セッション b. 財源
助成金の活かし方
石田 和彦氏(独立行政法人 日本スポーツ振興センター スポーツ振興投票部振興事業課長)
坂井 宣夫(笹川スポーツ財団(SSF)業務部長)
コーディネーター:川西 正志氏(鹿屋体育大学生涯スポーツ実践センター所長・教授)
東 それでは、定刻を少々過ぎておりますけれども、セッションb.財源「助成金の活かし方」ということで始めさせていただきたいと思います。ここで本日のセッションのコーディネーターをご紹介させていただきます。鹿屋体育大学教授、そして生涯スポーツ実践センター所長、また現在では日本スポーツ振興センターtoto助成金の審査部会委員、笹川スポーツ財団、SSFスポーツエイド審査委員を務めていらっしゃいます川西正志様です。お待たせいたしました。川西様、よろしくお願いいたします。(拍手)
川西 皆さん、こんにちは。昨年度は本学のほうで国際シンポジウムを行いまして、外国の方々を連れてきてここで同じようにスポーツクラブのことについてお話ししていただいて、その時初めて司会をさせていただいたのです。昨日名簿を見せていただいたところで、昨年水上先生が言われたNPOの数が約倍ぐらいになっているということで大変驚いて、このままこの数が増えていくのか、さまざまなことを思いました。それと、財源の所には特にNPOの関係の方々が多いものですから、来年のお金はどうなっているのかというところがやはり非常に興味があるだろうと思います。
私がたくさんのお金を持っていれば、どうぞご自由にお使いくださいということですが、限りある財源をいかにNPOの活動に活かしていただけるかというところと、先程広瀬先生のほうでお話しになった、NPOが自然淘汰されながら社会貢献をどうしていくかというためにさまざまな財源がうまく機能していくということが重要ではないかと感じております。
たまたま私は二つの配分委員会のほうの審査委員を引き受けることになったのですけれども、二つともやっていいのかということで、両方ともお聞きしたら、別に構いませんということだったので関係しています。特にtotoのほうは、生涯スポーツ部門の部会委員ということで総合型地域スポーツクラブなどの創設支援、あるいは市町村レベルのスポーツ事業並びに活動支援事業等、地域スポーツの育成事業に特に関係をする委員として、水上先生も一緒に審査委員として参画させていただいております。
スポーツエイドのほうは後程ご紹介していただけると思いますが、今後の見通しや、そうした点についても詳しく説明されたあと、私のほうからコメントを交え、まとめさせていただきたいと思います。今日お話をしていただく2名の方を先にご紹介させていただきます。
まず、toto助成金につきまして独立行政法人、ついこの間日本スポーツ振興センターと言う名前に変わったのですが、スポーツ振興投票部振興事業課長の石田和彦さんです。どうぞよろしくお願いします。
石田 石田です。よろしくお願いいたします。(拍手)
川西 笹川スポーツ財団のスポーツエイドにつきましては笹川スポーツ財団業務部長の坂井宣夫さんにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
坂井 坂井でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
川西 それでは、すぐに討論に入っていきたいと思いますが、昨日打ち合わせをいたしまして、totoの売り上げをこれから伸ばして皆さんにできるだけ還元しなければいけないということもございました。つい最近、審査委員のお一人でございます松岡修三さんがボランティア出演され、プロモーションビデオを作りました。その始めの5分間をピックアップしていただきましたので、今から皆さんにお見せして、それから討論に入っていきたいと思います。
(ビデオ上映)
松岡 松岡修三です。テニスは僕自身を育ててくれた掛け替えのない存在です。人として生きていくうえで大切なことを、あの四角いコートから学んできました。勝つことから喜びを、負けることから悔しさを、そんな感性を磨いてくれたのがテニスというスポーツでした。そうしたスポーツが僕たちに与えてくれる感動を、子供から大人まで年齢の壁を超えて一人でも多くの人に味わってもらうためにも日本のすべてのスポーツにおいてスポーツ施設や選手の育成など、環境整備がとても大切なのです。
例えば今、子供たちがスポーツを楽しむ環境について考えてみましょう。学校の友達が集まってチームができたり、また、お父さんと一緒にキャッチボールをすることもあるでしょう。僕も世界各地でそういった光景を目にしてきました。でも、世界と日本との間には決定的な違いがあります。それはスポーツを楽しむための環境整備が遅れているということです。子供たちと一緒にテニスができる場所や転んでもひざを擦りむかない芝生のグラウンドが私たちの生活する地域にあるのでしょうか。そしてスポーツ振興のためにいったい私たちは何ができるのでしょうか。
