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平成15年3月18日
PTA会員の皆様
 
新洞おやじの会 活動レポート
 
 昨年春、京都市教育委員会の“お父さん子育てサークル推進事業”の補助を受けスタートした「新洞おやじの会」ですが、多くの皆様の応援を受け下記のような活動を行いました。
 初年度ということもあり、参加機会を増やそうと積極的にイベントを開催しましたが、「企画が多すぎたのではないか・・・」「家族で過ごす時間を大切にしたい・・・」「土曜日だけでなく、日曜日や習い事の休みになりやすい祝日なら参加できるのに・・・」等々のご意見も頂戴いたしました。
 また、「(PTA会長名の案内が来るので)出席しないといけないの?」「お手伝いしなくていいの?」などのご心配もあったと聞きますが、ご協力いただいたお父様方は“子供に遊んでもらっている、やって良かった”と、心より喜んで企画参加していただいた事をお伝えしておきます。
 これらのお声を大切に15年度も4月初めに懇談会を開催し、一層楽しく充実した会に育てていただきたいと思います。どうぞ今後とも宜しくご支援お願いいたします。一年間の感謝を込めてご報告申し上げます。
14年度会長 山梨彰一
 
■主なPTA活動とふれあい活動の記録です。(全校児童95名 67家族・参加人数は幼児を含む)
・・・お父様がたに多数参加いただいた行事を記載いたしました。・・・
5月25日(土) 「鴨川ハイキング」児童23・大人11
鴨川畔を二条より出町まで散策。現地でお弁当・魚つりなど。
6月15日(土) 「おやじ座談会」大人15
講演 “お父さん子育てサークル推進事業”ってどんなこと?
教育委員会家庭教育支援室首席社会教育主事 橋本昇先生
座談会 “楽しい企画! おやじにできること”
7月20日(土) 「夏休み親子の集い 学校お泊まり会」児童95・内宿泊55 大人50内宿泊15
花火・校舎探検・深夜まで映画鑑賞など 講堂にて貸フトン利用・夜間宿泊警備。
8月3日(土) 「北山自然体験&バーベキュー中川小学校(西野前教頭先生を訪ねて)」児童27・大人12
 JRバス・北山杉資料館・バーベキュー・魚つり キャリー隊3台。
8月31日(土) 「大文字山ハイキング」児童23・大人8
 学校−(バス)−銀閣寺前−大文字山−山頂−南禅寺−学校。
9月22日(日) 「タナゴ釣り自然体験」児童30・大人15
 竹サオ作り・釣り・飼育 事前に洛西へ竹伐採。
10月12日(土) 「みんなで楽しくウォーキング」児童8・大人12
 家庭教育新聞取材 上賀茂〜深泥が池〜宝ヶ池コース。
11月23・30日(土) 「パソコン教室」児童50・大人20
 カード・年賀状やシール作り タイムカプセルカード作成「一太郎スマイル」ハガキ用紙配布。
11月〜12月 「38年度卒業記念水槽改修工事」大人10
 卒業生の寄付により傷みのひどかった水槽を撤去、タナゴ水槽を設置しました。
12月21日(土) 「タイムカプセル埋設」児童20・大人5
1月5日(日)「琵琶湖大回りミニ旅行」児童9・大人7
 JRの「大都市近郊区間の大回り乗車」を利用し、[三条](京阪電車:470円)[西大津]・[皇子山](JR・琵琶湖西廻:180円1区間大回り米原経由)[山科](地下鉄東西線:230円)[三条]を電車を乗り継ぎ格安に旅しました。(表示は大人料金、子供は約半額 昼食込み子供1000円 大人2500円程度)
1月25日(土) 「新春おやじ座談会」大人10
 地域の伝統や文化、地域教育などについて、『新洞おやじの会』の活動状況報告や反省。
1月25日(土) 「ゴム動力飛行機つくり」児童24・大人13
 児童も保護者も夢中で作りました。製作後、校庭で思いのほか良く飛びました。
2月8日(土) 「木工教室」児童18・大人14
 2×4材によるベンチ作り6台、杉丸太植木台多数、自由工作。事前に杉伐採。
2月22日(土) 「琵琶湖博物館」児童10・大人11
 地下鉄・JR・近江バス・博物館・船・(琵琶湖汽船)京阪電車 子供1400円 大人2800円。
3月15日(土)「講堂大そうじ」児童40・大人30 小雨の降る中、沢山の参加者ありがとうございました。
 
