2) 第2気筒横ブロック
第2気筒横ブロックでは、時間軸データでも顕著な差が出なかった(図2.5.2.3-9、-10参照)。
RMS値で比較するために、時間ゲート無しで周波数分析しても有意な差はなかった(図2.5.2.3-11、-12参照)。
次に爆発上死点でのスラップのタイミングで時間ゲートをかけて周波数分析をし、RMS値を求めたが、周波数軸上で広帯域の変化は見られず、狭帯域でしか評価ができない上に、正常時と摩耗時とのRMS値の差が小さい。( 図2.5.2.3-13、 -14参照)。
狭帯域の変化だけで判断すると、ロバスト性に欠ける可能性があるため、前述2.5.2.2の主軸受メタル摩耗同様に他の良い評価点を検討したが、現在の第2気筒横ブロックは第2気筒のピストン、ライナに最も近いポイントであるため、これ以上の良い条件を備えた位置は見つからなかった。
結局ピストン摩耗量が、今回の供試品では、小さすぎたため、機関表面振動で評価するのは困難であった。
図2.5.2.3-9 第2気筒横ブロック(負荷300kW)正常時
図2.5.2.3-10 第2気筒横ブロック(負荷300kW)摩耗時
図2.5.2.3-11 第2気筒横ブロック(負荷300kW) 比較(時間ゲート:無し)
(拡大画面:100KB)
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図2.5.2.3-12 第2気筒ブロック(負荷300kW)比較
(時間ゲート:無し)
(図2.5.2.3-11の赤丸部分:
2.7〜3.3kHzのパーシャルオーバーオール値)
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