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海難防止豆知識
●プレジャーボートの皆さんへ・安全航行施設の主役「方位標識」を正しく覚えて万一の海難防止に役立てましょう●
 船舶の航行安全を守るため、海上にはブイや灯台(標)等の航路標識が設置されていますが、これらの航路標識は形や色、そして光り方によって、いろいろな意味を表していることは良く御承知のことと思います。
 例えば、航路の両側に設置されている赤色と緑色のブイ、安全な航路を示す赤色たてじまのブイ、海上での工事区域範囲を示すために設置されている黄色のブイ等は良く見かけるので、その色や形が表す意味は良く理解されていると思いますので、このコーナーでは時々見かける黒と黄色の横じまのブイと赤と黒色の横じまのブイについて説明します。
 次の図は方位標識と孤立障害標識が設置されている海域の状況を示しています。
 
 
方位標識
(1)方位標識の意味と利用上の注意点
 方位標識には北方位東方位南方位西方位の4種類があり、その標識が与られた名称、機能の方向に安全な可航水域があることを示し、逆の(反対の)方向に岩礁等の障害物があることを意味し、標識は黄色と黒色で塗り分けられ、光の色は白、光り方は急閃光または急閃光と長閃光を組み合わせた、早いリズムで航海者の目を引くように配慮されています。
 また、方位標識を利用する場合、今自分の船がどの方向に進んでいるかを認識した上で利用することが重要でコンパスとの併用が欠かせません。
 
(2)方位標識の塗色とトップマーク
 
北(N)方位
東(E)方位
南(S)方位
西(W)方位
 
〔トップマークの覚え方〕
[北]▲▲黒色の三角形が2個共上(北)の方角を向いています。
[東]▲▼黒色の三角形が上と下を向いており、エレベータの押しボタンに似ていますのでE(East)と覚えて下さい。
[南]▼▼黒色の三角形が2個共下(南)の方角を向いています。
[西]▼▲2個の三角形がワイングラスに似ていることからW(West)と覚えて下さい。
 
 塗色はトップマークの三角形が向いている方向が黒色でその反対側が黄色に塗られています。
 
(3)方位標識の光のリズム(色はすべて白色)
北方位 連続した急閃白光
時計の文字盤で12時の方向
東方位 10秒毎に3急閃白光
時計の文字盤で3時の方向
南方位 15秒毎に6急閃白光と1長閃光
時計の文字盤で6時の方向
西方位 15秒毎に9急閃白光
時計の文字盤で9時の方向
 黒色の球がたて方向に2個並んでいます。
 
(4)塗色
 黒地色に赤色の横帯が1本入っています。
 
(5)光の色とリズム
 5秒間に2回の白閃光かまたは10秒間に2回の白閃光が表されますが、我が国では「5秒間に2閃光の白光」が使われています。
 
 このコーナーでは、2つの特異な航路標識を紹介しましたが、特に、方位標識はその標識が表している意味を誤って覚えたり、誤って利用したりすると直ちに海難に繋がるので、注意しましょう。







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