I ドイツの租税制度
図表1: 主要な税目と税収(2000年度)
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百万ユーロ1) |
% |
共同税 |
368,426 |
73.3 |
所得税(個人所得税) |
202,718 |
40.3 |
法人税(法人所得税) |
24,836 |
4.9 |
売上税(付加価値税) |
140,872 |
28.0 |
連邦税 |
78,897 |
15.7 |
関税 |
3,394 |
0.7 |
保険税 |
7,243 |
1.4 |
タバコ税 |
11,443 |
2.3 |
コヒー税 |
1,087 |
0.2 |
ブランデー税 |
2,151 |
0.4 |
スパークリングワイン税 |
478 |
0.1 |
石油税 |
37,826 |
7.5 |
電気税 |
3,356 |
0.7 |
その他 |
11,920 |
2.4 |
州税 |
18,443 |
3.7 |
相続・贈与税 |
2,981 |
0.6 |
不動産取得税 |
5,081 |
1.0 |
自動車税 |
7,015 |
1.4 |
賭博・くじ税 |
1,801 |
0.4 |
火災保険税 |
288 |
0.1 |
ビール税 |
844 |
0.2 |
その他 |
433 |
0.1 |
市町村税 |
36,658 |
7.3 |
不動産税 |
8,849 |
1.8 |
営業税 |
27,025 |
5.4 |
その他 |
784 |
0.2 |
合計 |
502,425 |
200.0 |
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出所:Statistisches Bundesamt, Statistisches Jahrbuch 2001 für
die Bundesrepublik Deutschland, Metzler-Poeschel, Stuttgart, 2002, P.532より作成。1)1 Euro=1.95583DMで換算した。
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図表2: 共同税の配分比率(2000年度)
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連邦 |
州 |
市町村 |
所得税1) |
42.5% |
42.5% |
15% |
所得税 利子源泉徴収分 |
44.0% |
44.0% |
12% |
所得税 配当源泉徴収分 |
50.0% |
50.0% |
- |
法人税 |
50.0% |
50.0% |
- |
売上税2) |
52.0% |
45.9% |
2.1% |
営業税分担金 |
50.0% |
50.0% |
拠出 |
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出所:筆者作成。1)利子源泉徴収分および配当源泉徴収分を除く。2)市町村への配分は、法定年金補助金財源分である5.63%を連邦へ配分した残額の2.2%であるので、(100%−5.63%)×2.2%で求めた。また連邦への配分は、市町村配分後の50.25%に法定年金補助金財源分を加えたものであるので、(100%−5.63%−2.2%)×50.25%+5.63%で計算した。同様に、州jへの配分比率は、(100%−5.63%−2.2%)×49.75%で求めた。
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図表3: 共同税配分前および配分後の税収比率(2000年度)
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出所:Statistisches Bundesamt, Statistisches Jahrbuch 2001 für
die Bundesrepublik Deutschland, Metzler-Poeschel, Stuttgart, 2002, P.532より作成。※1Euro=1.95583DMで換算した。
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図表4: 課税権の配分
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立法権 |
行政権 |
税収権 |
共同税 |
連邦 |
州 |
連邦・州・地方自治体 |
連邦税 |
連邦 |
州 |
連邦 |
州税 |
連邦 |
州 |
州 |
地方税・法定税 |
連邦・地方自治体 |
州・地方自治体 |
連邦・州・地方自治体 |
地方税・法定外税 |
州・地方自治体 |
地方自治体 |
地方自治体 |
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II 州の財政制度
1. 歳入の構成
図表5: 州の歳入構成(2000年、金額の単位:十億DM)
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旧西ドイツ
(ベルリンを除く) |
旧東ドイツ
(ベルリンを除く) |
ドイツ合計 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
共同税 |
192.4 |
55.6% |
47.2 |
