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猛禽類―シマフクロウ
 
シマフクロウ (Ketupa blakistoni)
 
 国後島には70〜80羽が生息しているとみられ、面積が16倍以上もある北海道の約130羽と比べると、けた違いの生息密度です。それは、国後島の川では今でもダムや河川改修や河口部でのサケ捕獲がなく、シマフクロウのエサとなる魚が大量におり、さらにオオバヤナギやダケカンバなど樹洞のある大木が保全されてきたためです。さらに重要なのは、広い範囲が保護区に指定され、人間活動が厳しく制限されてきたことにあると考えられます。
 
 
 
愛らしいシマフクロウの幼鳥(国後島)
Photo:R.Takada
 
 
木の枝にとまるオジロワシ(国後島)
Photo:R.Takada
 
オジロワシ (Haliaeetus albicilla)
 
 国後島や択捉島では、繁殖期に林内の大木の上や海岸の岩の上に営巣し、秋には遡上するサケ類を求めて多数が河川に集まります。近年の北海道では、漁業者が投棄する雑魚類など、人間の供給するエサに依存する傾向がみられますが、北方四島では、魚類や水禽類などの豊富なエサ動物が高密度に生息する個体群を支えています。
 
 
 
飛翔するオジロワシ(国後島)
Photo:H.Taira







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