[実験]COD測定
目的 実験1と同様に身のまわりのいろいろな水について、汚染の目安となるCOD(化学的酸素要求量)を測定する。
COD(化学的酸素要求量)
水に溶けた有機物などの酸化されやすい物質を酸化したときに、使われる酸素の量を表す。
この数値は一般に小さいほうが望ましい。
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準備するもの
・ビーカー ・CODパックテスト
<サンプル>
・雨水 ・海水 ・河川水 ・家庭用洗剤 ・酢など
手順
(1)いろいろな水について、市販の簡易COD測定キツト(パックテスト)により、図のようにCODを測定する。
〈パックテストによるCODの測定〉
考察
(1)上記の実験で得られたサンプルのCODを図表に表してみよう。
(2)食品工場や食堂のあるところからの廃水や、同じ川の上流と下流の水についてCODを測定し比較しなさい。
物質を分離精製する実験
「汚れた水をきれいにしよう!」
化学元素には現在107種類あることが確認されており、更に新元素が発見されつつあります。この107種のうち一部は人工的にのみつくられるが、大部分は自然界に存在しています。そして原子番号で84番以上の元素はすべて放射性を示します。これら多数の元素の原子は単体で存在することもありますが、異種のものと結合して約1,600万種という化合物を形づくっています。化学では、しばしば異種の物質の混合物を相互に分離し、精製する必要があります。分離精製法にも実に多くの方法がありますが、ここでは簡単なろ過と脱色の実験を示します。
目的 ろ紙とろうとを用いて泥水をろ過したり、水に溶かした食用色素を活性炭に吸着脱色したりする実験を通じて、物質の分離、精製の原理を知る。
準備するもの
・ビーカー ・ろうと ・ろ紙 ・ろうと台 ・泥水 ・希アンモニア水 ・色水 ・活性炭 ・ガラス棒
手順
(1)図のように、ろうと台にろうととビーカーをセットし、ろ紙を折ってろうとに取り付ける。
取り付けの最後に水をかけてろ紙とろうとに密着させる。
ろ紙のおり方
(2)別のビーカーに泥水をとり、ガラス棒を伝わらせて液を徐々にろうとに注ぐ。
(3)ろ紙を通過した透明なろ液に希アンモニア水を滴下する。
(4)(3)の操作で生じた沈殿(鉄やアルミニウムの水酸化物)を(1)と(2)と同様な操作でろ過する。
(5)別のビーカーに食用色素を溶かした水溶液を入れる。
(6)粉末活性炭(薬さじ約1杯)を加え、ガラス棒でかき混ぜた後、ガラス棒を伝わらせて液を徐々にろうとに注ぐ。
(7)ろ紙を通過した液が粉末活性炭によって色素が脱色されたことを観察する。
考察
(1)手順(2)、(3)でろ紙は不溶性の固体(浮遊物や沈殿)を除くことができるということがわかりました。ろ紙にはいろいろな種類(目の大きさや厚みの異なるもの)があるから、違う種類のろ紙を用いた場合、(2)と(3)の操作の結果がどうなるかを確認しなさい。
(2)手順(6)、(7)の結果から色素が脱色されるのはなぜか考えなさい。活性炭はアンモニアなどの臭気成分の除去にも有効であることを確かめよう。
(3)ろ過や活性炭吸着の原理が私たちの身のまわりでどのように使われているかを調べよう。
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