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福和氏
 浜松は、25年前の被害予測のときには予想震度や被害はそれほどひどくなかったのに、去年の見直しで相当ひどい被害予測になって、改めて意識し直された感じですね。意識啓発で何が必要でしょうか。まず、自分たちの危険を知ることでしょうか。
 防災だけだとつまらないし、長続きしないので、地震という非日常の問題を日常につなげるために、環境や福祉とつなげておきましょうということですね。
会場E氏
 島原のEです。
 ボランティアの啓発と協働の分科会ですね。私は、行政と民のすみわけこそが、大事だと思う。まず、自分がすることと、行政がすること、企業がすることのすみわけをしないと区別がつきません。
 先ほどの人が集まらないって話について言えば、それは、災害ボランティアとは、イベントでないから。わたしたちはまだ歩き出しただけで、でも、ちょっとだとしても災害の歴史を紐解くと、人の知恵とか協働に行き着きます。災害ボランティアとはそこにあるんです。特に、普賢岳は長かった。一過性の災害はすぐ終わります。そのときに、地域の災害から外れた福祉、現在の災害、安全とかに視点をかえてみる。森について考えたり。私たちが住んでいる場所の原点は何か。子供たちと一緒にやったりすることで、自分の視点をかえる。自分の見方、枠組みを超えていくんです。
 安全にはハードとソフトの面があって、地域に足をすえて、災害ボランティアの必要性を考えていくことが大事です。テクニックでないんです。
 防災が行政を変えていく。防災が人々の日々の生活の中に見えてくると、動きも大きくなっていきます。自分がやること、行政がやること、企業がやること。すみわけしていくことが大切です。
福和氏
 役割がそれぞれずいぶん違っていて、同じ立場で議論をしても限界がある。意識啓発する相手、人たちによって異なってきます。ネットワークの中でどういう人がいるか、いろんな種類がある。それぞれの役割の中でどうやっていけるか。
会場F氏
 気象予報士会のFです。気象予報士会というのは、まさに災害の予防であると思います。私たちにも、役割があるのではないかと思っています。講演会、学習会ででた疑問や県などへの防災情報は、いろいろ出しているけど、どう生かされているか。
 地域の人たちが防災マップを自主的に作っていくのが、地域防災力の強化であって、それを行政がやっていくだけではなかなか浸透しないと考えています。だから今後、地域で活動する人にどうやって危険を知ってもらうかってことを、大切にしたい。
福和氏
 行政に全部要求するのは無理で誰がフォローしていくか、フォローをうまくしていきましょう。まずそれがひとつ。次に、フォローをすることと地域づくりを関連させるということですね。それを防災だけでは難しいから地域おこし運動としてうまくやっていく。そういうことですね。
 ここに紹介するのは、ひとつの事例ですが、去年、僕も参加したんですが、静岡の4箇所で地域おこしの親子で楽しむ防災スクールをやってきました。皆さんがおっしゃっているようなものが一通り入っています。愛知県でも来年度予算で試行的にやろうとしています。やっぱり地域でやるときには小学校って大事ですよね。小学校の協力がすごく大事だし、小学生が巻き込まれるとすごく効果がある。親も真剣になる。三重や静岡でも成功しているようです。愛知県教育委員会のGさん、愛知県ではどんなことをしようとされているのか、そのあたりを紹介ください。
会場G氏
 来年度は県内の小学校8校で、総合的な防災訓練を実施することを考えています。教育委員会が主催になって、子供たちに防災について学習してもらう。総合防災訓練として、親子で、地域も、関係機関も巻き込んで、防災訓練をやりたいと考えています。
福和氏
 愛知県も動こうとしている。Gさんと話していて、まだ壁はあるなと思うのは、小学校の先生も本業じゃないので乗り切っていないというところです。先生も乗りにくいところがあるようで、先生方としてはイベント会社のほうがいいと思っているところもあるのかなと思います。
会場G氏
 そうではありません。学校の年間行事などをよく調べてもらって、学校の予定とのタイミングを計りながら、地域の連携をとらなくてはいけない、というところにはきています。だから後は、入り方の問題です。
福和氏
 協力を互いにし合っていきたいということでもある。
会場G氏
 もちろん。子供たちの安全の確保への取り組みですから。
会場H氏