48.1% |
214.0 |
45.8% |
州税 |
82.8 |
23.9% |
2.7 |
2.8% |
127.9 |
27.4% |
連邦からの補助金・借入 |
31.7 |
9.2% |
32.7 |
33.4% |
72.0 |
15.4% |
その他 |
39.2 |
11.3% |
15.4 |
15.7% |
53.5 |
11.4% |
合計 |
346.1 |
100.0% |
98.0 |
100.0% |
467.4 |
100.0% |
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出所:Bundesministerium der Finanzen, Finanzbericht 2002,
Bundesanzeiger Verlaggesellschaft, 2001, p.158より作成。
2. 課税自主権
共同税
所得税・・・各州の所得税収の比率に応じて配分される。
法人税・・・各州の法人税収の比率に応じて配分される。
売上税・・・租税力に応じて配分される。
営業税・・・各州の州内地方自治体の税収合計の比率に応じて配分される。
州税・・・法定税の課税ベース・税率は全国一律。法定外税の立法権なし。
⇒州政府に共同税および州税に関する立法権はない。財政力不足は連邦財政調整制度によって補われる。
3. 連邦財政調整制度
第1段階 売上税収の垂直的配分
・連邦・州間の配分比率が弾力的に決定される。
第2段階 売上税収の水平的配分
・売上税収の州割当分の75%が人口比例的に配分される。
・残りの25%が、売上税収を含む税収の1人当たり州平均額が1人当たり連邦平均額を下回る州に、連邦平均額の92%に達するまで配分される。
・残された額は人口比例的に配分される。
第3段階 州間財政調整
・「課税力測定値」の決定。州の税収+州内地方自治体税収合計額の2分の1(但し、地方自治体の税率決定権に影響を与えないよう、自治体の収入は税率に依存せず、課税ベースのみから見積もられる)。
・「調整額測定値」の決定。課税力測定値の全州合計額を補正人口(州および州内地方自治体の人口を人口規模と人口密度で重み付けしたもの。州の人口は都市州の場合のみ35%増しとする。州内地方自治体の重み付けは下表の通り)の比率で各州に配分したもの。
・課税力測定値が調整額測定値を下回る州は、調整額測定値の95%に至まで給付を受ける(92%までは100%補償、92%〜100%まではその37.5%を補償するものとして受領額を決定する)。
・課税力測定値が調整額測定値を上回る州は、上回る額の比率に応じて分担する(平均額の100%〜101%に相当する部分についてはその15%を、101%〜110%については66%、110%を越える部分についてはその80%を拠出するものとして「調整義務額」を算定し、この額の比率で給付総額を各拠出州で按配する)。
人口 |
補正係数 |
〜5千人 |
100% |
5千人〜2万人 |
110% |
2万人〜10万人 |
115% |
10万人〜50万人 |
120% |
50万人〜100万人 |
125% |
100万人〜 |
130% |
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補正係数はmarginal rate。各bracketに適用される。人口7000人ならば、5000人×100%+(7000人−5000人)×110%=7200人。
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図表7: 人口密度による割増
人口密度 |
割増率 |
1500〜2000人/km2 |
2% |
2000〜3000人/km2 |
4% |
3000人/km2〜 |
6% |
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割増率は全人口に適用される。人口10万人で人口密度が3000人/km2ならば、10万人×104%で10.4万人となる。
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第4段階 連邦補充交付金
・「不足額補充金」によって州間財政調整が補完される。州間財政調整では調整額測定値の95%までが補償されるが、不足額補充金によって残された5%の90%が補填される。すなわち、不足額補充金によって、調整額測定値の99.5%が補償されることになる。
・連邦補充交付金には、不足額補充金以外に、特別な需要を補償するためのものとして、下表の交付金が設けられている。
図表8: 特別な需要を補償するための連邦補充交付金
政府運営費用に係る
特別需要連邦補充交付金 |
規模の小さい州の政府運営費用や中央行政費用が相対的に重くなるため、これを補うために給付される |
旧東ドイツ諸州に対する
特別需要連邦補充交付金 |
旧東ドイツ地域に属する6州に、旧西ドイツ地域の経済に参加するために係る特別な負担と、州に帰属する市町村の相対的に弱い財政力を補うために給付される |
移行期連邦補充交付金 |
ドイツの再統一に伴う旧西ドイツ諸州の負担を軽減するため、旧西ドイツの財政弱体州に給付される |
財政再建のための
特別連邦補充交付金 |
ブレーメンとザールランドに対し、財政再建の援助を目的として給付される |
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