活動に寄せて
《子育てアドバイザーの理念》
一、私たちは、お母さんの子育ての不安や悩みを軽減し、より良い子育てができるようサポートします。
一、私たちは、子どもの健全な成長とお母さんのゆとりのある子育てを応援いたします。
一、私たちは、子育てをお母さんがたった1人でしなければならないという環境をなくします。
一、私たちは、赤ちゃんが1人生まれたら、子育てアドバイザー1人が担当するのをモットーとしています。
一、私たちは、「子育ては社会全体で」をキーワードに少子化の流れをストップします。
《子育てアドバイザーの守秘義務》
子育てアドバイザーは、聴いた話を他の人にしてはいけません。子育てアドバイザーにとっては秘密とは思えないようなことでも、相談者にとっては秘密にしたいということがあるからです。もし自分1人では解決できずに他の子育てアドバイザーやスーパーバイザーに相談する場合は、可能なかぎり相談者の名前を出さないように配慮してください。
なお、相談ケースを他のアドバイザーや専門家に引き継ぐ場合は、守秘義務よりも引き継ぎが優先されることがあります(この場合でも、相談者の許可を得ておくと後でトラブルが起こるのを避けることができます)。
《子育てアドバイザーの時間厳守》
1セッションの時間の単位を決めましょう。
相談時間には限りがあることをはじめに知らせることです。必要があれば、あと何分残っているか頃合いを見計らって伝えることも重要です。
約束された時間には早めに行き、相談者を決して待たせてはいけません。
延長の時はあと何分か聞き、費用がかかる場合は金額も伝えましょう。
《子育てアドバイザーの倫理規定》
子育てアドバイザーとして、相談者にしてはならないことがあります。以下に掲げることを守り、相談者が安心してあなたに心を委ねられるアドバイザーになってください。
○子育てアドバイザーはなるべく個人的な活動は避け、本協会もしくは地域グループ、各組織体に所属しましょう。
○個人的に相談依頼が来てもあなたの自宅の使用は避け、個人的なお付き合いにならないよう心がけましょう。
○相談中にアドバイザーは相談者の肩や手などに触れてはいけません。つい親密な感情移入に陥り、同情心や慰めるつもりで身体に接触しがちになりますが、注意しましょう。
○費用が発生する場合があるため、領収書の用意をしてください。金品の貸し借りは禁止いたします。
《子育てアドバイザーとカウンセラーとの違い》
カウンセラーは個人や家族が当面する悩みなどについて相談に応じ、ゆっくり話を聴く間に相談者が問題解決を図るのを促したり、適切な指導・助言などをする人です。特に精神医学・臨床心理学を修めた専門家で「相談員」といいます。子育てアドバイザーはカウンセラーとほぼ同じ役割を果たす人ですが、相談者の心に添い、共感し、また子育ての知恵を伝え、互いに喜び合える人のことです。
良くないカウンセラーの見分け方
○「親の育て方が悪いんだ」と批判非難されているような感じがする
○「こうしなさい」と強制する
○過去の話に終始する。納得のいく話がない
○単に相槌をうっているだけ
○カウンセラーの体験談と意見だけに終始する
○やたらと励ます
○1つの方法のみにこだわる
良いカウンセラーとは
○話をするだけですっきりする
○自由に話し合える
○悩みを受け入れてくれる
○過去より現在に焦点がある
○具体的なアドバイスをくれる
○適切な時期に適切な量のアドバイスをくれる
○方法論をいくつも持っていて相談者の納得いく方法を教えてくれる
○批判や非難をしない
○相談者の心を開いてくれる
《子育てアドバイザーの引き継ぎ》
同じ相談者に対して、アドバイザーが複数関わる必要があるとき、引き継ぎが必要です。口頭で行う場合と文章にして残す場合とがあります。日報のようにして記帳しておくことは大切な作業でもあるので心がけましょう。
また専門的な相談内容や自分では対応できない場合は無理をせず、即答を避けて専門家や機関に連絡を取りましょう。その場合注意しなければならないことは、相談者があなたから見放されたと思うようなことがないように気をつけることです。
また、アドバイザーは独断で判断する危険性をはらんでいます。思い込みや「○○だろう」「○○じゃないかしら」といった思考癖は改め、誰かに相談する習慣をつけましょう。連絡と報告も同じです。この習慣ができるようになれば社会人として合格です。
《子育てアドバイザー面談法》
○所定の記録用紙を用意しましょう。
○その場の状況や雰囲気にあった座り方を考えましょう。
以下は個別面談の場合の配置図です。
○面談の場合、相談者の家族背景を考えないわけにはいきません(それぞれの背景に気を配りながら面談する必要があります)。
○最小限のメモを取ります(あからさまにメモを取らないでください)。
○1対1で面談する場合は、目の前でテープなどへの録音は避けたほうがよいでしょう(緊張を高めてしまうからです)。
○面談は一種のセラピー(治療)と思ってください。
○相談者が相談室から出て行くときに、入って来たときよりも雰囲気がよくなるように心がけましょう。
○アドバイザーは相談者から観察されていることを忘れないでください。
《子育てアドバイザーの面談のフォーカス》
(1)母親の性格特性の把握
性格類型にはめ込もうとしないで、性格を多くの特性の集まりと考えて、1つ1つの特性が強いか弱いかと考えるほうがいいでしょう。
(2)母親の情緒の了解
情緒には様々なものがありますが、不安、恐怖心、怒りなどという情緒は重要なものです。これらは人間の安定度の指標になります。
(3)欲求不満の忍耐性や防衛
情緒は性格ともっとも関連を持っているものです。欲求不満が起きるとすぐに情緒的に爆発してしまうのか、防衛的なのか、抑圧があるとするならどのようなものなのか、などについて把握しましょう。
(4)親子関係分析
親を知る上で重要なのは子どもを見ることです。「子どもは親の鏡です」と言われているように、子どもを見ていると親がわかります。親子面接をすると、親子関係のデリケートな事情を了解することができます。
(5)対人関係の把握
友人関係、近所付き合いの希薄な時代です。それがどのように影響しているのか、または影響していないのかなどを確かめておきましょう。特に友人に対する情緒的な接触を把握することが大切です。温かい人柄なのか、冷たいか、というおおまかなことでいいのです。
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