える。ここで確認できた鳥類は、草原性のものが大半を占めていた。シマセンニュウの生息数は比較的多い印象を受けた。また、オオジュリンが育雛の最中だったようで、餌の昆虫をくわえているつがいの姿を確認した。湿原では、クイナを確認した。湿原内を通過中に足元から飛び立ち、付近で大きな警戒音を発声していた。ショウドウツバメは1羽のみの確認であった。周辺には小規模ながら裸地の斜面が見られることから、少数が繁殖しているのかもしれない。オジロワシの成鳥が、海岸と内陸の森林地帯を頻繁に行き来していた。
《確認できた鳥類》アビ、アオサギ、オジロワシ、クイナ、キアシシギ、オオセグロカモメ、ウミネコ、キジバト、アマツバメ、ヒバリ、ショウドウツバメ、ハクセキレイ、ノビタキ、エゾセンニュウ、シマセンニュウ、マキノセンニュウ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、ベニマシコ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
 
西ビロク湖東側の湿原と海岸
 
 
2-3-2 オンコツ周辺(調査日:2003年7月23〜24日)
 西ビロク湖の西側、爺爺岳の麓オタベツ川右岸(ワッカオイ)に上陸し、オンコツ周辺域を調査。爺爺岳の山裾が海岸まで達している。樹種は、エゾマツが主体で、過去の噴火が影響していると思われる枯死木が非常に多い。また、倒木が多く林内を踏査するのは非常に難儀。森林と草原が隣接している地域では、比較的多くの鳥類を確認することが出来た。オジロワシとノスリはそれぞれつがいで行動。ノスリは鳴声を発しながら飛ぶ姿も確認。ミサゴは、海上でハンティングをする姿を目視し、捕らえた魚類をつかんだまま内陸方向へ飛去した。オジロワシについては、若鳥も確認している。それぞれ付近で繁殖を行っているのであろう。オタベツ川より一本西側のエシネベツ(コロドゥニイ川)を踏査。河口部の海岸は砂浜で、林縁部まではフキやササで覆われている。今回の調査で踏査した河川の中で最も規模が小さく、魚影も少ない印象。しかし、この川の上流部で、シマフクロウのつがいと幼鳥1羽を確認した。
《確認できた鳥類》アビ、ミミカイツブリ、ウミウ、アオサギ、マガモ、ミサゴ、オジロワシ、ノスリ、トウネン?、オオセグロカモメ、ウミネコ、キジバト、シマフクロウ、アマツバメ、アカゲラ、ハクセキレイ、ミソサザイ、コマドリ、ルリビタキ、ノビタキ、アカハラ、ウグイス、エゾセンニュウ、コガラ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、ウソ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
 
オンコツ周辺の環境とシマフクロウを
確認したエシネベツ(コロドゥニイ川)
 







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