韓国(Republic of Korea)
(1)一般事情
1. 面積:9万9,274km2
2. 人口:4,778.6万人(2002年12月現在)
3. 首都:ソウル
4. 人種:韓民族
5. 言語:韓国語
6. 宗教:仏教徒27%、キリスト教24%、その他儒教徒、天道教
7. 略史:3C終わりに氏族国家が成立。三国時代(A.D.4世紀〜668年)
新羅(668〜935)、高麗(918〜1392)、朝鮮(1392〜1910)を経て、日本統治(1910〜1945)となり、第2次大戦後北緯38度以南は米軍の軍政。
1948年大韓民国成立。
8. 政治体制・内政
1)政体:民主共和国
2)元首:盧武鉱(ノ・ムヒョン)大統領
3)議会:一院制273議席
4)内政:2002年12月の大統領選挙では、実質、野党ハンナラ党の李曾昌(イ・フェチャン)候補と与党民主党の盧武鉱(ノ・ムヒョン)候補との一騎打ちとなり、盧武鉱候補が当選した。2003年2月25日より、盧武鉱新政権が発足した。野党ハンナラ党が国会議席の過半数以上(273議席中、151議席)を占め、国政運営の主導権を握る状況は、金大中前政権と変わらない。
9. 外交基本方針
盧武鉱(ノ・ムヒョン)大統領は就任演説において、北東アジア時代の到来を唱え、朝鮮半島は21世紀の北東アジアの中心的役割を担うものである旨述べた。
また、北朝鮮の核問題については、
(1)核開発を認めない、
(2)対話を通じて平和的に解決すべき、
(3)日米との協調強化及び中、露、EU等との緊密な協力を行う旨、対米関係については、韓米同盟を重視しつつ、互恵平等の関係を成熟させていく旨述べた。
対日関係については、盧武鉱大統領は、引き続き前政権の未来志向の日韓関係を継承すると表明している。2月25日に行われた日韓首脳会談では両首脳は、日韓両国が、地域の平和と繁栄のために協力することの重要性を確認し、それらの協力の基盤は、特に若者を中心とした両国民の友情と信頼関係であり、この観点から、青少年・スポーツ交流の更なる拡大を目指すことで一致した。外交関係を有する国家は184ヶ国。
南北関係では、金大中(キム・デジュン)前政権は、確固たる安保体制を敷きつつ、南北間の和解・交流を積極的に進めるという「包容政策」(太陽政策)を展開。2月25日に就任した盧武鉱(ノ・ムヒョン)新大統領は、
(1)対話を通じた懸案解決、
(2)相互信頼、互恵主義、
(3)南北当事者原則に基づく円滑な国際協力、
(4)国民参加拡大からなる「平和と繁栄政策」を打ち出し、基本的には金前政権の政策を維持する旨明らかにしている。
2000年6月、平壌にて南北首脳会談が行われ、両首脳は「南北共同宣言」に署名。これを契機として、南北の交流、協力が拡大。その後、南北関係は一時停滞したが、昨年4月に林東源韓国大統領特使が訪朝し、南北間の対話と協力を進めていくことに合意。
他方、昨年6月、黄海における南北銃撃戦が発生し、南北関係が再び停滞したが、北朝鮮側より、遺憾の意及び再発防止が表明されるとともに、閣僚級会談実務接触の提案がなされたことを受け、以降、閣僚級会談、経済協力推進委員会、南北赤十字会談、南北鉄道・道路連結、開城工業団地建設等に係わる実務協議等が開催された。また、南北サッカー競技、北朝鮮のアジア競技大会参加等の文化・スポーツ分野での人的交流も行われるなど、南北間での様々な分野での対話と協力が進んでいる。本年に入ってからも、第9回南北閣僚級会議(1月21〜24日)や第4回経済協力推進委員会(2月11〜14日)等が開催された他、南北間を連結する臨時道路の通行につき南北間で暫定合意された(1月27日)。また、韓国は、林東源(イム・ドンウォン)大統領特使を北朝鮮に派遣し(1月27〜29日)、北朝鮮側に核開発問題の解決を働きかけた。他方、現代グループによる対北朝鮮不正送金問題が表面化し、韓国内で政治問題化するに至った。3月22日には、北朝鮮側は、韓国側がイラク戦争を理由に防御準備態勢を強化したとして(注:韓国側はこのような事実は無いとしている)、南北経済協力制度分科第2回会議と海運協力第3回接触を延期する旨発表した。
10. 経済概況
GDP成長率は、2001年3.0%に落ち込んだが、堅実な内需と輸出に支えられ、2002年は高成長路線に回復した。2003年は5%台の成長見通しが示されているが、第1四半期は4%台にとどまる見通し。貿易収支は、2001年は93億ドルの黒字にとどまったが、2002年は輸出入とも伸張し,104億ドルの黒字となった。しかしながら、2003年に入り、イラク情勢に伴う原油価格高騰等の影響を受け、2月までの累計で4億ドルの赤字となっている。構造改革については、1997年のIMF危機以降、金大中政権は4大改革(金融、企業、公共部門、労働)を推進。GDPの約3割に上る公的資金の投入による不良債権処理、ワークアウト(企業改善作業)を通じた企業や財閥の整理を実施した。なお、盧武鉱(ノ・ムヒョン)氏は、財閥改革等構造改革の持続を表明している。
