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3. 群馬県・笠懸北保育園児童館こじかクラブ
館長 横山 峰子
1 保育園・児童館の概要
(1)認可 昭和54年3月31日
(2)設置主体 社会福祉法人清鳳会
(3)定員 120人、一時保育定員10〜15人、児童館30人、児童クラブ25〜40人
(4)敷地面積 2661.12m2
(5)建物 鉄筋コンクリート平屋建 452.80m2
重量鉄骨2階建 111.78m2
〃 一部2階建 113.76m2
〃 平屋建 439.99m2
(6)開園時間 7時00分〜20時00分
(7)対象年齢 0歳〜就学前
但し学童保育については、小学6年生迄
(8)事業 第二種保育所笠懸北保育園設置経営
第二種児童館こじかクラブの経営
事業開始 昭和54年4月1日 60人定員
昭和55年4月1日 乳児・障害児保育導入
昭和63年4月1日 育児相談事業・特別保育科目設定事業導入
平成2年10月1日 一時保育事業導入
平成6年9月1日 長時間延長保育導入
平成7年8月1日 就労家庭子育て支援事業導入(併設児童館こじかクラブ開始)
平成9年4月1日 地域子育て支援センター事業導入
平成12年4月1日 90人定員(30人の定員増) 心身障害児保育事業導入
平成15年4月1日 120人定員(30人の定員増)
(9)保育方針
・園と家庭で一貫した子育てにより、一人一人の特性を大切にし心身共に健康な子どもを育てる
・自然の中で数々の体験を通し、豊かな心を育む
 
「児童館こじかクラブ運営方針」
・子ども達の創造する遊びを通して、児童の健全育成を図る
・幅広い交流を通し、体験を得て豊かな心を育む
・人権を大切にする
・ボランティア活動等、地域ぐるみの支援を受け、活動を展開する
 
(10)本園の特徴
 笠懸北保育園・併設児童館こじかクラブは町の北部に位置し、近くには畑や山々があり、その四季折々の様子がうかがえ楽しむことができます。
 このような環境の中で、子ども達の自然の中から生まれる創造性や自立の精神を大切にし、一人の人間として土台となる乳幼児期を過ごす居場所である。
 健康で伸び伸びと自己表現できる環境を整え、養護と教育を基盤とし、地域の総合子育て支援センターの核として各種保育事業に取り組んでおります。
 地域に愛され、子ども達の保護者皆様と歩んで行ける保育園・児童館として努力して行きます。
 
2 「保育所地域活動事業」「放課後児童の保育」に取り組んだ動機・園の考え方
 保育所に就園した子どもだけをお世話するだけにとどまらず、就園していない子育て中の親子にも保育体験や育児講座・相談会を開催し、育児体験のできる各種子育てに関わる情報を提供する機会を設け、園を子育て支援センターの拠点として利用していただけるよう、地域活動事業に取り組んでおります。
 世代間交流などは、かつて地域のつながりが豊かで、大きい子が小さい子をうまく仲間に入れて生活やあそびの体験ができました。現在は、人間関係の変化も著しく、幅広い交流が難しくなっているので、異年齢児交流会や世代間交流会など、各々交流の機会を取り入れ、様々な体験を通して豊かな心を育んでいけるよう取り組んでおります。
 又、保育所で小学校就学前迄、早朝保育から長時間延長保育を利用していた親子が義務教育に入り、午後の早い時間に下校、春・夏・冬休み等の長期休みの期間、親に代わって誰が支援するのだろうと考えた時、「手を差しのべられるのは乳幼児期から通い慣れた保育所併設児童館がベストである」との考えから、我が園の特色・児童館のカラーを出して取り組み、対応してきたのが動機であり、考え方であります。
 
3 地域活動・放課後児童の保育についての具体的な実践例
(1)地域活動
◎ 三世代ふれあい交流会
 簡単な体操や手作りゲームを取り入れ、親子のスキンシップや祖父母との組み合わせ・ふれあいを図れる様な内容にしております。
 どのゲームや遊びも、まず子ども達がスタートしておじいちゃんやおばあちゃんにバトンタッチし、そこからは一緒に遊んだり手をつないで走ったりして、最後にお父さん・お母さんに渡すなど三世代を意識して、お年寄りを大切にする・尊敬する等の精神が自然に育まれるような配慮をしました。又、父母・祖父母間がなめらかに明るい雰囲気が保てるようにと、子ども達が遊びやゲームを通して大いに活躍しているのが実情であります。
 
