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12. 貿易概況
 2001年の韓国貿易は輸出入ともに縮小し、輸出は1,504億ドル(前年比12.7%減)、輸入は1,411億ドル(12.1%減)となった。この結果、貿易黒字額は2000年の118億ドルから減少し、93億ドルとなった。
 輸出入とも大幅に減少した主な原因は、米国をはじめとする世界的なIT産業における需要の低迷である。例えば、2000年には韓国の輸出全体の15%を占めていた半導体が前年比で45%以上減少し、シェアも9.5%まで下がった。半導体輸出の減少は、需要低下による数量減少のほかに、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)価格の低下が大きく影響した。
 
表1-(1)韓国の主要国・地域別輸出
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
アジア 81,093 69,930 46.5 △13.8
日本 20,466 16,506 11.0 △19.3
ASEAN 20,134 16,459 10.9 △18.3
中国 18,455 18,190 12.1 △1.4
北米 40,037 33,247 22.1 △17.0
米国 37,611 31,211 20.7 △17.0
欧州 28,141 23,958 15.9 △14.9
EU 23,424 19,627 13.0 △16.2
英国 5,380 3,490 2.3 △35.1
ドイツ 5,154 4,322 2.9 △16.1
オランダ 2,658 2,532 1.7 △4.7
中東 7,586 7,138 4.7 △5.9
サウジアラビア 1,262 1,274 0.8 1.0
アラブ首長国連邦 1,992 2,169 1.4 8.9
中南米 9,369 9,730 6.5 3.9
ブラジル 1,724 1,611 1.1 △6.6
オーストラリア 2,606 2,173 1.4 △16.6
アフリカ 2,240 2,966 2.0 32.4
その他 1,195 1,297 0.9 8.5
合計 172,268 150,439 100.0 △12.7
出典)JETRO貿易投資白書2002年 韓国貿易協会DB(KOTIS)
 
 韓国の貿易構造の特徴としては、日本から半導体やその他電子製品の生産に必要な資本財や部品を輸入し、完成品を欧米諸国や日本に輸出するという点があげられる。このため、欧米諸国における需要が低迷すると、対日貿易が減少する。2001年の貿易にはこの特徴が顕著に表れたといえる。
 輸出を国別にみると、米国(312億ドル)、中国(182億ドル)、日本(165億ドル)の順となっている。中国は2000年の第3位から日本を抜き第2位の輸出相手国となった。対中、対日輸出とも前年比で減少したが、減少幅は対日が19.3%であったのに対し、対中は1.4%にとどまったため、順位が入れ替わった。対中輸出が他国と比較して微減であった理由としては、輸出に占めるIT関連製品の比率が、米国や日本などと比べ小さいため、IT産業における需要低下の影響が限定的であったことが大きい。
 
表1-(2)韓国の主要国・地域別輸入
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
アジア 70,262 63,085 44.7 △10.2
日本 31,828 26,633 18.9 △16.3
ASEAN 18,173 15,916 11.3 △12.4
中国 12,799 13,303 9.4 3.9
北米 31,349 24,198 17.1 △22.8
米国 29,242 22,376 15.9 △23.5
欧州 20,070 18,861 13.4 △6.0
EU 15,788 14,921 10.6 △5.5
英国 2,576 2,354 1.7 △8.6
ドイツ 4,625 4,473 3.2 △3.3
オランダ 1,171 1,017 0.7 △13.2
中東 25,793 23,387 16.6 △9.3
サウジアラビア 9,641 8,058 5.7 △16.4
アラブ首長国連邦 4,703 4,633 3.3 △1.5
中南米 3,263 3,445 2.4 5.6
ブラジル 935 1,126 0.8 20.4
オーストラリア 5,959 5,534 3.9 △7.1
アフリカ 2,814 1,679 1.2 △40.3
その他 971 909 0.6 △6.4
合計 160,481 141,098 100.0 △12.1
出典)JETRO貿易投資白書2002年 韓国貿易協会DB(KOTIS)
 
 輸出の品目別構成をみると、主力の電子および電気製品は542億ドル(前年比21.3%減)と振るわず、中でも輸出価格が低迷していた半導体は、2000年の260億ドルから143億ドルヘと45%以上も落ち込んだ。このほかの主要輸出品である繊維類(160億ドル、前年比14.5%減)、化学工業製品(141億ドル、10.3%減)、鉄鋼・金属製品(96億ドル、13.8%減)も軒並み低迷状態にあった。代わって好調だったのが機械類で、340億ドルから353億ドル(3.7%増)となった。特に自動車(133億ドル)、船舶(99億ドル)が堅調であった。
 一方、輸入の減少については、IT産業における不況に加え、石油の国際価格や部品・資本財の輸入単価の下落などが大きく影響した。部品・資本財については、数量べースでも大幅に減少したが、これは企業の設備投資が低調であったことが主な原因である。とりわけ、97年より拡大した外国資本による設備投資には、2001年に入ると一服感が出てきており、製造業における韓国の対内直接投資(申告べース)は前年比48.9%減と大幅に減少した。
 
表1-(3)韓国の主要商品別輸出
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
農林水産物 3,066 2,880 1.9 △6.1
鉱産物 10,987 9,159 6.1 △16.6
鉱物性煙料 9,257 7,911 5.3 △14.5
石油製品 9,055 7,794 5.2 △13.9
化学工業製品 15,724 14,109 9.4 △10.3
石油化学製品 9,666 8,394 5.6 △13.2
合成樹脂 5,041 4,524 3.0 △10.3
プラスチック・ゴム・革製品 5,128 4,882 3.2 △4.8
繊維類 18,703 15,990 10.6 △14.5
織物 10,263 8,843 5.9 △13.8
繊維製品 6,046 5,187 3.4 △14.2
衣類 4,652 3,924 2.6 △15.6
生活用品 3,250 2,867 1.9 △11.8
鉄鋼・金属製品 11,166 9,630 6.4 △13.8
鉄鋼製品 7,861 6,928 4.6 △11.9
機械類・運般用機械 34,042 35,297 23.5 3.7
輸送機械 24,953 26,395 17.5 5.8
自動車 13,217 13,319 8.9 0.8
乗用車 11,896 12,029 8.0 1.1
船舶海洋構造物・備品 8,420 9,909 6.6 17.7
電子および電気製品 68,885 54,182 36.0 △21.3
産業用電子製品 24,189 22,794 15.2 △5.8
無線通信機器 7,882 9,854 6.6 25.0
コンピュータ 14,686 11,240 7.5 △23.5
電子部品 32,229 19,251 12.8 △40.3
半導体 26,006 14,259 9.5 △45.2
雑製品 1,316 1,444 1.0 9.7
合計(その他含む) 172,268 150,439 100.0 △12.7
出典)JETRO貿易投資白書2002年 韓国貿易協会DB(KOTIS)







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