はじめに
「ゆうゆうマーシー」は、地域住民が主体的な取り組みにより、自分自身の生きがい、健康づくり、様々な年代の参加を得た世代間交流の場、気軽なボランティア参加のしくみ作り等を通しての、地域活性化を目指しています。
平成14年度の活動内容は、老齢で一人暮らし家庭の草とり、除雪、花火大会会場への送り迎え、包丁研ぎ講習会、醤油いくらの作り方、そば打ち、薬草を使った薬作り、絵手紙講習、たこの飯寿し作り、毛糸の編み物、家庭で眠っている物の交換会等を行って采ました。
又、14回の企画委員会と3回のマーシーの集いも行っています。活動費については、日本財団からの助成金で活動が出来ました。日本財団には心より感謝申し上げます。どんな活動でもいろいろな障害が起きるもので、その障害をのりこえて、ねばり強く活動していきたいと思っていますので、今後ともご支援、ご指導をお願い致します。
ゆうゆうマーシー代表 豊川一巳
ちょっと頼みたいことをやってもらえたらいい。また自分も簡単に出来ることなら、やってあげたい。
高齢者の方は、能力を発揮できる場を待っています。芋の皮むきや食器布巾作りに一生懸命取り組み、またそれがやりがいになっています。そのことで、自分もパワーをもらっているし、自分の生活にもハリができています。 企画委員 三浦澄江
高齢者と花火大会を見に行って、すごく良い笑顔で楽しんでくれ、本当に感動した。こういう感動をたくさん一緒に味わいたい。高齢者も参加を楽しみにしているし、子守りでもゴミ拾いでも、何かちょっとしたお手伝いが出来れば良いと思っている。古布や不要品のリサイクルも、環境のため、少しでも出来ることをやっていこうと思う。 企画委員 羽豆美津子
自分とマッチングする方がいなく残念。ボランティア活動も、福祉分野だけでなく、様々な分野に広がっていけばよいと思う。
今考えているのは、男性の高齢者を外に引っ張り出す秘策。戦争経験や昔話(昔は雄冬に山賊がいたと言う?!)を話してもらって、まとめて残しておくのも良い。
企画委員 佐藤健一
ゆうゆうマーシーに参加してみて、当初から私が思っていたイメージとの違いが有りましたが、マーシーの基本的な考え方や(ボランティアの精神)一生けんめい活動している皆さんを見ていると多少の違いがあっても、大きく見ると目指すものは同じだと感じた訳で、つたなくても企画委員として参加活動させて頂いておりますのは、私自身この町が好きだからです。
活動して、さまざまな考えや思いを聞いたり、現実的になると大変な事だと痛感します。ただ言えることは「ゆうゆうマーシー」と言う種を、皆さんと蒔き3年目になりますが、成長はかなりゆっくりですが少しずつ成長していると実感しています。成長し花が咲き、美味しい実をつけるまで時間がかかりそうに思えます。せっかく出た芽を大切に育てないと、失敗したからと何度も簡単に種蒔きができないくらいに、大切な事ではないかと思います。皆さんと一緒に芽を守り育てる手伝いをしたく思っております。
住み良い増毛になることに思いを込めて少しだけ頑張ります。
企画委員 大西美直
まだ企画委員になったばかりです。参加するのが楽しみです。みんなでああでもない・こうでもない、と一番良い方法を考えて作り上げていくのが、とても楽しい。まさに、自分のためになります。貴重な人生経験となり、とても得をしています。行きつ戻りつの活動ですが、いつかは何処かに着きそう、何かできそう、という期待感がとてもあります!
企画委員 安藤由美子
栗山町で行われた「地域通貨国際会議」で、竹中大臣が言われた「これからは正直者がバカをみない、自助自立の社会を構築しなければならない」の一説が強く耳に残っています。この社会を実現させるためには、この地域通貨が欠かせない必須ツールと思います。
私たち増毛町では、H12年から保健所が中心になり、当初住民の生きがいづくりによる健康促進を目的に立ち上げた会が現在のふれあい・支え合いのまちづくり活動をする「ゆうゆうマーシー」を誕生させました。企画委員会の度に「気兼ね、お礼の気持ち」をどの様に表現しようかと話し合っていたら、この地域通貨が答えとして登場しました。
私は3年ほど米国で学生として過ごしたことがあります。学んだ事は「自分の評価は、いかに周り(社会)に対して貢献できたかで決まる」と言うことです。宗教や肌の色の違いがあっても、自分の住む地域を良くしようとする気持ちは皆一緒です。そのツール(道具)がこの地域通貨だと信じます。(地域通貨国際会議の報告より抜粋)
ゆうゆうマーシー副代表 山郷佳克
ゆうゆうマーシーの活動について
ゆうゆうマーシー
とは? |
ちょっとした「してほしいこと」「できること」を登録し、お互いに助け合おう、交流しよう、という会です。頼む人の気兼ねをなくすため、地域通貨を使っています。 |
目指すこと |
気軽な助け合いを町内に広げ、ふれあい・支えあいのまちづくり「住み良い増毛」を目指しています。子どもから高齢者まで、様々な年代の人達が参加し社会交流、生きがい・役割づくりなど、感動を生みイキイキ暮らせる増毛の地域づくりを目指します。 |
活動の内容 |
<実践活動>
●「してほしいこと」「できること」のマッチングによるボランティア ●「できること」特技を生かした講習会 ●古布回収や不要品交換、清掃活動など、環境保護の活動 ●地域通貨を使った交流イベントの開催 <集まり> ●ゆうゆうマーシーのつどい(年3回程度) ●企画委員会(月1回) |
登録数
登録内容 実践活動 |
<H15年3月末現在>
登録者156名(女116、男40)
多い登録内容:「できること」得意な料理、気軽にできる話し相手など