そのためにできたのがスポーツ振興くじtotoです。totoの収益はだれもが身近にスポーツを楽しめる環境の整備やスポーツ活動、またスポーツの指導者の養成、そして世界で活躍するスポーツ選手の育成などに活用され、地域スポーツから国際レベルまで幅広い助成で日本のスポーツをサポートしています。19歳以上の人ならだれでも参加できるこのtotoを通して未来の日本のスポーツを変えていく、サポートしていく、今始めなければ何も始まらない。そして決してあきらめない。これはテニスから僕が学んだことです。
私たちが未来のためにできること、スポーツが与えてくれる夢や勇気と希望。totoのスポーツ振興の助成を通して、そしてこの私たちの手で次の世代に伝えていく、残していく、そうしたことが今必要ではないでしょうか。「フォー・オール・スポーツ・オブ・ジャパン」、日本のすべてのスポーツのためにこれからもtotoはサポートをし続けます。
さて、ここで大事なことを一つ、スポーツ振興の助成金も当選金も開催回ごとの売り上げで決まっています。開催された売り上げの約半分が当選金、そして収益の3分の2が未来のスポーツ振興に活用されています。皆さんがtotoを購入することが地域のスポーツに役立つ、未来のスポーツを育てるのは皆さん自身なのです。totoの収益は皆さんの地域のスポーツをバックアップしています。皆さんがtotoを購入することで地域のスポーツ環境が変わる、だれかがやってくれるのではなく、今私たちがやるべきことはtotoを購入し、私たち自身の手で未来のスポーツ環境を変えることではないでしょうか。これからの日本のすべてのスポーツのためにみんなの夢のためにもtotoはサポートを続けます。さあ、皆さん、日本のスポーツを変えていきましょう。
(ビデオ終了)
川西 はい、どうもありがとうございます。これでtotoを買っていただけるといいのですけれども。この中で今までにtotoを買われた方、ちょっと手を挙げてください。約半分ぐらいですね。今日はここに200人ぐらいおられますので半分の方はtotoの販売店が近くにないのですかね。そういうことでもなくて、興味がないとかいうことでもないかと、思いますけれども。まず、石田さんのほうからtotoのことについて、今までの助成の基本的な考え方や、あるいは理想とする活用方法についてまずお話ししていただきたいと思います。それではお願いいたします。
「toto助成金」
石田 日本スポーツ振興センターの石田と申します。先程川西先生から言われましたけれども、私ども、従来は「日本体育・学校健康センター」と言う特殊法人でございましたけれども、この組織が変わりまして10月1日から「独立行政法人日本スポーツ振興センター」と名前が変わりましたので、今後お間違えのないようによろしくお願いしたいと思います。
まず、私のほうからはスポーツ振興くじtotoについて先程のビデオと若干ダブる所があるかもしれませんが、概要についてご説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料でこういうパンフレットをお配りしていると思いますので、これをご覧いただきながらご説明をしたいと思います。
まず、1枚開いていただきますと、そこに左のほうに「自分の楽しみのために、日本のあらゆるスポーツのために」ということで、そこにtotoの大きな目的が書かれております。読みますと、「スポーツ振興くじtotoは、だれもが身近にスポーツに親しめる環境整備や世界の第一線で活躍する選手の育成、国際大会の開催支援など、新たなスポーツ振興政策を実施するための財源確保策として導入されました」ということですので、このtotoの売り上げによって生涯スポーツ、あるいは競技スポーツといった両面のスポーツの振興を図っていくという制度でございます。
平成10年5月に、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」と言う法律に基づいてtotoが運営されているわけですけれども、この法律が公布をされまして、平成13年3月から全国発売を開始しているというところになっております。
このパンフレット、もう1枚左のほうをめくっていただきますと、そこに「totoの収益の使途」という真ん中の上の所に棒グラフがあります。toto全体の仕組みはどうなっているかということが分かります。この売上金、ご存じだと思いますけれども、Jリーグの試合結果の勝ち負け、あるいは得点というかたちで予想をしていただいてそれを購入していただくというのがtotoです。その購入していただいたものが、この売上金というかたちになります。この全体の売上金のうちから47パーセントがその予想が当たった方に対しての当選払戻金が支払われ、そのほか私どものほうのtotoを運営するための経費を除いた残りが収益というかたちになります。この収益の3分の1は国庫に納付をされますけれども、3分の2がスポーツの振興のための助成金になるということでございます。
