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第3部
東京災害ボランティアネットワーク 上原 泰男 氏
 
 今日は、「三宅島の現状と課題」というテーマで報告会のお時間をいただきました。
 2000年6月26日にあの噴火災害がございまして、それぞれの地域の中で物心ともに3855人の被災者の方々を支えていただいたお礼を、まず言わせていただきます。
 今日、分科会をみなさんに混じって聞いていて、つくづく思ったのは、災害には様々なパターンがあって、準備をしていてもしきれないものが沢山あるということでありました。
 2000年9月8日、沢山の人とともに支援センターを立ち上げたわけですが、まもなく2年6ヶ月になろうとしています。その時には、こんな長い支援になっていくとは、予想していませんでした。しかし、忘れてはならないのは、島から離れて暮らしをされている3855人の、私たちより幾壮大のつらさを持って暮らしをしている人々であります。
 今日も情報部会の中で、イマジネーションを持たなくてはならないというまとめの言葉がございましたが、本当に、人間が生きていくのを共に歩むという事は、とても大切で、深いものがございます。
 少しばかり災害の事を考えてきた私たちは、ついつい、仕組みを作ることやマニュアルを作成することに傾きがちです。しかし、人はもっと深く、もっと複雑です。
 島を離れて全国で生活する多くの人たちは、窓にカーテンのない暮らしから始まり、あのほかほか弁当の空容器で食事をしながら、自分たちの暮らしを作ってきました。いつ帰れるか。その日を待ってじっと暮らしに耐えています。その間、幾人かの人たちの中には人間として壊れていった人もいました。その人たちと一緒に歩んでいくというのは、実はとても大変です。
 
 
 
 私たちは支援します。応援します。しかし、本当に人と一緒に歩むというのは、実はもっと深い。
 今、95年1月の悲劇から沢山のことを学びながら、また、私たちの持っている力は圧倒的に非力ですが、三宅島支援センターという小さな歩みの中で、次の時代を作っていきたい。それは、支援センターと島民の人たちと一緒になって、次の時代を作っていきたい。
 それぞれの地域の中で、精一杯来るべき災害に備えて活動している皆さんと一緒に奮闘したいと思っています。私たちの国は善意にあふれています。その中で、様々な企業の中で、行政の中で精一杯仕事をしている人と共に、悲劇や不幸に対して、精一杯歩んで、より豊かな人間になっていかれることを希望しながらこの道を歩んでいきたいと思っています。
 もうしばらく三宅島の被災者のつらい生活は続きます。
 どうか、皆様の周辺でつらい暮らしをしている沢山の人たちと一緒に、その日を待ちながら、それぞれの地域で奮闘していきたいと思っています。
 
 この大会の評価・成果を知り、それを今後に生かすため、参加者の方々にアンケートに答えていただきました。実施方法は、受付でパンフレットと同封して手渡し、分科会の退場時に回収しました。参加者約350名に対し、総回答数は68、回収率は20%でした。
 このアンケートでは、基調講演・基調報告の感想、そして、本大会のテーマでもある「協働」というイメージについて、それぞれの分科会に参加した後、どのような「協働」イメージを持ったか、などを聞きました。
 会場で配布したアンケート用紙は、後ろに添付しています。
 
■Q1『参加者の普段の活動』
 Q1では、参加者が普段どのような活動を行なっているかを聞いた(複数回答可、選択方式)。下図の結果から、参加者の多く(28名/68名)が何らかのボランティア活動を行なっている人たちだった。また「地域」という項目は、防災リーダーや町内会役員、自主防災組織の一員など、地域の防災活動に先頭に立って取り組んでいる人たちを示している。また、特に防災系のボランティア活動を行なっている人は25名。災害ボランティアコーディネーター講座を受講した人も21名参加していたが、そのうち11名、およそ半数が現在も防災系ボランティアの活動をしている。
 
【参加者の普段の活動】
 
■Q2『溝上氏の基調講演について』
 Q2は溝上氏の基調講演についての評価およびその理由を聞いた。評価は、1を最もよい、6を最もよくないとする6段階の評価であったが、ネガティブな評価(4以上)の回答は有効回答数63名のうち9名だった。
 また、会場が寒かった、会場が分かりにくかったなど設備面への不満の声も聞かれた。
 下図は参加者の評価をまとめたものである。ポジティブな評価(3以下)をした参加者の理由には、話が初心者にも分かりやすかった、などが目立った。またネガティブな評価をした参加者の理由には地震発生のメカニズムよりも発生後の対処をもっと聞きたかったというものがあった。
 
【基調講演(溝上氏)の評価】
 
■Q3『布村氏の基調報告について』
 Q2と同様の6段階評価での回答。有効回答数は63名、うちネガティブな回答をしたのは14名であった。下図のグラフが参加者からの評価をまとめたものである。
 ポジティブな評価の主な理由は、「日常時の社会システムが非常時に役立つということへの共感」「市民が先頭にならねばと思わせてくれた」などがあった。それに対し、ネガティブな評価を下した参加者の主な理由は「役人の絵空事に聞こえた」「進行が早かったのでレジュメが欲しい」などであった。
 また、参加者の評価に関わらず共通して目立った回答には、「時間が足りなかったのが残念」というものがあった。
 
【基調報告(布村氏)の評価】







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