カマキリは小樽にすんでいるのか?
北海道にはオオカマキリというカマキリが生息しています(ウスバカマキリという種類が生息するという文献もあります)。オオカマキリの北海道での分布は、まとまった詳しい報告がありませんが、断片的な情報を総合すると、渡島半島のみに分布し、小樽を含む道央以北には生息しないようです。
しかし小樽では、いないはずのカマキリがたびたび目撃され、ちょっとした話題になることがあります。「公園で見た」「学校の校庭でつかまえた」という話は大体毎年1回くらい耳にします。カマキリは小樽にすみついているのでしょうか?
博物館ではこの特別展に合わせて、小樽でのカマキリの目撃情報を集めています。現在までのところ、手宮、長橋、奥沢、高島、望洋台といった市内の各地で、「カマキリを見たことがある」という情報が寄せられました。しかし、カブトムシに比べて情報はとても少なく、散発的です。
結論を出すためには、もう少し情報の収集が必要ですが、今のところ、本州などから偶然持ち込まれたものが見かけられるものの、定着には至っていないという可能性が高いように思えます。特に木の枝などに産みつけられるカマキリの卵嚢は植木などとともに移動されやすく、持ち込まれる機会も多いのかも知れません。
一方、温泉地など地温の高い場所に、暖かい地域の昆虫が飛び地分布する例は道内でいくつか知られています。例えば屈斜路湖のミンミンゼミ(天然記念物)や、上士幌町幌加温泉のメミズムシなどです。朝里川温泉で、30年ほど前にカマキリを捕まえたという情報などもありますが、こうしたパターンによって局地的な生息地が存在する可能性が全くないとはいえません。
(小樽市博物館調査より)
約30年前の古い情報から昨年の情報までをまとめた図
カブトムシと比べて情報が少なく、発見された場所の環境も一環性がありません。
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オオカマキリは渡島半島には広く分布しています。 道南出身者にはなじみの深い生き物です。
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