この助成金の配分を決定するにあたっては、先程川西先生からありましたけれども、川西先生も委員になっております、私どものセンターの中に第三者、部外者でセンター以外の委員の方で構成する「スポーツ振興投票助成審査委員会」と言う審査委員会を設けております。そこで審査をしていただいて助成金を決定していくという仕組みになっております。
では、助成金についてはどういう事業についてお金が出ていくのかというところが、今ご覧いただいた一番左にある所です。「totoの収益による助成対象と助成割合」とタイトルが書いてございます。ここには大きく左のほうに丸が六つございます。大きく分けてこの六つの事業についての助成が行われていることになります。まず、この助成事業を決めるにあたりましては、平成12年9月に今の文部科学省になりますが、策定をいたしました「スポーツ振興基本計画」ができました。
それはどういうものかといいますと、今後10年間で取り組むべき主要な課題について具体的な施策が定められているものでございます。この中で大きく三つに分かれておりまして、一つが生涯スポーツの推進、二つ目が競技力向上、いわゆる競技スポーツについての事柄、三つ目が学校体育についてのことが定められております。
ちょっと時間の関係で三つ細かくはご説明できませんが、最初の一つ、生涯スポーツの関係でご説明を致しますと、要するにスポーツ振興基本計画の中では政策目標が定められております。この政策目標は、国民のだれもが身近にスポーツに親しめるような生涯スポーツ社会を実現する、そのためにはその目標として20歳以上の成人の方で週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人、いわゆる50パーセントとなるように目指していきたいということです。この割合が今、最新が平成12年の調査しかないのですが、これが37パーセントですので、これを今後10年間で50パーセントまでに持ち上げていきたいということです。
そのためにはどういうことをしなくてはいけないかというので、10年間で全国の各市町村において、少なくとも一つは総合型地域スポーツクラブを育成していこうと言われております。そういうスポーツ振興基本計画を受けまして、私どものほうで助成をする事業を定めたわけでございます。
それがここの六つ、上から申しますと、地域スポーツ施設整備助成、いわゆる施設に関しての助成、総合型地域スポーツクラブの活動助成で、総合型クラブの創設という部分と活動というところについての助成。地方公共団体スポーツ活動助成で、地方公共団体が行うスポーツ活動についての助成。スポーツ団体が行う将来性を有する選手の発掘・育成で、いわゆるジュニア選手の発掘、育成、強化という事業。スポーツ団体、スポーツ活動助成という、スポーツ団体が行いますいろんなスポーツ教室とかスポーツ大会とかそういうスポーツ事業。わが国で開催されます国際競技大会の開催の支援。この大きく六つのものについての助成をすることに決まったわけでございます。
助成対象者、要するに助成金をもらえる団体はどういうものかというのが、そこにあります「助成対象者」という所にございます。事業によってそれぞれ多少違いますけれども、全体としては地方公共団体とスポーツ団体。スポーツ団体というのは、スポーツの振興を主たる目的とする団体と定款などで書かれているという所で、原則的には財団法人、社団法人あるいは特定非営利活動法人、NPOの法人格を有している団体がこの助成の対象になり得るというものでございます。
では、実際にtotoが今春、15年で3シーズン目になりますけれども、助成については今平成14年度と15年度、2回行いました。助成の金額はどうだったかというのが、パンフレット真ん中の下の所に「平成14年度スポーツ申告時助成金内定額」とございます。それぞれの事業ごとにありますけれども、全体として1,737件、約63億7千万円の助成の内定をしております。14年度ですので、決算が終わって金額がもうちょっと実際には減っていますけれども、そのぐらいの内定ができた。
15年度については1枚別の紙をお渡ししているかと思います。こういう紙が1枚行っていると思います。そこに15年度の内定の数字が書かれております。これが15年度は約1,311件で27億円という助成の内定をしております。
