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誌上研修「人材育成」(27)
「保育と人生」を豊かに生きるヒント集 第97回
激変している雇用環境
人材開発コンサルタント
塩川正人
 作家の村上龍さんの書いた「13歳のハローワーク」という本が、今ベストセラーになっています。内容は「仕事」「職業」の大切さを語り込んだ本です。その中で村上さんは、自分の専門力を「売り」にして生きる時代になったと語っています。
 保育士、看護師、調理士など保育界に生きる人は皆、専門職です。しかし雇用形態は多様化し、「正職員だから雇用は安定している」という甘えは通らなくなります。この大きな変化が今、株式会社に現われています。
 下の表は、ある会社の人材構成の現実です。一昔前は「正社員」ばかりでした。しかし今は、一つの会社のなかで同じ仕事をしていながら正社員、出向社員、契約社員、派遣社員、パート社員、業務請負社員、アルバイト、フリーターと「混在」しています。
 その理由は人事採用戦略が、直接雇用を減らして、間接雇用を増やす戦略に転換しているためです。「雇用の安定」はハッキリと過去になりました。「自分の仕事」をして、「仕事に見合った報酬」を自力で稼ぐ時代へ移行している現実をここに見ます。
 保育園は、株式会社と全く異なり「子どもの命」を預かる非営利機関です。あえて株式会社に襲来している荒波をご紹介した理由は、人を大切にする雇用関係を築くための、話し合いのヒントになればと思って作成しました。
 
多様化した雇用環境







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