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活動事例報告
福岡市早良区有田小学校
『みつめよう、人にやさしいARITA』
 
学年:6年生(86名)
担当教員:藤本先生 佐々木先生 西田先生(6年生担任)
期間:2003年7月14日―10月26日
時数:46時限
 
 有田小学校区では、2001年に「有田校区まちづくり実行委員会」が誕生し、自治会や公民館などが協力して、まちの将来を考えたり、地域を見直しきずなを深めるため自分たちで「有田灯明まつり」などを開催してきました。実行委員会の呼びかけにより、有田小学校でも、6年生が地域の大人たちと協力し、きらきらタイム(有田小学校総合的な学習の時間)を活用して、通学路から有田のまちを見直す活動をしてきました(P13参照)。
 
 今回のプロジェクトを進めていくうえで、過去2年の取組みを切り離して考えるのではなく、有田校区の特徴として活かしながら、有田ならではの授業とすることが大きな課題でした。
 
授業プランができるまで
 
 有田小学校では、授業プランを決定するまでに、地域・担当の先生方・ASAPとで話合いを重ねました。話合いを始めた当初、ASAPから提示した企画案は、子どもたちが主体的に参加することで地域のお祭を盛り上げていこうというもので、具体的には、校区で開催されている「有田灯明まつり」の際、お祭の会場周辺に子どもたちと専門家によるお菓子屋さんを出店するプランでした。しかし、学校の先生方からは、過去2年間の取組みや6年生の興味と発達段階等を考慮し、イベント的なものではなく、調査を元に分かったことや考えたことをまとめ、発表する授業が提案されました。
 
 それぞれの案を元に話し合いを重ね、授業は2つの段階
(1)調査し、考えをまとめる。
(2)調べたことを地域の人や他学年の子どもたちが分かる表現にまとめ発表する。
 
で進めていくこととなりました。(1)の段階で、調査を進めるうえでは、校区の環境を考慮し、また子ども達の興味に合わせ、安全・福祉・環境の3つの選べるテーマを設けました。(2)の段階で、調べたことをまとめる方法としては、地図づくりと番組(ビデオ作品)づくりの2コースに分かれました。
 
 そして、子ども達が自分たちで考え専門家と協力して作った地図や番組(ビデオ作品)を、地域の大人達の発表会である校区の文化祭に出品することで、地域で続いている行事に子ども達が関わっていく授業になりました。
 
益田啓一郎さん(企画制作プロデューサー)
 企画地図、地図展などをプロデュース。様々な地域社会活動にも参加、継続的に活動している。
★いろいろな地図の紹介や地図のつくり方、地図をつくるときの考え方、などについてお話していただきました。また実際に地図をつくるときにもアドバイスをいただきました。
 
本村博さん(ビデオグラファー)
 企業広報、街頭ビジョン等の映像編集をはじめ、ビデオ撮影、企画、構成なども手がける。
★ビデオ制作における企画の大切さについてお話していただきました。また、ビデオ作品が完成にいたるまで、撮影・編集にご協力いただきました。
 
西川典洋さん(地域情報誌「モンタン」プランニングディレクター)
 シティ情報ふくおかデスクを経て、モンタン初代編集長となり現在はプランニングディレクターとして活躍。
★福祉をテーマとしたフィールドワークでは、どんな視点からまちを調査したらいいか、子どもたちと一緒に考えていただきました。
 
濱砂圭子さん(育児情報誌「子づれ DE CHA・CHA・CHA」編集長)
 女性起業家セミナー、子育て支援、まちづくりなどの分野において各地で公演活動を行っている。
★安全をテーマにまちを調査するにはどのような見方があるのかお話をしながら、子どもたちとまちのフィールドワークをしていただきました。
 
小山田稔さん(福岡市視覚障害者福祉協会理事)
★視覚障害者がまちをどのように感じているのか、子どもたちと一緒にまちを歩き体験しながら、教えていただきました。
 
福岡市保健環境研究所の皆さん
★福岡市の出前講座として来ていただき、有田校区を流れる水路の生き物調査と水質調査にご協力いただきました。
 
工藤学さん
九州ビジュアルアーツ学務主事音響学科
★聞く地図の編集にご協力いただきました。
 
実際の授業プログラム
有田小学校2003年度
(拡大画面:205KB)
 
授業の様子 〜作品ができるまで〜
1. 課題づくり
 有田のまちづくりの取組みについて地域の人が話してくれたよ!僕たちは何ができるかな?
 
 
2. 調査のすすめ方
 地図や番組をつくりながら有田を見つめることにしたよ!ものづくりに大切なことって何?
 
 
 
3. フィールドワーク
 3つのテーマに分かれて有田のまちを調査したよ!
 
 
 
4. 情報整理
 調査したことをまとめたよ。
 







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