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(6)石川県立ろう学校(いしかわけんりつろうがっこう) 風神太鼓(ふうじんだいこ) [石川県]
−プロフィール−
 「風神太鼓」は石川県立ろう学校の生徒によるチームです。昨年度まで中学部だけで取り組んできたのですが、生徒数の減少と太鼓を続けたいという高等部生徒がいたことから、今年度は高等部の有志も加えてのチームを結成することになりました。外部講師として安江信寿氏をお招きし、6年目となりました。身体の動きを見て合わせようとする気持ちを大切にしながら、メンバーが心を一つにし、生懸命演奏することを目標としています。
 今大会は3回目の参加となりますが、この他、日本太鼓ジュニアコンクール石川県大会へも出場し、特別賞を受賞することができました。技の向上だけではなく、コミュニケーション能力や社会性の育成を目指し練習に励んでいます。
 
出演者
代表者 鈴木 三郎
舟津 朋哉  土倉銀史郎
川端 志織  高田 麻有
中垣 彩乃  西 誠覚志
柳澤 知栄  山本  史
吉田 秀平  出倉 裕也
岡崎 良幸  上狭 幹栄
中山 博子  荒木志都香
 
 
 
 
−実践報告−
 本校が和太鼓に取り組みはじめたのは平成9年のことです。学園祭に向け、当時の中学部3年生が「和太鼓をやってみたい」と言ったのがきっかけでした。伝統的な行事が根付いている能登で育った生徒たちがその中にいたのでした。和太鼓はそれらの行事に深く関わってきたわけで、聴覚に障害を持ちながらも体に響く太鼓の音は彼らにとって身近な音だったのです。
 そして本番では能登のリズムを取り入れた太鼓のパフォーマンスを披露しました。創り上げていく過程で日頃見られないような積極性、集中力を見せてくれました。指導は、石川ろう劇団“結”の方たちがして下さいました。同じ聴覚に障害をもつ先輩から教えてもらうことは励みになっていました。
 翌平成10年の本校創立90周年式典でも演奏することが決まり、さらに本格的に基礎から学ぶことが必要となりました。こうして現在もご指導していただいている安江信寿氏との出会いが生まれました。
 約6年にわたり大変熱心に指導して下さっていますが、話すことはいつもシンプルです。「互いの音をよく聴こうとし、よく見て合わせようとすること。皆でひとつのチームだから心をひとつにすること。そして何より一生懸命打つことが大切」
 同じ曲を何度も練習し、いろんな方たちに聴いていただき、交流を深めていく。この過程の積み重ねは生徒たちの成長の糧として得難いものとなってきました。“生きる力”となるコミュニケーション能力や社会性のエキスが凝縮されていることが生徒達の成長ぶりから確信できるからです。
 そして今年度は生徒数の減少に伴い、中学部独自で太鼓の活動を取り入れることができなくなり、中学部を卒業しても太鼓を続けたいという意志をもつ生徒たちと中高合同のチームを組んでのスタートとなりました。
 今年も古くから加賀地方に伝わる虫送り太鼓を取り入れた曲「野火」を演奏しますが、使用する大桶胴太鼓は今夏、地元の(株)浅野太鼓さんが演技しやすいようにと、軽くて丈夫な桐を材質にして特別に製作して下さったものです。この太鼓で、今年度は皇太子殿下もご臨席された、第9回日本アグーナリーの大舞台にも出演しました。また、昨年度は特別賞を受賞し、大きな自信を得た、日本太鼓ジュニアコンクール石川県大会にも今秋出場する予定です。
 これらの活動を通して出会う人たちとの絆や培った心や体や技が今後の彼らの人生に彩りを添えていってくれることを願っています。
 
−プロフィール−
 糸口太鼓は大分県宇佐市にある知的障害(児)者施設、糸口学園の入所者で結成して今年は9年目になります。当園では、運営方針の中の特性を伸ばす支援の一環として『伸びる芽を育てよう』を合言葉に文化活動として日本太鼓、スポーツ活動として陸上競技に取り組んでいます。
 学校からの下校後や作業終了後の余暇時間、休日を利用して練習に励み、汗だくになり、手にはマメが出来るまでの練習により、最初は小さかった太鼓の音も今では聴いて下さる方の身体に伝わるまでの力強い音が出せるようになりました。また、礼儀と集中力を重んじる練習の積み重ねにより、日常生活でも大きな声で挨拶や返事が出来るようになりました。
 発表する機会も年を追うごとに増え、多くの方から励ましを受けることがメンバーの自信に繋がり、それぞれが楽しみながらも一曲一曲、心を込めて演奏し、明日への糧となるような音楽性を目指して活動を続けています。
 
出演者
代表者 犬丸 雅登
瀬川 勝男  行平 友一
藤原 知子  佐藤 芳安
八幡原 隆  中野 友彰
新納 康二  南波 輝明
木村 紘子  藤原 勇一
後藤 基次  雨宮 豊貴
森元 剛志  長尾 蔦枝
福山 幸子  中井  孝
相本雄一郎  矢野 和彦
森田 浩司  中尾ひろこ
 
 
 
 
−実践報告−
 糸口太鼓は大分県宇佐市にある知的障害(児)者施設 糸口学園の入所者で結成して今年で9年目になります。当園では、運営方針の中の特性を伸ばす支援の一環として『伸びる芽を育てよう』を合い言葉に文化活動として日本太鼓、スポーツ活動として陸上競技に取り組んでいます。
 学校からの下校後や作業終了後の余暇時間、休日を利用して練習に励み、汗だくになり、手にはマメが出来るまでの練習により、最初は小さかった太鼓の音も今では聴いて下さる方の身体に伝わるまでの力強い音が出せるようになりました。また、礼儀と集中力を重んじる練習の積み重ねにより、日常生活でも大きな声で挨拶や返事が出来るようになりました。
 発表する機会も年を追うごとに増え、多くの方から励ましを受けることがメンバーの自信に繋がり、それぞれが楽しみながらも一曲一曲、心を込めて演奏し、明日への糧となるような音楽性を目指して活動を続けています。







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