陸の環境―風景
うっすらと霧がかかる斜古丹山(色丹島) Photo:T.Kasagi |
アカエゾマツ林(国後島) Photo:H.Fujita |
アカエゾマツ林 (Picea glehnii)
国後島の古釜布湿原には、世界でもここと根室の春国岱にしか存在しないアカエゾマツの砂丘林があります。アカエゾマツは、北海道を中心にサハリン南部、国後島、色丹島、択捉島に分布し、本州では岩手県の早池峰山に隔離分布しています。普通は、山地帯で見られ、大きいものは高さ30m以上になります。山地のほかに、古釜布のような砂丘、湿原、岩礫地、火山灰地、蛇紋岩地など、厳しい環境の場所にも生育し、湿原内のものは高さが1m内外に矮性化しています。
グイマツ林(色丹島) Photo:T.Kasagi |
グイマツ林 (Larix gmelinii)
色丹島と択捉島にはグイマツが自生しています。落葉性のマツ科植物で、シベリア東・中部と中国北部に分布するダフリアカラマツの変種とされ、サハリンにも分布しています。シコタンマツとも呼ばれます。かつて日本列島が寒冷だった時代には北海道や本州北部にも分布していたことが、花粉分析の結果などから明らかになっています。北海道では約8,000年前に、気温の上昇とともに絶滅しました。
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