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3. 実践例
(保育園)
 今年30年を迎えた保育園は折りしも郷土延岡市市制70周年・延岡城築城400年祭という節目に出会いましたので祝賀協賛という形で、本福祉会も記念事業として父母の会と共に桜植樹・環境講演・400年祭行列参加・子どものためのオペラ「アマールと夜の訪問者」をプロとアマで創り上げて上演しました。子ども無料鑑賞券(5歳〜18歳)600席、大人(賛助券2,000円)600席用意して延岡市文化センターで開幕、地方都市で芸術文化の恩恵に浴する機会の少ない子ども達にオペラ鑑賞の機会を提供するという快挙を成し遂げました。これも先の音楽保育の延長線上に花となって開いたものだと思います。平成15年度地域活動事業の最たるものでした。他の実践については次の実践例をご参照下さい。
 
実践例 平成15年度保育所地域活動事業実施状況
は市の承認を受けたもの
選択事業名   ア 障害児保育円滑事業化   イ 夜間保育推進事業 ウ 世代間交流事業
エ 異年齢児交流等事業 オ 育児講座・育児と仕事両立支援事業   カ 小学低学年児童の受け入れ
  キ 地域の特性に応じた保育需要への対応   ク 家庭的保育を行う者と保育所との連携を行う事業   ケ 保育所体験特別事業
コ 保育所分園推進事業   サ 保育所分園推進事業(初度設備分)   シ 保育所分園推進事業(一時保育等経常分)
  ス 保育所分園推進事業(初度設備分)    
 


世代間交流
・アイリスケアセンター
・エクセルライフ
・杉本病院
・6地区敬老会胸飾り寄贈
(1000個)
6月 ゆりかごフェステイバル
9月 ふれあい親子運動会
11月 鮎やな敬老昼食会
12月 ゆりかごファミリー音楽会
3月 お別れお楽しみ昼食会


育児講座

育児と仕事
・子育て講演会(入・卒園式)
・タイムリフレッシュ
〜就労説明・介護通院・参観
・家庭教育学級
独自の支援活動
1. 全園児朝のおやつ・・・野菜ジュースとパン
2. バス送迎
〜分園に来る園児の兄姉(三歳以上児)を本園で年齢別保育を受けるため送迎する。保護者は分園だけですむ。
3. サンキッズルーム
母子通園
〜・手帳のない障害幼児を持つ親
・育児不安に悩む親
保育参観することにより育児の方法に自信と方法を見つける
4. 地域活性化
企画参加(主に演奏)
〜・県主催セフティーパーク
・天下一薪能、前週祭
・市民音楽祭
・小学校バザー
・郵政記念日
・途上国支援・・・一円玉募金、文房具、毛布、鍵盤ハーモニカ


異年齢交流
5月 ファミリーピクニック
8月 わくわく教育キャンプ
サマーフレンドフェスティバル(平和記念日)
500名
11月 子育てセミナー
1月 マラソン納めぜんざい会


保育所分園
・一歳児の子育てサークル
・乳幼児相談
〜健康、離乳食、遊び
・本園との交流
〜誕生会、読み聞かせ、園庭開放
 
 児童クラブの保育・・・毎月児童クラブ便り(別紙資料参照
クラブ 音楽(コーラス・トランペット・ヴァイオリン)・英語・剣道
文化伝承 茶道・華道・郷土芸能
ふるさとを知る 歴史・4城巡り・資料館・市街オフィスラリー
自然を守る 環境・植物栽培・物を大切に(割り箸)・バードウォッチング
活字に親しむ 辞書・辞典・地図帳・世界名作全集(美術など)
夏休み キャンプ・お天気調べ・交通調べ・友達カード・読書カード・ちぎり絵・クッキング・プール
クリーン作戦 神社清掃・野外活動後の美化活動・毎週土曜日の地域の美化活動
 
4. 考察
 ニーズに応えると言いますが、ニーズに気付いて掘り起こす事は出来ても、市場調査について筆者は苦手であります。今回この記事を書くにあたって痛感した一つです。これからの課題として勉強していきたいと思います。厚労省が提示する地域活動の項目すべてに取り組むことは難しいと思います。これは全国的視野から生まれた施策であって、それぞれの地域、風土、産業構造に合わせて考えなければ、筆者の周りでも疲れ果てた園長が事業を一つずつはずしていく姿を見かけました。選択と継続、更には地域(近隣・広域)、協同など独自の支援事業もあるはずです。筆者も模索しながら、厚労省の提示とは違っていても補助金対象にならなくても、本当に親と子のサポートができるならとしている例もあります。例えば、保護家庭が入園決定までに就労が先に決まった場合即保育を開始して、一時保育料金は無料としていることです。また遠地からの転勤で、書類の提出が遅れて電算機の処理に間に合わず初日入園ができないなどの場合、園長裁量としてはこれくらいしかできないのが残念です。これを救えるのも地域活動の一つかもしれません。又、サンキッズルームとして障害の疑いがあったり保育に行き詰まっている親子の母子通園で保育内容に参加するという育児支援も行っています。
 
5. 今後の展望
 九州の一地方都市ながらよく近隣の保育園園長は頑張っていますが、全国ではまだまだ困り果てて園に駆け込んでも定員と職員配置を理由に、何もしてもらえない状況を耳にする時、大変無念でなりません。これほど保育の力を付け、設備も豊富な保育園がなぜ地域に愛される宝となって光り輝き、迷える人々の暖かい灯火となってあげられないのでしょうか。一粒の種子も蒔かなければ実にはならないのです。福祉の一粒を、愛の一粒を、後代の日本のために蒔きたいものです。ハンディを持つ子ども達の居場所作りも考えています。また中高生の居場所も是非欲しいものです。







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