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第5章 まちの駅について
まちの駅って素晴らしい
だれでもできるから、すばらしい。
「自分さえよければ」
もうそんな時代ではないよね。
みんなが暮らすまちのために、自分を役立てたい。
でもどうやったらよいの?
一人でボランティアを始めるのはちょっと気恥ずかしい。
言い出しっぺになるのもあとあと面倒かな。
もしあなたがお店を開いていたら、話は簡単。
「まちの駅」の看板をかけて、来た人にトイレを使わせてあげて、パンフレットを置く。
そして気軽に声をかけてまちのことを教えてあげる。
それであなたは「まちの案内人」
そしてあなたの店は「まちの駅」
 
 
大切なのは、ちょっとした時間ともてなしの心。
「だれでもできる」・・・それが「まちの駅」
 
みんなが集まるから、すばらしい。
買い物でもないのにお店に入るのは、ちょっと勇気がいるよね。
でも、「まちの駅」のマークがあれば、とたんに入りやすくなる。
人という字が三つで中国語では「衆」
そこにインフォメーションの“i”が入ったマークは、みんなが集まりたくなる魔法の印。
「まちの駅」には、そんなシンボルマークやすてきな「まちの案内人」に引きよせられて、だれでも気軽に集まってくる。
そのまちの人、よそのまちの人、そしておもしろい人。
いろんな人が集まって、まちのことをみんなが語り、知恵を出し合って、まちのこれからを考え、そして新しいまちの姿が生まれる。
 
 
大切なのは、ちょっとした時間とまちを愛する気持ち。
「みんなが集まる」・・・それが「まちの駅」
 
仲間ができるから、すばらしい。
もし「まちの駅」が一つしかなかったら、ただそれだけ。でも、「まちの駅」が二つになると、お互いに仲間ができる。
「まちの駅」がとなりのまちにもできると、となりのまちに仲間ができる。
「まちの駅」がもっと広がると、どこにいっても仲間ができる。
おもしろい人、笑顔がすてきな人、虫のことに詳しい人、ヨットを動かせる人、きのこに詳しい人、絵がうまい人、ビリヤードが得意な人、走る人、走らないけどどこへでも歩いていく人、万葉の歌が詠める人、焼き物をつくれる人。
まだ行ったことのない遠くのまちにも、きっとあなたが探している人が。
「まちの駅」を通じて、そんな人たちと仲間になれる。
 
 
大切なのは、ちょっとした時間と人を愛する気持ち。
「仲間ができる」・・・それが「まちの駅」
 
まちの駅とは その1 (1)
 
まちの駅の概念
今まで・・・
 
 
地域に存在するそれぞれの施設が個別に来訪者と係わっており、「地域づくり」や「連携」とは無縁の関係です。
 
まちの駅になると・・・
 
 
「まちの駅」になることで・・・
・民間施設の一部を公的空間として提供することで、まちづくりへの貢献が出来ます。
・他地域の「まちの駅」や、業種が違うが近くの施設と連携して共同イベントの開催などが容易になります。
・まちの駅連絡協議会(事務局:NPO地域交流センター)が主催する研修やイベントに参加する事が出来ます。
・他の「まちの駅」とのまちに関する情報交換が用意になります。
・様々な活動を通じて、地域への愛着が醸成されます。
 
まちの駅とは その2 (2)
 
まちの駅 3つの機能
ひらく 「まちの駅」は民間(公共施設も含む)による公共的空間の提供です。
 
 現在、公民協働や経費の削減等の社会的動向を背景に国土交通省を始めとする国では、公共空間を民間で維持・管理しようといういわゆる「アダプト制度」と呼ばれるもの展開しつつあります。
 「まちの駅」の必須条件として、施設(ハード)面においては、他地域のパンフレットを置くことやトイレを来訪者に開放することがあります。これは民間による公共的空間の提供を意味します。
 観光地などに行くと国や自治体が作成した「トイレマップ」などが見られることがあります。今後、高齢化社会を迎える中で、地域内の公的なトイレの充実は重要なテーマです。デパートなどではトイレを奇麗にするだけで、売上が増えるという話があるくらいです。
 地域の中に多くの「まちの駅」が出来ることで、公共トイレなどを新しく作らなくても(つまりハード整備にお金を使わなくても)充実した「トイレマップ」が出来ることとなり、住民も来訪者も安心できるまちになるわけです。
 また、来訪者に対して地域の案内をすることも「まちの駅」の要件の一つですから、看板を揚げるだけで、観光案内所が一つ出来るようなものなのです。
 このように「まちの駅」は公的な空間そのものを民間で提供しようという試みでもあり、先進性の高いシステムです。
 
出逢う 来訪者との「気持ちの壁」を低くする装置です。
 
 「まちの駅」に参加することで「来訪者が気兼ねなくあなたの施設を訪ねることができ、あなたは来訪者に地域の情報を与えることが出来る」ということです。
 コンビニエンスストアが「まちの駅」になった大変分かり易い例です。コンビニのお客さんと店員が商品のやり取り以外に会話することはそうあることではありませんが、オーナーの中には「施設を地域貢献に役立てることが出来ないか」と思っている人が少なからずいるのです。
 このコンビニに「まちの駅」の看板を挙げることにより、お客も店員も心置きなく地域情報のやり取りをすることが可能となりました。そして福岡県の例では、コンビニの駐車場を提供して頂き、若者によるライブイベントにまで発展しました。若者にとってもそうそう野外ライブをやれる場所が無いのですから嬉しかったとのことです
 
むすぶ 「施設連携」とは、結局は「関係者の輸」を作ることです。
 
 「施設が連携する」と言っても建物が動いたり、走ったりするわけではありません。結局は施設の関係者がお互いに協力するという「人の繋がり」に他なりません。
 友達にも、自分に似ている人もいれば、全く価値観の違う人もいる。だけどお互いに刺激を与えあったり、時には協力もする。だからこそ友達だとも言えます。友達が多いほうが視野が広がり、いろいろな経験のチャンスが生まれます。
 「まちの駅」の看板をあげるということはずばり、この「友達の輪」に参加することに他なりません。
 通常の施設連携等の組織は、同じ利害関係を持った同じ業種で構成されることが殆どです。
 しかし、友達でも色々な人間がいるほうが面白いのと同様に、色々な種類の施設(そこにいる人達)と連携したほうが、新しい試みなどにチャレンジする可能性は大いに広がります。
 地域づくりに前向きな施設や関係者が地域づくりに携わっていく中で、「あの人(施設)とこんな企画をしてみたい」、「こんな問題に突き当たったときにどう解決すればいいのだろう」、「自分の活動をもっと広くPRしたい。」・・・など思い立ったときに、そのパートナーを見つけることがたやすくなるようにしたい。
 そして、その生き生きとした活動そのものが関係者にとっても、地域の人たちにとっても、来訪者にとっても、楽しい。
 これが「まちの駅」の思想です。
 
まちの駅とは その3 (3)







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