新洞おやじの会 活動レポート
平成15年11月30日
 
<活動状況>
構成:左京区新洞小学校PTA会員の父親約15名が中心。
内容:学区ぐるみの「ふれあい活動」の一部を担う形で、士曜日のアウトドア活動などを企画実行。「新洞ふれあい活動推進協議会」PTA(おやじの会含む)・体振・女性会・少年補導・交通安全協会他
 
<活動方針>
 大人が面白いことは子供も面白い。
 参加人数に関わらず実施、当日参加・当日欠席 なんでもあり。連絡用に携帯電話を活用した。
 学校行事・児童館・各種団体イベントとのスケジュール重複を避けるように調整した。
 
<活動結果>
 幼児を含む、子供同士のコミュニケーションが大変スムーズになった。
 特に大人同士の新たな友人関係が広がった。
 学校・教職員への親近感が深まった。
 
<平成15年 活動記録(全校児童95名 67家族)参加人数は幼児を含む>
 
1月5日(日) 「冬休み特別企画『琵琶湖大回りミニ旅行』」父5 母2 児童9
JRの「大都市近郊区間の大回り乗車」を利用し、[三条](京阪電車:470円)[西大津]・[皇子山](JR・琵琶湖西廻:180円1区間大回り米原経由)[山科](地下鉄東西線:230円)[三条]を電車を乗り継ぎ格安に旅しました。(表示は大人料金、子供は約半額 昼食込み子供1000円 大人2500円程度)
1月25日(土) 「新春おやじ座談会」父10
地域の伝統や文化、地域教育などについて、『新洞おやじの会』の活動状況や反省。
1月25日(土) 「ゴム動力飛行機つくり」父8 母5 児童24
おやじ夢中になる・・・。メーカー直接購入 部品サービス有
2月8日(土) 「木工教室」父9 母5 児童18
2×4材によるベンチ作り6台、杉丸太植木台多数、自由工作。事前に杉伐採部隊活躍
2月22日(土) 「琵琶湖博物館」父5 母3 児童10
地下鉄・JR・近江バス・博物館・船・(琵琶湖汽船)京阪電車 子供1400円 大人2800円
・5月25日(日) 「新洞農園作業開始」父7 母5 児童15
校長の私有畑地を開放してもらい野菜などの栽培開始
後々、散水・支柱たて・草取り・等々作業
トマト ししとう ナス 枝豆 サツマイモ 等 夏から秋に大量収穫
・6月13日(金) 「おやじ座談会」父11
地域に住む、宇宙飛行士を目指す京都大学院生の若者を招き対談
・6月29日(日) 「鴨川ハイキング」父7 母5 児童15
徒歩にて鴨川ハイキング 昼食をはさみ川で釣りやエビなどを観察
・9月23日(秋分の日) 「タナゴ釣り」父9 母6 児童37
竹ざおを利用した仕掛け作り、および地元の小川でのつり体験
・10月19日(日) 「ヘリウム飛行船実験観察」父10 母10 児童25
テント組合青年部による飛行船テスト飛行観察<京都新聞掲載>
・11月2日(日) 「大文字山登山」父5 母6 児童13
下山後、「三条まちづくりフェスタ」参加
 
・12月予定 「パソコン教室」年賀状やクリスマスカードの作成など
 
京都市立新洞小学校
おやじの会
 「新洞おやじの会」は文中にある活動意外にも『夏休みお泊まり会』『自転車交通安全教室』『ゴム動力飛行機づくり』『琵琶湖博物館見学』など、子どもたちと接しやすい活動を幅広く行っています。今回は、いろいろ観点から会の形態をお父さんたちにまとめていただいたものも踏まえて、活動を紹介をします。
 
