ジュウシホシクビナガハムシ
街路樹の根もとや道路の中央分離帯などに、1本だけなぜかアスパラが生えていることがあります。これは、畑のアスパラの種が鳥などによって運ばれ、道ばたで育ったものです。このような逃げ出したアスパラに時々見られる、テントウムシを細長くしたような昆虫がジュウシホシクビナガハムシです。
この昆虫は、北海道には生息していませんでしたが、1986年に札幌市羊ヶ丘で発見され、その後、千歳市や早来町などでも確認されています。小樽では、銭函、桂岡、若松、港町などで採集されていますが、上記のようなアスパラの見られる場所を探すと、もっとたくさんの生息地が見つかりそうです。
日本では本州から九州まで見られ、アスパラの害虫として知られています。もともとは林縁や草原に生息するキジカクシという植物を食べ、限られた場所にしかすんでいない昆虫でした。しかし、キジカクシと親戚関係にあるアスパラが栽培されるようになって、畑に進出するようになりました。アスパラの流通とともに分布を拡大していると考えられます。
また、アスパラの仲間には観葉植物として販売されているものも多く(スギノハカズラなど)、このような植物について運ばれる可能性も指摘されています。
ジュウシホシクビナガハムシの小樽での分布
(上)ジュウシホシクビナガハムシ成虫 (下)幼虫 2002年8月 第三埠頭 |
中央分離帯に現れたアスパラガス 2002年7月 入船5丁目 |
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