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提案要旨
国際化の中の保育
栗本 広美(東大阪市・白鳩保育園理事長)
 
 政治や経済がどんどん広がりをみせ、地球が狭くなったと言われます。今回のテーマの、国際化の進む中での保育とは保育の内容はどのようであるべきか、日本の子どもと外国の子どもが、お互いに違和感なく快適に保育園での日常生活を過ごすことができ、保護者との関係もスムーズに運んでいけるような環境づくりとはどのようにつくって行けば良いのか等、現場では本当にケースバイケースで、毎日様々な問題が上がってきているのではないでしょうか。保育園での基本的な保育目的は、「養護と教育」ですが、近年の保護者の考えとして、教育的な保育内容に対しての関心も高く、そのためか、何々教育に力を入れているといった保育園も増えています。又、社会的にもグローバル化が進み、保護者のニーズも多様化してきました。子どもの将来の事を考えて、幼児の塾に通っている子どもも少なくありません。国際的な活動の場に入って行くには、「英語がしゃべれること」が条件となることが多いので英語の教室は、けっこう人気があるようです。単一民族社会が長かった歴史を持つ、日本人は、異民族に対しての認識が、少し薄いように思います。でも、現実的には外国人と、接触する機会も増え、保育園に、入園してくる外国の子どもも見られるようになりました。しかし、まだまだ地域差もあり外国人が沢山入っている保育園が多いわけでもありません。もっと一般的に入園してくるようになれば自然体で保育ができるのではないかと思います。しかし、前述のように、社会のグローバル化はどんどん進み外国の子ども達と一緒に生活する機会は益々増えて来ることは間違いありません。人数的にマイナーなのだから日本の文化に合わせてほしいとばかりは言ってはいられません。まず、異文化の相互理解が必要となります。日本人社会は、異質なものと共生していく力が、あまり養われていないように思われるので、様々な国の子ども達と一緒に生活できることは人間性の幅を広げることができるチャンスと思って、積極的に関わらせてあげることが大切と考えます。子ども達は地球の中には、いろんな国があり、顔や、身体、言葉や習慣の違う人々が大勢暮らしていることを知り、そんな人々と、一緒に生活していくことが自然なことなのだと言うことを、普段の生活の中で学習させてあげたいと思います。コミュニケーションの手段として「外国語がしゃべれる」ということは、ほんとうに便利なことです。確かに、その国の言葉が理解できるということは、大事なことではありますが、あくまでコミュニケーションをとるためのツールの一つであること、相互理解のためには、日常生活のなかで、いろいろな場面を体験しながら、関係を深めていくことこそが大切なのだという事に気付きたいと思います。日本人ばかりの中では、今まで余り気にせずに、言ったり、したりしていたことが、重要な意味を持つこともあるので、普段の保育活動の中でも少し気配りが必要となる場合があると思います。
 保育の中でのボーダーレス化が円滑に進められるように、気をつけていきたい事をいくつか考えてみました。
 基本的な考え方として、
1. 相手を認め理解する気持ちを持つ
2. 決して異質な存在として観ないこと
3. マイナーな存在ではあっても、快適な生活が送れるように、配慮する
4. 子ども同士の交流が、自然に行われるような環境作りをする
5. 保護者への配慮は子ども以上に必要
 
具体的な例としては
ア. 文化や習慣を尊重する
○母国語を尊重する
○食文化ついての理解
○ことばについて(契約について)
 
イ. 宗教的なものの難しさ
 
ウ. 医療について
 
 現場ではもっといろいろな問題が日常的に発生している事と思います。整理をしながらみんなで考えてみたいと思います。
 
第4分科会
食生活に関する相談のすすめ方
助言者 太田百合子(こどもの城小児保健部 管理栄養士)
提案者 高田テルミ(貝塚市・貝塚南保育園園長)
司会者 岩橋美恵子(枚方市・明善保育園主任保育士)
 
レクチャー
食生活に関する相談のすすめ方
太田百合子(こどもの城小児健康部管理栄養士)
 
プロフィール
 
現職:(財)児童育成協会 こどもの城小児保健部技術主任
聖心女子専門学校非常勤講師
昭和58年3月東京家政大学家政学部栄養学科管理栄養士専攻卒
58年4月新潟県田宮病院栄養課勤務
60年10月(財)児童育成協会 こどもの城小児保健部
 妊婦から子どもたちの幅広い子育て支援を行っている。「小児保健クリニック」で栄養相談を行いながら、集団指導として太りすぎ児童のための教室や離乳食講座などの運営、指導者向け講習会などの企画を担当している。研究テーマは小児肥満と幼児食である。
 NHK子ども向け番組や育児雑誌などでわかりやすい栄養指導を心がけている。
著書:
保育ライブラリ子どもを知る 小児保健 北大路書房 共著2003年9月
これで安心 幼児食大事典 成美堂出版 監修2003年7月
見なおしてみよう間食 少年写真新聞社 単著2003年7月
離乳食大百科 ベネッセコーポレーション 編集協力2002年8月
ベビーシッター講座/社団法人全国ベビーシッター協会編集中央法規 共著2002年10月
子どものからだと心 身近なQ&A 中央法規出版株式会社 共著2001年9月
解説版それでいいよだいじょうぶ厚生省 母子衛生研究会 編集2001年3月
子どもの栄養・食教育ガイド 医歯薬出版株式会社 共著2001年7月
こどものダイエット 女子栄養大学出版 共著2000年1月
保育保健の基礎知識 日本小児医事出版社 共著2000年11月
児童・生徒の食生活 (社)日本小児保健協会 共著2000年11月
よい子の食生活 (社)日本小児保健協会 共著1998年9月
幼児食の基本 日本小児医事出版社 共著1998年11月
幼児食大百科 ベネッセコーポレーション 編集協力1997年3月
子どもがわかる栄養の本 企画室 栄養指導1993年9月
 
1. 離乳期栄養
1)困っていること
(1)適量・簡単な作り方・ステップアップの方法・材料は何が使えるか・味付け
(2)食べない・飲み込めない・口にためる・食べ過ぎる・食事時間・おやつの与え方
 
2. 幼児期栄養
1)幼児食の基本(表1. 2)
2)咀嚼学習のための工夫
(1)ペラペラしたもの
(2)皮が口に残る
(3)硬すぎる
(4)弾力がある
(5)口の中でまとまらない
(6)唾液を吸う
(9)匂いのきついもの
(10)誤飲・誤嚥
 
3. 幼児期の特徴的な食べ方(図1)
 
4. 病態栄養
1)肥満(図2)
2)食物アレルギー(図3. 表3)
3)偏食







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