1)主要産業: 電子、自動車、機械、造船、鉄鋼、石油化学
2)名目GDP: 4,776億ドル(2001年)(韓国銀行速報べ一ス)
3)一人当たりGNP: 10,013ドル(2001年)(韓国銀行速報ベース)
4)経済成長率: 6.3%(2002年)(韓国銀行速報ベース)
5)物価上昇率: 3.9%(2003年2月)(財政統計部、対前年同月比)
6)失業率: 3.7%(2003年2月)(統計庁、季節調整前)
7)総貿易額:
(1)輸出:1,625億ドル(2002年)(産業資源部)
(2)輸入:1,521億ドル(2002年)(産業資源部)
8)主要貿易品目:
(1)輸出:電気電子製品、自動車、機械類、鉄鋼
(2)輸入:電気電子製品、原油、機械類、化学製品
9)主要貿易相手国:
(1)輸出:米国、中国、日本、香港、台湾
(2)輸入:日本、米国、中国、サウジアラビア、豪州
10)通貨:ウオン
11)為替レート:100ウォン=約10円(平成15年2月末:韓国銀行)
11. 二国間関係
1)政治関係
(1) 日韓両国は、1965年12月に基本関係条約を締結し、国交正常化された。その後の両国関係強化も、竹島や過去の問題等のため必ずしも平坦な道のりではなかったが、98年10月の金大中大統領の訪日及び99年3月の小渕総理(当時)を通じ、両国間の過去の問題に一区切りがつけられ、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築していくことに合意し、以来、日韓関係は大きく進展した。2001年には、歴史教科書問題、総理の靖国神社参拝問題等の問題が生じたが、2001年10月の2度にわたる首脳会談で、両首脳は、未来志向の両国友好関係を発展させるべく、具体的かつ積極的な協力を行っていくことが重要であるとの点で一致。
(2) 2002年は、サッカー・ワールドカップ共催及び日韓国民交流年の年であり、3月の首脳会談で、両首脳は、2002年を日韓両国にとり真に歴史的なものとするべく、種々の具体的な協力を着実に実施し、両国の友好協力関係を一層飛躍的に発展させるとの決意を再確認した。また5月にソウルで行われたW杯開会式には、高円宮同妃両殿下及び小泉首相が出席し、日韓共催をアピールした。6月30日から7月2日には、W杯決勝戦・閉会式参加のために金大中大統領が来日し、小泉総理と共同メッセージを発表、W杯の共催成功を踏まえ、相互の信頼と尊重を基調とする日韓協力関係を、より高い次元に発展させていくことへの決意を表明した。
(3) その後2002年後半は、北朝鮮問題をめぐり、日韓間で緊密な連携が見られた。9月22日には、ASEM首脳会合の機会を利用して、コペンハーゲンにて日韓首脳会談が行われ、総理より訪朝につき説明する等、主に対北朝鮮政策につき意見交換を行った。また、11月に第二回民主主義閣僚級会合出席のため訪韓した川口外務大臣は、金大中大統領及び崔成泓(チェ・ソンホン)外交通商部長官と、主に対北朝鮮政策等につき意見交換を行った。
(4) 2002年12月19日には韓国大統領選挙が行われて、新干年民主党の盧武鉱氏が当選したが、盧武鉱新政権との間でも、日韓間の緊密な連絡が行われている。2003年1月に川口大臣が訪韓し、日韓外相会談、盧武鉱次期大統領表敬を行い、対北朝鮮政策について率直な意見交換を行うとともに、日韓関係を更に発展させることの重要性を確認した。また、2月25日に行われた大統領就任式に出席した小泉総理は、就任式出席後、盧武鉱新大統領と首脳会談を行い、両首脳は、昨年以来の日韓友好の雰囲気を更に醸成させ、未来志向の日韓関係を一層発展させることを確認した。また、両首脳は、北朝鮮の核開発問題が国際社会にとっての大きな懸案となっている状況の下、対北朝鮮政策について首脳レベルで率直な意見交換を行った。その結果、日韓米による緊密な連携のもと、問題の平和的解決に向けた基本的な方針を確認した。更に、3月末には、ヲ永寛(ユン・ヨングァン)韓国外交通商部長官が訪日し、外相会談、小泉総理への表敬を行い、日韓関係の更なる発展の重要性及び対北朝鮮政策における日韓米の緊密な連携の重要性を確認した。
(出典)外務省ホームページ2003年3月
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