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保育界(平成16年1月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


―子ども総研から―
文献情報(23)
日本子ども家庭総合研究所
『平成十四年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)報告書、第九巻第十一号、七九三〜八四二頁、「保育所と幼稚園の合同保育に関する調査研究」、主任研究者:金子恵美(日本社会事業大学)
 
 本調査研究報告は、保育所と幼稚園の一体的実施やいわゆる幼保が一体化した総合施設の設置等の近年の動向に対し、その運営や保育内容の点から一定の検討・考察を加えたのである。
 その目的は、「保育所と幼稚園の様々な形で実施されている合同保育の内容・方法について、“子どもの最善の利益を守る”という視点から検討し、その質的向上を図ることを目的として、1、合同保育のマニュアルの作成、2、事例集の作成、3、研修方法の提言、を行うもの」である。方法としては、合同保育実施園を継続的に訪問し、観察・検討を行い、ビデオ撮影や事例収集、聞き取り等を行うというものであった。
 保育所と幼稚園の合同保育を行うに当たって留意すべき点としては、保育士と幼稚園教諭の文化の違いを超えた相互理解、個々の子どもの多様なニーズにどう対応するか、生活スタイルの異なる保護者同士の関係をどのように仲介・支援して行くか、などがある。研究では、こうした点を前提とし、保育の幅を広げていくための視点として、保育内容の充実、生活体験の重視、養護の視点(家庭養育の補完)、配慮を必要とする子どもへの個別的なケア、家庭支援の五つの視点から考察している。そのうえで合同保育実施に当たっての配慮事項や今後の検討課題などが提示されている。
 現在多くの自治体で開始されている幼保の合同保育の実施にとって参考になる研究であるとともに、政府において進められているいわゆる総合施設の検討に当たって、その運営・保育内容面から大きな示唆を与える研究である。
 
「こども未来」二〇〇三年十一月号、七〜十三頁、「子育てコストに関する調査研究」の概要、株式会社野村総合研究所
 
 こども未来財団の月刊誌「こども未来」の「特集:乳幼児期の子育てコスト」における巻頭報告である。こども未来財団が野村総合研究所に委託して実施した。調査は、乳幼児を持つ家庭を対象とするインターネット・モニターに対するアンケート調査の手法により実施された(ゼロ〜六歳の各年齢、二二〇〜二五〇人程度の回答者)。なお、この調査の結果は、子どもの両親が支出した金額であり、また、原則として、アンケート回答の全家庭の平均金額であることに留意が必要とされている。
 その結果、以下のことが把握された。すなわち、妊娠から小学校就学前までの子育てコストは約四四〇万円。子どもの年齢・人数によって子育てコストは異なる。たとえば、第一子に比べて第二子以降の子育てコストはおおむね七〜八割程度であった。幼少期の子育てコストの三割が幼稚園・保育所関係費。もっとも、これは家庭の就業状態や公私立別に大きく異なっている。
 所得に占める子育てコストの割合は、年間所得が四〇〇万円以上の場合は子ども一人当たり全体の七〜十二パーセントであるが、四〇〇万円未満の場合、一歳を除き十五〜二〇パーセントとなっており、低所得世帯の方が負担が大きいことが示されている。
 本調査は、児童手当が支給されている乳幼児の家庭の子育てコストのうち、食費、被服費等の生活費や教育費等からなる「直接費用」を把握しようとしたものである。平成十六年から配偶者特別控除制度が廃止され、児童手当制度の改正が予定されているが、この調査は、乳幼児期の子育てに対する経済的支援のあり方検討に貴重なデータを提供するものであるといえる。
 
「月刊福祉」第八六巻第十一号、平成十五年九月号、一〇〜四七頁、「特集:福祉専門職の倫理と責務」石井哲夫(白梅学園短期大学)ほか
 
 社会福祉制度の変革が進みサービス供給主体の多元化が進行するなか、事業主体やそこで働く福祉専門職の倫理性と責務の自覚がますます問われてくることとなる。そうしたなかにあって、本特集においては、専門職倫理に関する四本の論文とともに、主たる福祉専門職団体のレポート並びに倫理綱領を掲載している。さらに、関連する福祉事業団体の倫理綱領等についても幅広く収載しており、いわば、福祉専門職・事業団体倫理綱領集成といってもよい。
 平成十五年十一月二九日から保育士資格の法定化が施行されているが、保育士の専門職としての全国団体は未だ結成されておらず、専門職としての倫理綱領も定められていない。したがって、本特集においては、保育士の倫理綱領については全国保育協議会・全国保育士会が採択した全国保育士会倫理綱領が収載され、全国保育士会の吉川氏がその解説を行っている。保育所、保育士の倫理綱領が採択されていてよかったと心から思う。
 石井哲夫氏は、特集論文一として「福祉専門職の行動の原点」と題する論文を寄稿し、社会福祉援助者のミッションとして、「強靱な人間的な気持ちを持ち続け、受苦を忍耐しながら、臨床的実践の知性と経験を発揮して、利用者中心の援助サービスの向上に努める」人物像を提起している。われわれ福祉・保育関係者に必読の論文である。
 倫理綱領は、福祉専門職や福祉事業団体がもっとも大切にしている価値を実現するための具体的行動指標であるといえる。子どもが生まれなくなり育ちにくくなっている今、保育所として、また、保育士としてどのような価値を実現していこうとするのか、福祉専門職、福祉事業団体の倫理綱領やその意義を通読しつつ、改めて考えてみることが必要かもしれない。
(柏女霊峰)
 