比較していただくとよく分かると思います。14年で初年度が約64億円、2年目が約27億円と助成金の額が減っています。これはどういうことかというと、totoの売り上げが落ちたということになります。16年度についても今15年度の売り上げがありますけれども、これも落ち込んでいます。また細かくは後程ご説明致します。皆様にもぜひtotoを買っていただくようによろしくお願いしたいと思います。簡単ですけれども以上でtotoの概要の説明にさせていただきます。
川西 はい、ありがとうございます。それでは続きまして、笹川スポーツ財団のスポーツエイドについて坂井さんにお願いしたいと思います。
「スポーツエイド」
坂井 はい、かしこまりました。坂井でございます。よろしくお願いします。それではご説明しますが、今日のために遠近両用の眼鏡を新調しまして、(笑い)掛けて何か周りがぼやけてしまってほとんど見えない状態なのですけれども。阻喪がありましたらお許しください。それではパワーポイントをご覧いただきながらスピードアップしてご説明したいと思います。
スポーツエイドの概略説明ということで、スポーツ団体が行うスポーツ事業に対する資金援助制度でありまして、ここに書いてある通りです。スポーツ事業に対する援助で、組織の運営費に対する助成金ではないということを頭に入れていただきたいと思います。
そしてスポーツエイドの一番の特徴といいますのは、ここに書いてあります対象となる団体の所を見ていただきたいのですが、申請する団体の法人格の有無は問わない。これが一番の特徴でございます。とにかくスポーツの普及とかスポーツの愛好者を増やすことに情熱を注いでいる団体ならば法人格の有無は問いません。ここら辺のところがtotoの助成金とかその他の助成金の制度と異なっている部分だと思います。
金額的にはここに書いてある通りなのですが、これはチラシにもありますのでこれは飛ばします。最高限度200万円ということです。
平成3年度に始まりました。日本のスポーツを元気にしたいということで開始して以来平成14年度までのグラフですけれども、これですと、12年間で約5,850事業、総額で約36億円の支援を行っております。今年度、平成15年度は14年度と同じく約300事業に対して2億円の援助を行っております。ですから、1事業当たり大体60万円平均ぐらいとなると思います。
近年、特にSSF独自の資金援助のやり方はないかということをいろいろ模索しているところですが、これは2年前の平成13年度から、スポーツ好きの子供はスポーツ好きの大人になるということで、「スポーツ好きの子供たちを育てよう」、これを合言葉にいたしまして青少年のスポーツ参加を積極的に勧める事業と指導者を積極的に養成する事業への支援に力を入れております。特にこの「スポーツプログラム」と書いてありますけれども、青少年のスポーツ参加を積極的に勧める事業はスポーツプログラム事業として最重点項目になっています。
ここに今までの13年度からの実績が載っておりますけれども、内容としましては、同じ子供たちを対象として年間を通じて複数種目を行う事業です。これはシーズンごとにスポーツを変えるシーズンスポーツであるとか、あるいは核となるスポーツを1年間通してやって、それ以外に何種目かスポーツをやる。とにかくいろんなスポーツを体験してよりスポーツを好きになってもらおうということです。定期的な練習は週に1回とか2回あるとします。それからその練習の成果を測るためのクラブ内の大会とか、あるいはそのクラブ内の交流を深めるための遠足とかキャンプとかそういったイベント、あるいは他クラブとの交流、そんなものを組み合わせた事業として援助しています。
このプログラムの実施にあたりましては団体さんと私どもが詳細な打ち合わせを行って、より充実した内容のものに仕上げていこうということで、いわゆる協働型の事業と言えると思います。原則として3年間お手伝いすることになっています。平成15年度は14件、14団体に対してお手伝いをしていますけれども、16年度は20件を目標にしております。
加えて平成16年度、来年度の募集からスポーツキャンプヘの助成を考えております。子供たちがいろんなスポーツに触れて楽しく真剣に取り組むことで、よりスポーツ好きの子供を育てようということです。夏休みとか学校の休みのときに3、4泊程度で、小学校から中学校の生徒中心で共同生活を行いながらそんなことをやっていこうと、そんな目論見でございます。
先程申し上げたスポーツプログラム事業もこのスポーツキャンプヘの助成、これも共にSSFがこうあってほしいと願う普及のかたちというのでしょうか。それを団体さんと一緒に作り上げていくということでございます。そんなわけで独自の資金援助のシステムを考えながら推進していっているという状況です。
