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保育界(平成16年1月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


厚生労働省広報室・発
 ☆私も公務員になって二十年経ちますが、毎年、十二月というのは不思議な月だなあと思います。言うまでもなく十二月の末には政府予算案の決定があり、それに向けて翌年度の施策についての内容の詰めが行われるからですが、東京ではこの時期、寒いながらも晴れの日が多くて、外はむしろうららかと言っても良い日が続くのに、霞が関の官庁ではそうした外に出ることもなく、夜遅くまでさまざまな作業に職員は追われます。しかしそれも、過酷とか悲愴とかいった感じではなくて何となくお祭りじみた明るささえあるというのは、新しい施策が形になっていくという達成感に加えて、これが終わればお正月というような雰囲気がどこかにあるからかも知れません。十二月は何だか慌ただしいというだけではなくていつも何か不思議な感じがあります。
 今年は特に―今年は、と言うより来年は、と言う方が正確かも知れませんが―五年に一度の年金制度の改正と、二年に一度の診療報酬改定とが重なる年です。更にいわゆる「三位一体の改革」、つまり地方自治体への交付税の見直し、税源の委譲と補助金の削減という、これまた大きな話が重なって、これまでになく慌ただしい雰囲気が省内にたちこめているのですが、しかしいずれ、あと何週間かすれば、物事はそれぞれ納まるべきところに納まって、静かなお正月を迎えることができるのではないかと思っています。それまで、われわれ役所の職員も、私のオフィスの隣にいてそうした施策の動きに目をこらして追っている記者さん方も、もうひとがんばりというところでしょう。
 ☆その年金制度の改正で今回のものがこれまでと違っている点の一つは、主として負担の面について、財務省とか経済産業省といったところが積極的に発言しているということではないでしょうか。これは社会保障というものが社会の中に占めるウエイトが大きくなり、企業にとってもそのあり方が企業のパフォーマンスに大きく影響するようになってきたということを示している現象だと思いますが、同時に社会の構成員としての法人企業がどのように責任を果たしていくかという観点からの検討も忘れてはならないと思います。そしてそれは年金だけの話ではなくて、社会保障各制度についてあてはまることなのではないかと思います。
 月刊「厚生労働」一月号では、少子化時代の企業のあり方と題して、少子化対策における企業の取組みについて考えてみる特集を組んでみました。来年度には企業においても、少子化対策の「行動計画」を策定することになっています。そうした背景を踏まえて、次世代育成支援推進法をはじめとする関連施策の解説、有識者の方々を交えたシンポジウムの紹介、企業の優れた取組例の紹介など、幅広い視点からの記事を盛り込むことにしたいと思っています。なお、連載している当省関連機関の紹介ページでは「こどもの城」を扱うなど、一月号では他にも児童関連の記事をいくつか掲載することになっています。
 ☆インタヴューは今年の「現代の名工」のひとり、和菓子づくりの可児融さんです。関東における茶席菓子づくりの第一人者。千葉県市川市のお店にうかがってお菓子づくりを見せていただき、お話をうかがいました。十日に一ぺん、その季節のお菓子を六種類ずつ考えるということで、それが書きつけてある本当に美しい帳面を拝見しましたが、和菓子づくりの舞台裏を見せていただいて、甘党の私としては楽しく、またいただいたお菓子はとてもおいしく美しく、これまでにない夢のようなインタヴューでした。味まで文にならないのが残念です。そこのところは皆さん読んでいただいて、どうぞ想像して下さい。
(厚生労働省 大臣官房広報室長 樽見 英樹)
 
雑誌「厚生労働」年間購読料・八、二〇八円(送料込)
お申し込みは、中央法規出版(株)
電話〇三−三三七九−三八六一
 
 
 
