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東京財団研究報告書2004-5 外国犯罪の動向とその対策-若干の提言-

 事業名 相互交流による国際ネットワークの形成及び政策課題研究等
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


第3章 来日外国人による国内犯罪に対する真摯な危機感を国民が共有することについて
第1節 地域社会の協力連携
 今日でこそ、政党のマニフェストにも掲げられ、これらにも触発され、各種の情報にも影響されて、政府、国民の間にも犯罪の危機的状況についての認識が深まってきつつあるやに思われぬでもない。
 ある政党は治安問題につき捜査能力や出入国管理の強化などの緊急対策を実施し、5年で治安の危機的状況を脱出、不法滞在外国人(25万人)を5年で半減させる。警察官を増員し、3年で全国の「空き交番ゼロ」となるよう目指すとの数値目標をかかげるまでになった。又ある政党は警察官3万人増員で凶悪犯罪の検挙率を84%に回復させるとする。いずれも異論をとなえる筋は全くないが、ただ人を増やせば困難な治安問題が解決するというものではないことも又、火を見るより明らかである。それも大切な事柄であることは今日間違いのないことであろうとしてもである。
 いずれにしてもこれらの諸施策が実効を挙げて、安全な日本国となってほしいと思うのは誰しもであろう。例えば最近のニューヨークでのジュリアーニ市長時代に措られた効果的な方法を想起されたい。わが国の場合での一例を挙げよう。最近の報道によると、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(いわゆるピッキング法と呼ばれるものである)は、平成15年9月1日から施行されたものであるが、9月1ヵ月で、全国で検挙された事件は61件、67人であると報じられている。
 検挙者は日本人が47人で7割、中国人が16人であったとされる。この法律が時宜に適した効果的なもので摘発した警察の努力を多としなければならぬが、ここでも留意されるべきは、関係機関、地域社会の協力連携が大切だということ、市民一人一人の犯罪に対する、悪いものは許さんとの強い意識が不可欠であるということである。有効な立法政策の確立と、その基盤の確立を呼ぶのは提言というには地味で平凡なものに過ぎないが、看過できない手法の一つであらゆる施策の基盤となるものである。
 
第2節 装備と法の整備
 そもそも守られるべき被害者すなわち国民と、糾弾されるべき加害者すなわち不良外国人とを逆転させたようなアブノーマルな意識は捨てねばなるまい。昨今の犯罪対策は未だ国民のサイレントマジョリティを反映してはおらず国益を守る(昔はこの言葉自体、云うをはばかるような時期があった。)という考え方、国防という意識をもって来日外国人犯罪について語られるということも余りなかったと思う。
 今やしかし、この点に関する汎い深い情報の収集とその分析、並びにその活用、これに基づく、国民の世論の確立が不可欠であり急務である。今日国民のいだいている社会生活、日常生活における犯罪に対する不安感、恐怖感さらには眞の識者のかかえるこの問題に対する危倶の念、憂慮への関係当局の有効迅速な対応が十分でないことへのいら立ち、不満を当局は受け止めなければならない。
 国民とそのいだいている感情、状況感というものをいわば共有することからはじめなければならぬ。そのことによって、日本の外国人犯罪対策はその基盤と力強い手法を実施することが可能となる。
 国ぐるみの犯罪に対処するには、国ぐるみで対応しなければならないのは余りにも当然のことである。例えば昨今の日本の周辺海域における惨たんたる状況を踏まえてみると、生ぬるい方策でなく、断固たる国の施策を示す必要がある。
 例の海上保安庁の工作船の追跡と沈没に象徴されるように、よくその任務を果たしているやにみられるが、その装備、武器の性能、船舶の活動範囲、これらの活動を支える法の限界等を考慮すると、日本は相当な武器と組織を持たねばならない。この場合、主たる役割を果たすのは、海上保安庁だけでは足りず、海上自衛隊が必要とされる場面も想定しなければなるまい。
 国軍を創設せよとの声もあるが、それには憲法改正を要し、各般の法整備が必要である。時間がかかり過ぎる。ではどうするか。こうして問題についての意識改革がまず必要である。しかも単なる精神論にとどまってはいけない。
 
第3節 防犯意識の向上
 かくして、凶悪犯罪が多発するようになった今日の社会では、犯罪による被害は他人事ではなくなり、自らの身近な自分自身の問題として受け止めなければならない。不安や脅威、実害はいつどこでも、誰でもが持つもの、会うものとして認識される必要がある。その昔は深夜、人通りのないところ、鍵をかけない家、怨恨をいだかれるような人間関係の下で発生した例などが多かったが、今や時、処を問わず職業、日常行動の場、電車、駅頭、自宅等の如何にかかわらず、潜在的顕在的な危険に襲われることを常に意識していなければならぬ。犯罪による危難に対してもっと用心深く、さまざまな対応を考えなければならぬのである。
 以下項を改めて、思うところの一端を提示してみようと思う。







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