来年度につきましては募集のご案内は来月辺りからお出ししますが、まだパンフレットができておりませんので、このゲラ刷りですけれども、これが来年度の募集の要項でございます。詳しいことはまたこれを後程ご覧いただきたいと思います。
では、主眼のスポーツエイドの助成金をNPOにどう役立たせてもらうか、どう使っていただくかということです。スポーツエイドの交付事業の中から二つの事業、これは大会の事業ですが、それを選んで収入・支出の内訳を見ながら、ちょっと細かくなりますがご説明したいと思います。
これはスポーツエイド事業の収入内訳といたしまして、大会のA、大会のBとございますけれども、ほぼ同規模の大会、予算的に150万円前後で参加者数が大体数百人、500人前後ですが、その大会の収入と支出を比較しながらご説明したいと思います。AもBもご覧いただくと分かるのですが、収入の内訳として、一応バランスがいい健全な予算と私どもで考えていますのは助成金と参加費、参加料収入、それと団体の自己資金が大体3分の1ぐらいずつではないかと思っています。
大会のAを見ていただきますと、出っ張り、引っ込みはありますけれども、大体いいバランスではないか。大会のBのほうは、真ん中の参加料収入ですか、これはちょっと少ないのが目立っているという状況です。ただ、特に底辺への普及を第一の目的とするとか、あるいは大勢の参加を期待するという場合には参加料をものすごく安くすることがありますので、こういうことはままあるのではないか。いずれにしましても助成金に偏るのは非常にまずいですけれども、この大会のAもBもまあ4割程度ということで問題ないのではないかと考えられます。この大会Bのほうのスポーツエイド43パーセントというのをちょっと頭に入れておいていただいて。
今度は支出ですけれども、支出の項目でやはり一番注意しなければいけないのは人件費になると思います。例えばインストラクターの謝金とかスタッフの賃金、ボランティアヘの謝金、あるいは役員の手当等々、ともすれば人件費は増えがちでございます。それを何とか下げるのが非常に大事なのではないか。助成金の多くを人件費に当ててしまいますと、助成金がなくなったときにもう事業が存続できなくなってしまうという危険性をはらんでおります。そういう意味で言うと人件費は参加費の範囲内でとどめるように努力していただければ、それは避けることができるのではないか。
そういうことで考えますと大会のAのほうは全く問題ないのですが、Bのほうはスポーツエイドの助成金43パーセントに、参加料収入が9.8パーセント、すいません、さっき43のほう注目と言いましたけれども参加料収入もご注目いただきたいのですが、9.8パーセントです。それに対して人件費が33.2パーセントと3倍以上になっている。これは、この単年度で考えれば別に問題ないかもしれないのですが、2年、3年連続していくとやはり好ましくないのではないかと考えます。
あと、支出のほうで見ていただくと消耗品費の比率を抑えることも大事ではないかと言えると思います。いずれにしてもお金の管理、経理処理には当然じゅうぶん注意していただきたいと思っております。
SSFではスポーツエイドをどう役立てていただきたいかということですけれども、事業が一本立ちするまでのお手伝い。ですから未来永劫ずっとお手伝いするということではなく、事業が一本立ちするまでのお手伝いと考えています。そのめどとしては一応3年間ぐらいと考えさせていただきたい。
用具の整備についても事業によってはお手伝いできるようになりましたので、やはり用具の整備、1年目、2年目辺りはそういったものに力を入れていただく。あるいはまた、やはり世間の人々に組織のことを知ってもらうとか事業の存在を知ってもらうためには広報がとても大事になると思いますので、PRに力を入れて参加者とか会員の獲得、あるいは次回以降のリピーターとかそういった獲得が可能になります。それが参加料収入の増加にもつながりますので、仲間うちだけの大会とかイベントにならないためにもそういうことが必要なのではないか。特に広報面で後れを取っている団体さんが多いのではないかと考えられますので力を入れていただきたいと思っています。
あともう一つ、その3年間に自前の指導員の養成にも力を入れていただきたい。やはり底辺の拡大を目指す場合には指導員が不足しているとできませんので、とにかく愛好者の輪を広げるためには指導者の養成が不可欠であると思っています。
最後ですけれども、とにかく一緒により良い事業の実施、効果的な利用方法を考えながらやっていきたい。それがひいては組織の強化とか安定につながるのではないか、そういうかたちでのお手伝いができるのではないかと思っております。以上でございます。
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