今月の詩(2)平成十六年度全国吟詠コンクール指定吟題から
【幼年・少年・青年の部】(絶句編)(2)
将に東遊せんとして壁に題す
釈 月性
《大意》ひとたび男子が志を立てて郷里を出た以上は、学業が成るまでは死んでも再びもどらない決心である。骨を埋めるのにどうして故郷の墓所をば期待しようか。世間どこへ行っても青々とした山の墓地があるのである。天保十四年、月性が二十七歳のとき、山口から東上し、大阪の篠崎小竹の門にはいろうとしたときの作品である。
【一般一部・二部・三部】(絶句編)(2)
半夜
良寛
《大意》過ぎし五十余年の生涯を顧みるとき、人間社会のことは、自分ひとりのことに限らず、是も非も、善も悪も、すべて夢の中のことのようにしか感じられない。夜中にただひとりこの山の庵に坐して物思いにふけっていると、五月雨がさびしく窓に降り注ぐことである。
(解説など詳細は財団発行「吟剣詩舞道漢詩集」をご覧ください)
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