 私も高校の教員で、勤めている高校は避難場所になっていて、防災倉庫もあります。けれども、周りの住民の皆さんが避難してくるはずの場所ですけど、私の高校を避難場所にするはずの皆さんは、一度も高校に来たことがない。防災倉庫に何が入っているかも知らない。知らない人が学校に入ってはいけない、というシステムになっている。
 でも実際に防災倉庫を開けて見てみたら、がらがらなんです。561人が収容される人数ということになっているんですけど、乾パンだけがその数揃っていて、ご飯は40食しかなくて、絶対足りない。倉庫はまだがらがらで、まだまだいろいろとつめられる。じゃあ、持ってきてもらおう、と学生が言い出して、地域の人に呼びかけているけど、こっちが大切だと思っていることと、利用する人が大切にしたいと思っていることがずれていると困るので、まずは、住民の代表の人と話をして、地域の人たちのニーズをきいて、一緒に考えていこうと話しています。そうやって一緒に考えていく中で、住民の意識も高校生の意識も啓発されて、それこそ協働が実現できるのかな、と思っています。
福和氏
 高校ってすごく大事です。小中学校っていうのは、地域にすごくくっついているのですが、高校って地域から離れている。ですから先ほどのように行動されたのは、すばらしいことで、高校側から発信しないと、たぶん地域のほうから高校には要望が行かない可能性がある。高校はすごく力を発揮することができるはずで、高校生という自力で働ける人を1200人も抱えているんです。
 ところで、今までの話を受けながら松田さん、愛知県の意識啓発グループとしてどんなことをしていったらいいか、思うところを個人として話していただけませんか。
松田氏
 意識啓発グループではなく、啓発育成グループです。育成というのは、ボランティアの育成ということを意味しています。
 防災協働社会の主役というのは、行政、企業、NPO、住民ですよね。それぞれが役割を果たしながら、一体となって、防災対策に取り組んでいく。これは去年くらいから出てきた言葉ですが、愛知県でも、地域防災計画の中では一番重要なテーマとなっています。では、愛知県では具体的に何をやっているのか。あらゆる手段を使って、意識啓発をやっている。特に、一番力を入れているのが、愛知防災カレッジですね。
 今日もその受講生の方が会場にいますけど、講座の中では、専門的な地震やボランティアについてなど、防災のリーダーとなるための知識を得たり、演習をやったりしている。この防災リーダーの方たちというのは、いろんな方がいて多種多様な人がいます。こういう方を通じてネットワークが広がっていく、ということを期待しています。
 行政が直接、啓発活動をするより、防災ボランティアリーダーの人のほうが住民に近い、ということはありますので、地域の人にとってわかりやすく啓発できるのでは、と期待しています。
 
福和氏
 今日のキーワードは啓発とネットワークと協働です。啓発では、誰を相手にしているか、誰がどういう役割なのかという議論がまだできていないということを実感しています。ネットワークというのも今日十分に議論できていないんですけど、誰と誰のネットワークをつくっていくか、少なくとも行政とボランティアのネットワークが大事だということが出ている。その中の小学校、学校の役割。ネットワークをつくるとき、防災以外の何か別の目的もつくらないといけない。
 それから協働という言葉が独り歩きしてしまう。協働の仕方についても少しずつ勉強し始めて、経験しながら協働の仕方を考えていかないといけないと、今日のディスカッションで思いました。
 あんまり難しく考えずに、今の段階では仲間を増やして一緒にやれるようにするための人的ネットワークをつくる。その程度のことを今日の分科会の方向性にしたらどうかなと思います。課題提起者の高桑さん、そのくらいの落としどころでいかがですか。
高桑氏
 いろんな切り口があって、それぞれみんないろんな悩みを持っていて、それを評価したり、新しい見方を与えてくれる人がいて、今後、仲間を増やしていくのが、重要なところなのかなと感じます。
福和氏
 すごく活発に議論してくださった皆さんに感謝するとともにパネルに参加してくださった方にも拍手お願いします。
五辻氏
 紹介ですが、東京で命のポータルサイトという異業種交流のものすごい場ができています。
 今日の議論の仲間作りも、もちろんそれも大切ですが、やっぱり震度7の地震の恐怖、イマジネーション、想像力を持ってもらうための啓蒙ツールをCD版で作っています。市民の皆さんに使ってもらいたいという主旨でもうじきできあがりますので、「東京いのちのポータルサイト」のホームページをのぞいて見て下さい。
 







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