◎ 昔懐かしい行事への招待
 七夕・十五夜・もちつき・ひなまつり・鏡びらき・豆まき等。「この行事はこんな物を作って飾った」「こんな風に祝った」など、おじいちゃんおばあちゃんの頃の行事の祝い方や遊びの様子などを話してもらったり、身近な地域の昔話をしてもらったりなど、核家族では味わえない情緒豊かな心の癒しのひとときを地域ぐるみの活動の中から学習して行くことができます。
 
◎ 子育て支援について
 平常は、親子一緒に来館し、保育園に併設されているので園庭で活動したり、室内では粘土・ブロック・カードパズル遊びやお絵描きなども楽しんでいます。
 又、親同士のコミュニケーションもはかられ、一人で育児の大変さを痛感している為、母親の表情も明るいまなざしへと変わってきています。
 更に曜日を決め、「設定活動の日」として四季折々の活動を折り込んで、実施しております。
 
・戸外活動・・・かけっこ・ゲーム・三輪車やミニ乗り物カー・フラフープ・巧技台などで、親子一緒に楽しんでいます。
・音楽リズム・リトミック・・・子ども達のみならず、お母さん方も大好きな活動の一つです。歌や手遊びなど、親子で向かい合って大きな声で歌い、振りを付けて楽しみます。リトミックでは、親子で飛んだり跳ねたり走ったりと、心地よい汗を流して、特に“どんぐりころころ”や“トンボ”・“ウサギ”など体全体で表現をし、歓声を上げて楽しんでいます。
・自然散策・・・町の歴史資料館や岩宿ドームを見学したり、町のちびっこ広場へ出向き、町の観光名所「カタクリの里」や親水公園めぐりなどを実施し、花・水・紅葉など季節の移り変わりが実感できます。
・室内遊び・・・絵画・製作を親子で楽しみ、親子の交流・子ども同士の交流を図ることができます。ロケット風船・紙飛行機遊び・スライム製作など、親子での創意工夫が見られ、親子のふれあいを実感しながらの楽しみな活動の一つです。
 
 行事活動やイベントには母親クラブ・父親クラブ・お年寄りクラブの方々が協力し、参加者親子と一緒になり、活動を盛り上げてくれています。
 特に、お父さんやお年寄りの方々の参加は喜んでいます。
 
(2)放課後児童の保育
◎ 宿題
 高学年児童の難しい宿題をしている姿と宿題が楽しい一年生に挟まれて、中学年児童がややもすればさぼりがちの宿題を、他学年生に刺激されながら頑張る姿が多く見られます。家に帰って「宿題は!!」「勉強は!!」と追いかけられるより、子ども同士の気持ちの中から生まれる「やる気」と「競争心」により、宿題プラス復習・予習の姿が見られ、より効果的な場所であるのではないかと実感しています。
◎ 遊び
 ドッヂボール・縄跳び・バドミントン・卓球・陣取り・手作りボーリング・チェス・将棋・トランプ・カルタ・各種手作りゲームなどを楽しんでいます。
 学年同士では保育園・幼稚園からずっと一緒なので、暗黙の了解の内に何やら順位らしきものがあるかの様子を持って入ってきますが、縦割りの中に入ると、一人一人が自分の持てる力を誰に遠慮することなく発揮できています。
 自分を押し出し、時には相手に譲る、などの心が自然に身につき、チーム編成やゲームなどから得られる縦割りの中の戦い方・協力の仕方・思いやりなどが、教師(指導員)の力を借りる前に芽生え、体得していくようです。時々は子ども同士の衝突もあって仲介することもありますが、縦割りならではの正義の目が多く、すんなりと解決することが多い現状です。
 特に対抗戦ゲームなどになると、低学年生に知恵をつけたり、応援・励ます光景が多く見られています。また、日常の遊びでは体力・知力を伴なわないジャンケンを基本にした遊びを多く取り入れ、子ども達の融和を図ることも心掛けています。
 
◎ サークル活動
 保育所時代から培った音楽・リズムを取り入れたマーチング鼓隊で、地域のイベント等に出場し、花を添えております。







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