日本財団 図書館


(6)履修年次について
 図4-6は、1年次で設定されていることについての意見を尋ねた結果を示したものであり、表4-6はその理由についての自由記述をまとめたものである。「適当である」とする学生は333人(73.8%)であり、4分の3の学生が現状でよいと考えているようであった。また、男子よりも女子の方が「適当である」と考える傾向がみられた。理由としては「早くから教わりたいから」が圧倒的に多く挙げられており、できるだけ早く障害児教育に関する内容を提供して欲しいと学生は考えていることが明らかとなった。第3章の結果では、2年、3,年、1年、4年の順で設定されている科目が多く、学生の意識とは異なる結果であった。
 一方、「早い」とする学生も108人(23.9%)おり、その理由としては、「将来との関連性がないから」、「1年次では実際の現場に出たら忘れそうだから」、「教養が深まってからがいいから」、「内容が難しいから」などが挙げられていた。
 履修年次については、できるだけ早い方がよいのか、又は、通常の学校教育に関する基礎・基本的なことを学んだ後の方がよいのか、それぞれ、一長一短であるが、今回の学生の意見を考慮に入れたカリキュラム編成が必要となろう。また、「介護等体験」との関連性を踏まえての履修年次の検討も必要であると思われる。
 
図4-6 対象学年についての考え
 
 
 
表4-6 理由についての自由記述の分類
a)「適当である」の理由
  人数
早くから教わりたいから 107
2年次以上は忙しいから 26
身近な問題であるから 16
早いかどうかわからないから 7
継続して学びたいから 16
1年次でも理解できる内容であるから 14
大学入学前にも学びたいから 3
学年に関係なく学びたいから 7
その他 13
209
 
b)「早い」の理由
  人数
教養が深まってからがいいから 18
内容が難しいから 5
将来との関連性がないから 33
内容が薄いから 2
1年生は忙しいから 3
1年次では実際の現場にでたら忘れそうだから 25
興味・関心がないから 4
その他 8
98
 
4. まとめ
 障害児教育に実際に携わりたいと考えている学生は3分の1程度であるが、障害児教育に対してはかなりの学生が関心を持っていることが明らかになった。また、障害児教育が必修であることについて、ほとんどの学生が必要であると考えており、より深く学習したいという学生も3割近くあり、大学生の意識の高さが伺われた。第3章で指摘した大学のカリキュラムの実態に比べて、学生の意識は進んでおり、大学側が早急に対応すべきであることが伺われた。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION