日本財団 図書館


表紙説明
名詩の周辺
 
子規を聞く(正岡子規)
愛媛・松山市
 正岡子規は明治の俳人、歌人で本名は常規(つねのり)。子規は号です。肺を病んで喀血して以来「鳴いて血を吐くホトトギス」の句から子規(ホトトギスのこと)と号したといわれています。生まれは現在の愛媛県松山市。父・隼太は松山藩の御馬廻加番でしたが、子規が五歳のとき没し、子規は母の手で育てられました。寺子屋に通い、漢学を祖父に学び、十一歳のときから漢詩を作り始めています。のち、松山中学から一ツ橋大学予備門(第一高等学校)を経て東京帝国大学国文科に入学。このころから俳句の復興革新を志し、『俳句分類全集』の編纂をはじめ、高浜虚子や河東碧梧桐など多くの俊才を育てるなど日本の文学史上に輝くすばらしい活躍を見せ、明治三十五年九月、わずか三十六歳で没しました。
 子規堂は、文学仲間であった正宗寺の住職が、子規の業績を記念して、その境内に建築したもので、子規が十七歳で上京するまでの住居を再現しています。
 また、松山市立子規記念博物館は、「人間正岡子規」をテーマに、子規とその時代、子規のめざした世界等々を松山の歴史とともに紹介しています。昭和五十六年四月に道後公園そばにオープンし、松山を訪れる多くの観光客の重要な観光コースとなっています。
(子規堂=JR松山駅より市電で約10分。子規記念博物館へは市電で約20分)
 
取材―株式会社 サークオン
 
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水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
 
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
 
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
 
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの量あるは水なり。
 
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
 
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
 
 水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
 
明日への提言
深田光霊財団顧問ご逝去、思いもよらず財団会長として初の弔辞を・・・
河田和良
 
 
 財団会長としての初めての弔辞が深田光霊先生に捧げることになるとは思いも寄らないことでした。
 財団顧問、淡窓伝光霊流日本詩道会宗家会長深田光霊先生は平成十五年七月七日(月)午前二時十四分、ご逝去されました。享年九十三歳、天寿を全うされたともいえる安らかな最期であったとうかがいました。
 七月九日(水)午後一時から大分市住吉町の葵会館で執り行われた「合同葬」に参列し、弔辞を述べました。
 祭壇に飾られた先生の遺影は、大きな深紅の綬に財団吟剣詩舞大賞芸術賞記章が燦然と輝く、素晴らしいものでした。
 先生は勲四等瑞宝章並びに藍綬褒章という国家表彰の栄にも浴しられておられますが、うれしそうに満面に笑みを湛えられた、この写真が選ばれていたことは、たいへん、うれしいことでありました。
 大きな葬儀会場の内外に先生の吟詠がながされていました。哀調をおびた先生のお声に聞き入っていますと、かつて「財団創立二十五周年のしおり」に寄せられた先生のお言葉を思い出しました。
 「自分がなぜこれほど吟詠に打ち込んできたかを自問自答してみると、もっともらしいことはいろいろいえますが、ほんとうをいえば、母の膝できいた子守歌の吟詠がよかったのです。『吟詠が好きだった』ただそれだけのことだったのかも知れません」。
 先生、長年のご指導ありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。
 
吟剣詩舞だより
創立二十五周年記念
都総連吟剣詩舞道大会
 清風爽やかな六月八日(日)、笹川記念会館を満席にして創立二十五周年記念東京都吟剣詩舞道大会が開催されました。開会に先立ち、笹川鎮江先生のご冥福を祈り会場の皆様と黙祷を捧げました。開演十時、都総連副理事長大石晨煌先生による開会のことばに続き、各区連代表二十七団体出場による合吟コンクールが行なわれました。流派を超えての合吟は各々特徴を生かし、練習の成果が十分に発揮され、会場も熱気に包まれました。
 午後からの式典では、都総連新理事長・吉見芳蘭先生の挨拶の後、ご来賓の財団会長河田和良先生、同事務局長矢萩保三先生、また、県連理事長を代表し、群馬県理事長金井心将先生よりお一人づつ励ましと、また益々の発展を期待されてのご祝詞を頂きました。
 特別番組(尺八、琴による合奏)では都総連常任顧問菊池吟正先生ご一家先導による総勢二十五名の箏曲「富士」の見事な演奏が心地良く会場に響き渡りました。
 
区連の合吟コンクール風景
 
 また、群舞披露では都総連役員男性の先生方による「大楠公」、女性の先生による「筑前城下の作」が勇壮な剣舞と共に披露されました。
 続いての企画構成吟その一は「大黄河」と題し少壮吟士、各コンクール入賞者の吟と剣詩舞が発表され会場を魅了しました。
 ご来賓吟剣詩舞披露には、埼玉、茨城、山梨、栃木、千葉、神奈川、群馬の近隣各県連理事長先生方より吟と剣舞を戴き、矢萩保三先生には高松宮妃殿下の御歌「礼と節」、河田和良先生には「鸛鵲楼に登る」を吟じて頂き、錦上華を添えて頂きました。
 企画構成吟その二は「日本の四季」と銘打ち、吉見芳蘭先生はじめ、いつも都総連でご活躍の先生方による舞台で、しみじみと日本の良さを再確認させて頂きました。
 最後の演目、アトラクション(洋舞)は一曲目がラージャー・ザン・ライフ(人生より偉大に)。二曲目はタンゴの名曲ラ・クンパルシータで、リズムの早い洋楽に詩舞が違和感なくマッチし、盛大な拍手を頂きました。
 終わりに審査委員長平形鴻成先生より合吟コンクール成績発表があり、一位・北多摩一区連、二位・大田区連、三位・板橋区連等順次発表されお互いに健闘を讃え合いました。
 都総連副理事長榊原静慧先生による閉会のことばで余韻さめやらぬなか無事盛会裡に終了する事ができました。
(東京都総連広報部・奥村龍愛)
第二十七回吟剣詩舞道大会
 
一般一部の合吟
 
 去る六月八日(日)、名張市青少年センターで、三重県吟剣詩舞道総連盟主催、第二十七回吟剣詩舞道大会が、財団法人日本吟剣詩舞振興会、三重県等の御後援により、盛大に開催されました。三重県総連の大会は、毎年県内各市に移動して開催され、その地域に関連深い企画構成吟が、地元地区の担当として構成され、吟剣詩舞道の普及と振興に力をそそぎ、その真価を問うている。
 大会は午前九時三十分開会、国歌斉唱、吟剣詩舞道讃歌合吟の後、県内各流各派二十三団体の大合吟、剣詩舞三十番を皮切りに、吟詠団体から選抜された「合吟コンクール」が実施され、十名一組の男女別チームが互いに覇を競い大会ムードを盛り上げた。
 「式典」では三吟連理事長・山路泰洲の挨拶があり、去る三月十六日、急逝されました笹川前会長を悼む短歌
ひたすらに
吟剣詩擁の道を説き
尽せし大人(うし)は
いま旅立ちぬ(泰洲)
が披露され、今は故、財団創始会長笹川良一先生と、育ての親である鎮江先生の御功績に感謝の意を捧げ、今後両先生の偉業を推進継承し、併せて県総連の発展を期して、努力する決意が述べられた。続いて亀井利克名張市長などの御祝辞を頂戴し、各種表彰、祝電披露があって式典を終了しました。
 午後の部にうつり、各会の大合吟、群舞二十題が発表され、本大会の見せ場である、企画構成吟剣詩舞が、追想「南朝哀史」と題され、財団全国コンクール決勝大会優勝者をはじめ、県内優勝者により演じられた。最後は、県総連代表者による吟剣詩舞の発表があり、終始盛会裡に午後四時全プログラムを終了した。
(三吟連事務局)
秀峰堂記念大会
 秀峰堂吟剣詩舞会総本部(伊東昂峰会長)の主催で、若葉萌える春日(四月二十七日)宗家伊東秀峰先生満百五歳のめでたい誕生日に、熊本市民会館大ホールにおいて記念吟剣詩舞大会を開催しました。今回は県内規模での大会として、熊本県総連傘下の各流派会長先生などのご来賓を初め、後援会員のご臨席を頂き、宗家が戦時中南洋パラオで吟を通して交流を深めている栃木県本部の大勢の会員を招いて、総勢千二百人の参加を得て盛大に大会を祝福しました。
 大会は午前十時に始まり、午前の部は会員による吟剣詩舞を披露し、午後からの式典では、宗家秀峰先生も出席されて吟祖・故佐々亮斎先生の五十五年祭典を中心に所定の行事を行ない、続いてご来賓によるご範吟舞をご披露頂きました。
 構成吟では、宗家の曾孫までの「秀峰堂四代吟」に始まり、吟一筋に道を求められた先生の生涯を構成した「秀峰先生一代記」を披露して観衆を魅了しました。最後は総本部の各会長吟に続き、宗家作の吟練三原則を大合唱し、吟道の益々の発展を誓い合って盛会裡に記念大会を終了致しました。
(大会事務局)
 
秀峰堂吟剣詩舞会創立65周年記念大会
 
「芸術文化賞受賞」に沸く
 第十二回平成十四年度(財)宮崎県芸術文化協会の芸術文化賞授賞式が、去る五月三十一日(土)宮崎市のホテル「ひまわり荘」にて開催され、財団公認宮崎県吟剣詩舞道総連盟・坂本岳雄会長が栄えある芸術文化賞に輝き、(財)宮崎県芸術文化協会黒木淳吉会長から授与された。
 この賞は、公認宮崎県吟剣詩舞道総連盟創立以来、もちろん初めての快挙であり、今回は文学界一名・書道界一名・邦楽界一名、そしてコーラスグループ一団体の受賞で、式典には宮崎県総連理事長、副理事長と、宮崎岳星会幹部役員多数が出席。式典後の祝賀会ではその栄誉を讃えて、祝吟の披露、花束贈呈、そして、坂本会長を囲んでの記念撮影などで喜びを分かちあった。
 坂本会長は、永年にわたり宮崎県の吟剣詩舞道界の統一、並びに組織運営に活躍されまた各会派との交流と相互の和を図られ、斯道の普及振興に大きく寄与された功績が認められての受賞で、昨年の財団日本吟剣詩舞大賞(功労賞)受賞、そして、財団常任理事、同九州地区連絡協議会議長就任と、宮崎県総連にとっては二重三重の喜びとなった。
 坂本岳雄先生の、一層のご活躍を期待申し上げます。
(宮崎県吟剣詩舞総連盟事務局)
 
県芸術文化賞を受賞する坂本岳雄・宮崎県総連会長







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