「してほしいこと」日常的な除雪(引き受け手が難しい)
<H14年度活動実績>
実践活動:47件(提供者172名、受け手303名、合計475名が参加)
・草とりなど個別のマッチング活動 18件
・「できること」をいかした講習会 29件
環境保護活動(清掃1回、フリーマーケット2回、古布回収60名)
あつまり:ゆうゆうマーシーのつどい3回
ゆうゆうマーシー・フェスティバル(地域通貨イベント)1回
企画委員会14回 |
地域通貨について |
地域通貨は、北海道でも栗山町の活動が有名で、増毛でも出来たらいい、という話はH12年度の話し合いの時からありました。
H14年1月から「してほしいこと」「できること」をマッチングした活動を開始。その中で草とりなど、やってもらう人がお礼に物を渡すなど、気兼ねの課題が出てきました。その気兼ねの解消にと、地域通貨を使ってみることになったのです。お礼に渡すようにすることで、頼みやすくなりました。 地域通貨は、お金としての価値はありませんが、お金で表せない善意の気持ち(価値)を交換する「あたたかいお金」です。何かやってもらった時に地域通貨を払い、やってあげた時に地域通貨を受け取ります。 増毛ならではの地域通貨の単位は「マーシー」とします。 |
地域通貨の取り決め |
<試験活用> H14年11月〜H15年5月
○100マーシーの1種類
○講習会は500マーシーが目安
○登録者には500マーシーを配布
<本格活用> H15年6月〜
○100、500、1000マーシーの3種類
○1時間1000、30分500マーシーが目安
○登録者には10000マーシーを配布 |
参加申込みについて |
(1)申込書に名前・住所・連絡先・「してほしいこと」「できること」など記入し、事務局(健康一番館内)在宅介護支援センター 保健師佐々木53-1111(内線519)、又はお近くの企画委員さんに申し込みます。
(2)「してほしいこと」「できること」のメニュー票/地域通貨マーシー/会のしおりを受け取ります。 (3)メニュー表を見て、「してほしいこと」「できること」があったら、事務局に連絡します。または、事務局の方から依頼の連絡が来ます。 (4)当事者同士の都合が合えば、実施します。都合により出来ない場合もあります。その時に、「してもらった人」は「やってくれた人」に、感謝の気持ちとして、地域通貨マーシーを渡します。渡す額は、事務局と相談して決めます。 (5)材料代などかかる費用は、「してもらう人」の実費負担とします。 (6)時々講習会やイベントも開催します。これには登録者以外の方も参加できます。 |
ゆうゆうマーシーの
つどい |
年に数回、登録している人達の集いを開催しています。
この集いでは、実践報告や、会の運営・活動の方向性など話し合って決めます。一人一人が主体的に参加できるように、小グループに分かれて話し合うことを大事にしています。若い人から高齢の人まで、様々な年代の人で話し合うことを大事にしています。 |
運営体制 |
ゆうゆうマーシー代表:豊川一巳、副代表:山郷佳克
企画委員:大西美直、佐藤健一、海東定一、安藤由美子、仙北淑子、
羽豆美津子、三浦澄江、
町民有志の企画委員(現在9名)が中心となって運営。企画委員会を月1〜2回開催し話し合い・活動を行っています。運営・企画を一緒にやってくれる人であれば、誰でも企画委員になれます。
事務局は健康一番館、在宅介護支援センター内においています。(担当:佐々木保健師53-1111内線519)連絡先は事務局又は企画委員宅へ。 |
企画委員会の
活動 |
●ゆうゆうマーシーの活動方針の策定
●「してほしいこと」「できること」のコーディネート ●地域通貨の発行と管理、運用についての評価 ●つどいやイベントの開催、運営 ●登録の推進、活動の普及および啓発活動 ●関係団体とのネットワークづくり、連絡調整 |
支援体制 |
町福祉厚生課:地域住民グループ支援事業として活動をサポート。ゆうゆうマーシーの事務局を在宅介護支援センターにおき、連絡調整を行っています。
町の役割〜広報啓発、場所や最小限の予算の確保、記録や資料・情報の提供、連絡調整など活動しやすい環境づくり |
ゆうゆうマーシーの
特徴 |
●町民の主体的なまちづくり活動であるところ。一人一人の知恵を生かして活動しています。
●地域住民と役場の協働活動であるところ。 ●従来の一方的なボランティアではなく、お互いにしたり・してもらったり、という相互関係のボランティアであるところ。 ●世代間交流:子ども、若い人から高齢者まで、幅広い年代の参加を目指しているところ。 |
ゆうゆうマーシーの
名前の意味 |
H13年8月に「お助けマーシーの会」を立ち上げました。要望に応じたボランティアを「お助けマンボランティア」と称し親しみやすいように、増毛町のマスコットキャラクター、かもめの「マーシーくん」とひっかけての名前でした。活動が進むにつれ、「お助け」という言葉が一方的なボランティアの意味に思われ、H14年11月に「ゆうゆうマーシー」に改称しました。“ゆうゆう”には、優しいのゆう、遊びのゆう、勇気のゆう、雄大のゆう、悠々のゆう、YOUのゆうなど、様々なゆうの意味を込めています。(企画委員の大西美直さんの案) |
予算について |
●H12〜13年度は留萌保健所・留萌支庁・町の協働事業として開催。保健所・支庁:講師謝金11回分
●町 H12年度:需用費6万円
H13年度:需用費12万円
H14年度:需用費12万円
●日本財団ボランティア助成金
H14年度:89万円 |
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