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新規範発見塾 レクチャー・メモ vol.15

 事業名 先駆的情報の創出・発信事業
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


国を奪われたハワイの歴史
 ところで、お手元に年表があると思います。この年表の出所は『ハワイ王朝最後の女王』(文春新書)という猿谷要・東京女子大学名誉教授が、ハワイ最後の女王リリウオカラーニの一生を書いた本です。
 
『ハワイ王朝最後の女王』猿谷要著 文春新書
(拡大画面:120KB)
 
『破約の世界史』清水馨八郎著
祥伝社(112ページ参照)
 
 簡単に言いますと、紀元前四〇〇年ごろ、マルキーズ諸島から人々がハワイに移住して来た。その前は無人島、少なくとも遺跡が見つからないということです。それから一〇〇〇年ころ、タヒチからポリネシア系の人がたくさん来て住むようになった。
 さて、一七九五年、カメハメハ一世がハワイ全島をほぼ統一します。あんな小さな島でも、王様が林立していたのですね。この一七九〇年代のころ、ハワイは人口三〇万人の豊かな国でした。
 ところが一八七三年、実はこの頃から文明開化するのですが、人口はたった五万人で、一〇〇年間で三〇万人が五万人に減ってしまうのです。これは白人の持っている病気が伝染して死んだという説がありますが、実際は白人が意図的に病原菌を武器として使ったのかもしれません。目ざわりな人間を殺すのに、病気でやると簡単ですから。私はインディアンに使った話を読んだことがあります。オーストラリアのアボリジニに対してもそうしたということです。将来、また同じことがあるかもしれません。ニュー・エイズとかサーズとか。
 さて、この間の歴史をざっと追ってみましょう。カメハメハ一世が王となって後、一八二〇年に最初のニューイングランド宣教師団が来島します。最初に牧師が来るのが彼らのやり方ですね。もちろんキリスト教の教えを説くわけですが、もう一つ、珍しい外国文化を持ってくる。すると好奇心で教会へ行く。まず文化攻撃というか、文化宣伝をする。
 紅茶を飲むといった生活文化の攻撃です。やがて王様の子供はロンドンへ留学しなさい、アメリカへ留学しなさいと言う。それも必要だと思って行くのがこの十九世紀、二十世紀の流行です。この最後の女王になる人は物心がつくと、すぐに地元のローヤル・スクールに入学し、やがてちょっと留学をしました。
 第一回ハワイ議会が一八四五年に開かれます。このころ日本はまだ江戸幕府です。世界はどんどん変わって、ハワイに白人がやってきます。イギリス人がハワイを占領し、イギリスの国旗を掲げます。しかし、それほど本腰を入れず、しばらくしたら帰ってしまいます。
 次に一八四九年、フランスが一時ハワイを占拠します。フランス海兵隊が政府の建物を占領し、フランスの旗を掲げました。このときカメハメハ三世は、アメリカやイギリスに協力を頼みます。するとフランスはあきらめて帰ってしまいました。他力本願、「外国利用」の成功です。
 これは日本でも同じことがあり、ロシアが対馬を占領したとき、幕府は武力で追っ払う力がありませんので、イギリスに頼み、抗議をしてもらいました。そこでロシアは退去したという話がありますが、ハワイにも同じ話があるのです。
 大事なのは、その後、自主防衛に目が覚めるかどうかで、目が覚めない例がこのときのハワイです。
 
ハワイの周りへ迫ってくるアメリカ
 一八五四年にカメハメハ四世が即位します。この人は外人顧問を全部首にしてしまいます。独立精神があった人のようですね。
 その頃アメリカは一八六七年、アラスカとアリューシャンをロシアから買います。それからハワイを飛び越して、ミッドウェー群島を領有します。ハワイの周りへひしひしと迫ってくるわけですね。
 少しさかのぼりますが、アメリカ人は一八五〇年、ハワイで白人にも土地を買わせろと運動して土地所有認可をとりました。そこでアメリカ人が大地主になり、サトウキビを植え、そして労働者として中国人を入れます。自分が働く気はないのです。余談ですが、世界中で絶対に奴隷にならなかった民族が二つある、とアメリカの本で読んだことがあります。ほかはみんな奴隷になりました。絶対にならなかった民族は二つだけで、一つはアメリカインディアン、もう一つは日本人と書いてあった。
 アメリカインディアンはなぜ奴隷にならないかというと、捕まえてきて監禁すると、仲間が命がけで助けにくる。本人も名誉を守って自殺する。奴隷として使えないから、黒人を連れてきたそうです。日本人も奴隷にならない。我々は奴隷にならなかったことは当たり前だと思っていますが、大局的な物の見方をすれば大変珍しい民族なのだと教えられました。
 ところが最近は、拉致された日本人を日本国は助けにいかない。インディアンに学ばなければなりませんね。
 テレビ朝日の番組審議会の席上、私が拉致について発言をはじめると、桂委員長は“やめてください”と語気を強めて発言を制止しました。朝日新聞の関係者一同は拉致にフタをしてしまいました(あとで謝罪文をもってきました)。
 さて、一八六三年にアメリカは奴隷解放宣言をしましたが、これは世界的に見るとずいぶん遅いのです。そして奴隷解放宣言をしたことが自慢でしようがないらしく、七五年にはアメリカ国内で「ハワイは奴隷制度をまだ続けている」というキャンペーンが張られます。ああいう国は解放してあげなければいけない、フセインと同じだ・・・とは当時は言いませんが、そんな言説が盛んになります。
 しかしその奴隷制だと攻撃することの中身は、アメリカ人が地主になって、中国人労働者や日本からの集団移民をこき使って、砂糖をつくっている話です。悪いのはアメリカ人自身です。ただし、ハワイ王国がそれを認めていたのは、多分リベートを取っていたのではないかと推測します。







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