「母子保健情報」第四六号、七五〜七九頁「子どもとコンピュータ」村田光範(和洋女子大学家政学部栄養学科教授)
 
 いまやコンピュータは現代の社会生活に欠かせないものとなっているが、子どもの教育にも早期から取り入れたほうがよいのかは、賛否両論である。著者はまだ十分に他人との人間関係が確立していない幼児期から小学生にかけての子どもがパソコンを使用することには反対の立場をとり、子どもがコンピュータに接することへの警告を発している。最近、幼稚園や保育現場にパソコンを設置する施設も増えてきており、子ども達が大人よりもスムーズにマウスを操作したり、その熟達には驚かされる場面もある。しかし、そのような子どものすばらしい適応能力を簡単・便利な方向に向けてしまっていいのであろうか。やはり、一つ一つ失敗や試しをくり返し、自分の手で何か作り上げていく喜びや技術(ボタン操作でない)を身につけさせたい。
 著者はまずvirtualの意味について紹介し、コンピュータが作るvirtual realityは現実ではないが、現実と同じ意味や効果持つものであり、コンピュータの中で人が死んだり生きかえったりしてしまう世界を経験していると、それが現実にもありえるような体験をしてしまうという。大人であればたかがゲームであり、玩具として扱えても、現実を知らない子どもには大きな問題にもなりかねないというのである。結論として、著者は子どもがコンピュータを使うときについて以下の五点を挙げている。
・小学四年生になってからワープロと電子辞典
・中学生になってからグラフィック・プレゼンテーションと計算ソフト
・高校生は上記ソフトをさらに使いこなす知識と技能の修得
・コンピュータ・ゲームは高校生になるまでやらないこと
・可能であれば最初からコンピュータソフトを自分でくみ上げること
 しかし、すでに各家庭にパソコンが普及し、日常的に子ども達もコンピュータに触れるようになりつつある。全くパソコンを子どもに触らせないのではなく、家庭や保育現場において、どのように子どもたちにパソコンを使わせていくべきかが課題であり、多くの人に考えてもらいたい問題である。
 
「母子保健情報」第四六号 六二〜六六頁、「自閉症児への理解と対応」杉山登志郎(あいち小児保健医療総合センター心療科部長)
 
 つい最近のことである。それまで一般の私立幼稚園に通っていた友人の子どもがアスペルガー症候群と診断された。そのことを幼稚園側に伝えると退園をせまられてしまった。幼稚園側としては適切な療育が受けられるようにとの配慮もあろうが、なんとも追い出されるような気がして親としてはたまらない思いであったろう。自閉症という障害が一般にも知られるようになったものの、本当に自閉症についての理解は専門家の間でもまだまだである。本文献は、自閉症の症状や対応についてわかりやすく述べられており、その問題点も含め、保育関係者にも是非理解してもらいたい内容である。
 自閉症は二歳くらいで気付くことが多いとされるが、本文献では乳児期後半から行動に障害があることが指摘されている。また長期転帰研究では、改善が示され、全体の五割が良好(ほぼ健常者に近い生活ができる)、準良好(わずかな支えがあれば良好に近い生活ができる)に判定されるようになったという。リハビリは早いほど有効であり、このため早期療育に取り組める環境が必要である。自閉症児がもつ問題についてもその認知の特徴を考えれば療育を容易にすることは可能であり、自閉児に関わるものの教育的支援は欠かせない。是非多くの人に自閉症について理解してもらい、自閉症に対する教育的対応をくみ上げることの必要性を感じた。
(門脇睦美)
 