 
 学校完全週5日制が導入されてから足かけ2年。今、全国で、子どもたちの居場所づくりが、様々な形で取り組まれています。そのうちの一つが、「おやじの会」の活動。もともとは、80年代に、一部の中学校で男子生徒による校内暴力が発生し、先生やPTAの手に負えなくなったため、やむなく地域のお父さんたちが登場し、先生やPTAとも協力して、問題を解決に導いたのが、その始まりと言われています。現在では、中学校よりも、むしろ、幼稚園や小学校でこれが組織され、広がりつつあります。青少年の問題行動の深刻化や地域や家庭の教育力の低下等が叫ばれている昨今、お父さんたちが子どもたちの保護者としてはもちろん、一地域住民として、その健全な成長に関心を持ち、関与することが期待されています。
 一方では、お父さんたちは今、世の中で一番忙しいと言われていますが、子どもたちに関わることで、家族の絆が深まり、地域に住む同年代の人たちとの交流で視野が広まり、その結果、仕事上のストレスの解消はもちろん、仕事オンリー人間には期待すべくもないある種のバランス感覚の体得といったことに繋がる面があることも事実でしょう。
 ここでは、その一例として京都市左京区にある市立新洞小学校の「新洞おやじの会」の活動を取り上げ、平成14年度会長の山梨彰一さん(株式会社山梨製餡代表取締役)にその取り組みについて、お話を伺いました。
 京都市内東北部、校区内に50余のお寺がある昔ながらの風情を残した地区にある新洞小学校は、生徒数90名とこぢんまりした小学校、その歴史は130年、3世代にわたる通学も珍しくなく、それだけに愛校心も強く、地域の理解度も高い学校です。
 そんな環境を背景に、昨年の5月に10名ほどのお父さんたち有志で発足させたのが、「新洞おやじの会」―(基本的には、PTA会員をそのまま会員と考えている)。市教育委員会の協力も得て立ち上がりましたが、従来から活発に行われてきた様々な地域活動を補完する形でスタートしました。
 以下、いくつかのポイントに絞り、工夫している点を中心にコメントいただき、「さすがは、お父さんたち」とうならせる部分が垣間見えます。以下はそのレポートです。
 
女性会主催で毎月1回行われる手芸教室。
 
木工教室では2×4サイズの
ベンチを仕上げました。
 
発足期での留意点
 
 市教委から講師を招き、講演を聴くという形をとり、よくある「飲み会」ではないという点を強調し、お母様方の理解と信頼を得るように努力しました。また、お互いに名前も知らない同士のため名札を作成し、簡単な自己紹介を行ったり、全員にひとことずつ発言してもらうように配慮もしました。
 
PTAや学校との関係
 
 ひとことでいえば、いわば、共同体としての存在。主として校外での活動を中心に参加可能な保護者・児童生徒が気軽に参加できる企画を心がけています。参加資格やノルマは一切無し。参加費用も参加者負担とし、PTAなどの補助・制約も受けません。ただし、万が一の事故に備え、PTA保険が利用できるようにPTA共催という形をとっています。
 学校側には、設立当初より、全面的に協力いただいており、校長もしくは教頭・教務主任などの先生に毎回ご参加いただいているのが、親にも子どもにも心強い限りです。また、各種案内チラシは、学校を通じて、保護者に配布という形をとっています。
 
会の構成
 
 会員は登録制でなく自由参加(都合がつく時に参加というニュアンス)、会長と主たる企画者5名ほどの協議により、PTA予定と地域の学校・地域行事などに配慮しながら、重複を避けて活動するように心がけています。父親に限らず、母親も参加。地域への呼びかけは特にしていません。
 
自転車交通安全教室。
 
大文字登山。
銀閣寺から“大”まで1時間、山頂まで1時間、南禅寺まで縦走2時間の道のり。山頂からは生駒の山並みや大阪中心部のビル群まで見渡せる絶景。
 
活動内容
 
 おやじさんたちの座談会他、校長提供の畑で家庭菜園を実施したり、ハイキングやウォーキング、木工教室、パソコン教室、さらにはPTA主催の卒業式前の学校講堂の大掃除に積極的に声を掛け合って参加するようにしています。
 
経費関係
 
 市の教育委員会より、初年度のみ5万円の資金援助を受けましたが、それ以外は全て参加者負担となっています。機材の運搬や用具の貸し出しは個人のボランティアに負うところが大きいようです。
 
 世の中で一番忙しい人といわれている現役のお父さんたちに、子どもたちとどう関わってもらうか、社会参加してもらうか。これは、日本の子どもたちの行く末を考えた時、解決しておくべき緊急の課題といえますが、「新洞おやじの会」の活動には、その解決策のヒントが数多くちりばめられています。
 千年の都、京都は、明治維新後の東京遷都により、衰退の危機にありましたが、町衆が京都の再興は人づくりにあるとの信念の下、全国に先駆けて小学校の創設に情熱を傾け、明治2年には、我が国最初の学区制小学校64校を開校させています。今でも、町中では小学校は地域のコミュニティの中心であり、校長先生が転任する場合に、町内の有志が、にぎにぎしくお見送りすることもあると仄聞します。こんな町衆の心意気が、「新洞おやじの会」のお父さんたち一人ひとりに遺伝子として受け継がれているのではないかと思わせるほど、その活動は活発ではあるが、無理のない自然な活動です。
 







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