いわき市は、福島県の東端に位置しています。南側は勿来の関で茨城県に接し、東に太平洋を望み、西側は阿武隈山地につながる、全国で2番目に面積の大きい市です。南東部には小名浜港を中心としていくつかの工業地域があります。北部の沿岸部には漁港が点在し、内陸には田園が広がっています。また、西側には山林が広がり、紅葉の名所と言われる渓谷が多くあります。平成11年度より中核市となっており、現在の人口は約36万人、乳幼児は約2万人でその4分の1に当たる5千人ほどが認可保育所（園）に通っています。市内には公立（市立）の保育所が42箇所、私立（社会福祉法人立）の保育所（園）が20箇所あり、定員に対する入所率は公立が83.1%、私立が107.3%となっています。特別保育事業等については、障害児保育を行っているところが公立の34箇所、私立の3箇所で、一時保育事業は公立3箇所と私立7箇所、乳児保育は全ての私立保育所と公立の7箇所、延長保育は全ての私立保育所で、休日保育は公立の1箇所で行われています。また、地域子育て支援センターについては、いわき市全体を五つの地域に分けて、それぞれの地域にある私立の5箇所に小規模型のものが設置されています。乳幼児健康支援一時預かり事業（病後児保育）も、市内の小児科医院1箇所で実施しています。保育所以外でも、地区ごとの保健福祉センターの設置や、ファミリー・サポート・センター事業の実施、保健所による子育てサポートセンターの運営、放課後児童クラブの積極的な設置等、児童を取り巻く環境の変化に対応したきめの細かい施策が展開されています。

　

　梨花の里保育園は、JR常磐線いわき駅より南に約10キロ離れた小高い丘の上にあります。周囲には梨畑が広がり、南西に湯の岳を望む北斜面に位置し、日当たりの良い緑あふれる保育園です。所在地の好間町には常磐自動車道のいわき中央インターがあり、当園はそこから車で5分ほどのところにあります。一方では、当園の東側は内郷高坂町との境界になっており、内郷高坂町には県営住宅や市営住宅のある団地があります。そしていわき駅から高坂団地を経由して、当園のすぐそばにある老人保健施設「四季庵」までのバスも運行されています。この為地域活動についても、好間地区よりも内郷地区の方々の参加が多くなっています。定員は90人ですが、現在の在籍数は0歳児16人、1歳児17人、2歳児17人、3歳児20人、4歳児22人、5歳児14人の合計106人となっており、基本的には4月1日現在の年齢によってクラス分けをして保育をしています。

　梨花の里保育園は昭和56年に社会福祉法人春日会の2番目の保育園として創立されました。当時の春日会理事長の坂本友子先生の、子どもたちをオープンなスペースでのびのびと保育するという方針のもとに、ホールに向かって開かれた保育室の並ぶ園舎と自然の地形をそのままに活かした芝生張りの園庭が作られました。創立当初の定員は60名でしたが、昭和58年には90名に増員されました。その後、平成2年に社会福祉法人友花會が設立され梨花の里保育園の運営を引き継ぎました。当初から未満児の保育に積極的に取り組んでいましたが、平成10年度には、別棟を建設し乳児室の拡張を行ないました。又、園庭の拡張も行ない、園長の森谷かすみ先生のもとで地域に開かれた保育園をめざして、地域活動事業、一時保育事業、そして地域子育て支援センター事業に取り組みました。また、放課後児童健全育成事業（放課後児童の保育）を行なう「梨花の里児童クラブ」が、新しい保育室を使用して設立されました。現在は、

　

　「強く　やさしく　男の子、やさしく　強く　女の子」（浜田廣介）を保育目標に、

　

保育士23名（非常勤5名）、看護師1名、調理員3名、事務員1名、用務員2名（非常勤）と園長1名の合計31名の職員で運営されています。特別保育事業としては、延長保育促進事業（午後7時まで）、一時保育促進事業、乳児保育促進事業、地域子育て支援センター事業（小規模型指定施設）、保育所地域活動事業（育児講座・育児と仕事両立支援事業、異年齢児交流等事業、小学校低学年児童の受け入れ）を実施しています。又、地域子育て支援センターの支援する子育てサークルの「もりのくらぶ」、「くらふとくらぶ」や、「梨花の里児童クラブ」があり、在園児とともに地域の親子や小学生が保育園を利用しています。