「超早期療育を行った自閉症児の発達経過と特徴について」第四四巻第三号、三〇五〜三二〇頁、「児童青年精神医学とその近接領域」荻原はるみ・高橋 脩
 
 自閉症児を対象とした発達研究の多くは、三歳以降からのものであり、一・二歳台の発達経過を追跡した報告は少ない。そこで本研究では一歳台で発見・療育を開始した一〇人の自閉症について、発達および臨床経過を追跡し、その結果が報告された。
 対象は平均年齢一歳六か月でDSM-IV、の基準に従い自閉症と診断された一〇人(男児六人、女児四人)。
 発見直後から週一回、母子同席で約一時間の個別指導を継続実施した。前言語的コミュニケーションの段階においては、体面遊びや身体接触遊びなどを通して快適な情動を引き出し、そのような行為を提供してくれる人への関心を高めることが目的とされた。同時に母親にも活動に参加してもらい、母子の関係促進的な関わり方を取得してもらった。シンボル獲得以降は認知的課題を取り入れ、発達に伴い指導内容を変えていった。
 発達経過を把握する手段として遠城寺式発達検査と田中ビネー式知能検査を用い、各領域(六領域)におけるDQ値の推移、および全体のプロフィールの変化について調べた。
 領域ごとの結果は、「移動運動」領域は来所当初から全員がDQ値七〇以上を示しており、大きな遅れは認められなかった。「手の運動」と「基本的習慣」領域においては、療育開始後、加齢に伴い着実に発達をしていく傾向が認められた。
 「対人関係」領域では初診時平均DQ値四七、その後三歳後半の平均DQ値も六四にとどまり、他の五領域と比べ、最も低い値を示していた。
 「発語」領域では、来所当初のDQ値は三九〜五五と六領域の中で最も低かったが、三歳後半ではDQ七六〜一〇〇に達した。「言語理解」領域においても同様に、のDQ三五〜五四から、DQ七八にまで達した。
 全体のプロフィールの推移に関して、初回の大まかな傾向は「移動運動」「手の運動」「基本的習慣」の発達は良好で、「対人関係」「発語」「言語理解」の伸びが低く、「右下がり」パターンを示した。中間では、「発語」「言語理解の領域の発達年齢が「基本的習慣」領域の発達年齢に追いつき、一方で「対人関係」の領域が遅いため「V字型」となった。最終検査時は「対人関係」領域以外の五領域全てが同じ発達年齢に達し「V児型」となった。
 超早期療育を受けている自閉症児は良好な発達を示すと共に、遠城寺式発達検査において特徴的なV字型プロフィールを示す事が明らかとなった。
 知能検査に関しては、三歳後半から五歳台に実施したところ、平均IQ一〇九と、全例が普通知能以上の水準に達していた。
 本研究は対象群と比較検討はしていないので、指数の上昇が超早期療育効果であったと断定することはできないが、一般的自閉症児の指数に比べても比較的高い事からも、超早期療育の効果の有効性が示唆される。また今後、特に発達の遅れる「対人関係」領域での超早期療育の内容の充実が図られる事が期待される。
(菊川由美)
 
トピックス・予対
日本保育協会群馬県支部役員が自民党組織本部長を訪問
 十二月十七日、本部役員と山田支部長、阿久澤事務局長、島田女性部長、山田青年部長が自由民主党組織本部長谷津義男衆議院議員を訪問し、平成十六年度予算並びに税制改正要望事項を陳情した。谷津組織本部長は「待機児童ゼロ作戦は国の施策であり、責任を持って進めて行きたい」と述べた。
 
 
 
 
保育所設置に係る多様な主体の認可状況等について
(平成15年8月19日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局資料)
 保育所待機児童の問題への対応等のため、平成12年3月に、保育所に係る規制緩和として、(1)設置主体制限の撤廃、(2)定員要件の引下げ、(3)資産要件の緩和を行った。平成15年4月1日時点のこれらの効果は次のとおり。
(1)市町村・社福法人以外の多様な主体による保育所認可状況
  社団・財団法人 学校法人 宗教法人 NPO 有限・株式会社 個人 その他
H12 1 6 6 3 6 5 0 27
H13 4 10 0 4 12 12 2 44
H14 2 10 1 3 10 9 0 35
(注)うち認可外保育施設からの移行 H12 15件 H13 31件 H14 16件 
(注)「その他」の内訳 日赤1件 中小企業協同組合1件
(注)計106件の他、公立保育所の業務委託事例18件(学校法人4件、有限・株式会社6件、社団・財団法人7件、NPO 1件)
 
(2)定員20人以上30人未満の保育所の認可状況
  社団・財団 学校法人 宗教法人 NPO 有限・株式 個人 市町村 社福法人
H12 0 0 0 1 2 2 2 8 15
H13 1 3 0 0 0 6 0 7 17
H14 0 1 0 1 2 1 1 4 10
(注)うち認可外からの移行、H12 9件 H13 10件 H14 3件
 
(3)資産要件緩和による保育所の認可状況
    社団・財団 学校法人 宗教法人 NPO 有限・株式 個人 その他 社福法人
土地 H12 0 2 0 3 4 1 0 12 22
H13 1 1 0 2 9 5 1 49 68
H14 0 0 0 1 5 2 0 28 36
建物 H12 0 1 1 3 4 2 0 7 18
H13 1 0 0 2 9 3 1 5 21
H14 0 0 0 0 4 1 0 7 12
(注)土地:国・地方公共団体以外からの貸与であり賃借権等の登記設定がないもの
  建物:国・地方公共団体以外からの貸与
(注)うち認可外からの移行
  土地 H12 10件 H13 25件 H14 14件
  建物 H12 9件 H13 14件 H14 5件
 
(4)(1)〜(3)による保育所の認可状況(重複分除く)
  認可外からの移行 創設 設置主体の変更等
H12 23 17 10 50
H13 44 46 9 99
H14 25 39 6 70
(注)H12(H12.3.30〜H13.4.1)における全認可・届出件数は、191件
  H13(H13.4.2〜H14.4.1)における全認可・届出件数は、308件
  H14(H14.4.2〜H15.4.1)における全認可・届出件数は、264件







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