 新しい年が明けました。おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 昨年は、九回にわたり、「社会福祉における医療との連携」を書かせていただいた。社会福祉は、「人間の叡智と社会連帯によって、死を遠ざけようとする営み」であり、福祉関係者は、ターミナル・ケアの問題を頭の片隅においておく必要があると考えている。例えば、特別養護老人ホームが「看取りの場所」になれないとすれば、福祉施設は、安住の場所になれないことを意味するのではあるまいか。そして逆に、病院が生活の場所になり得ないとすれば、それは医療施設の限界を示しているのではあるまいか。
 そこで、昨年、出版された本で最も共感しつ読んだ本を紹介しておきたい。
 「がんから始まる」(岸本葉子・著 晶文社・刊)。
 私は、その爽やかな文体としなやかな感性に魅かれて、岸本さんのエッセイを愛読してきた。生活の中で思索することを実践されてこられた方であり、現在、厚生労働省の社会保障審議会の委員も務められている。
 「私は四十歳で、がんと出会った。二〇〇一年十月のことだ。進行した虫垂がんで、虫垂と浸潤していたS状結腸の一部、周辺の腹膜、リンパ腺を切除した。出会いは通常、別れと対にして語られるけれど、がんの場合は、それはなかなか難しい。いつになれば別れたといえるのか。果たして別れが来るのかどうか。手術で取り除いた後も、再発の可能性のある状態が続く。付き合いはまだ、はじまったばかりだ」。「人間、この未来を企図し、意思する者に生まれながら。がん患者として生きることは、人間としての主体性を、がんに譲り渡すまいとする、不断の格闘なのだ」。
 自らの体験を冷静に見つめつつ思索し、ユーモアを交えながら表現されているのはさすがである。読者の方々にも生活から医療や福祉を考えていただきたいと思う。
 
 
 
欠食児と生活習慣
武蔵丘短期大学学長 実践女子大学名誉教授 藤沢 良知
はじめに
 最近は保育園でも、朝ご飯を食べない子どもが見られるようである。中にはみかねて保育園で朝食を用意したらといった意見さえみられるようである。しかし、どう考えても朝食の責任は家庭にあるように思われてならない。
 朝食の欠食は食事だけの問題でなく、その家庭での園児の生活の基本のくずれが影響しているように思われる。朝起きて顔を洗ったり、歯みがきをする、あいさつをすることは、生活の基本として望まれることであるが、中には朝顔を洗わない、お母さんがおしぼりで拭いてあげるとか、おはようのあいさつもしない、歯みがきもしないといった、生活全体におけるしつけがきちんと出来ていない子どもに欠食が多いようである。
 そこで朝食の欠食の実態と、その生活背景等についてみてみたい。
 
一、朝食の欠食状況
 朝食の欠食状況を、まず国民全体でみると、平成十三年国民栄養調査によると、男性は平均六・九%、女性で三・六%で、特に男性の二〇歳代は二〇・四%にも及んでいる。
 一〜六歳の幼児の欠食率は、男児で一・〇%、女児一・五%となっている。幼児の欠食の状況把握はむずかしい面もあろうが、僅かとはいえ、食習慣形成期の幼児の欠食は問題といわざるを得ない。
 
二、朝食を食べない理由
 どうして欠食するのか、いくつかの調査等の結果から理由をみると、食べる時間がない、食欲がない、食事が用意されていない、食べない習慣といった理由が上位を占めている。
 まず食べる時間がないのは、朝起きる時間が遅く、保育園に行くので食べる時間がないといった理由が多い。
 食欲がないのは、夕食時間が遅れていた、夜遅くまで起きていて、夜食を食べていたので朝起きても食欲がないといった理由のようである。
 また、朝食を用意してないとか、食べない習慣であるといったことは、大人が子どもの食事の大切さを理解していない証拠であり、親としての責任放棄でもあり、残念なことである。
 
三、朝食の大切さ
 アメリカのブレスロー(Breslow)の提案した七つの健康習慣(睡眠、朝食、間食、喫煙、運動、体重、飲酒)の中に、「毎日朝食を食べる」があげられており、朝食は健康生活の基本に位置づけられている。
 また、朝食は英語のbreakfast、空腹を遮るという意で、前夜からの空腹を満たし、栄養補給するための大切な食事である。
 平成十二年に文部科学省、厚生労働省、農林水産省の三省合同策定の食生活指針にも、第二項目に「一日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを」として、(1)朝食でいきいきした一日を始めましょう、(2)夜食や間食はとりすぎないようにしましょう、の項目があげられている。
 最近は遅寝遅起きの夜型生活を送る人が増えていることもあって、食事リズムが乱れて、それが生活リズムを乱す要因になっている。問題は大人の生活リズムの乱れに、子どもを巻き込まないことが大切である。
 
四、欠食は何が問題か
 朝欠食すると、夕食時に蓄えたグリコーゲンが少なくなっており、脳へのブドウ糖によるエネルギー供給が不足してくるため、頭の働きがにぶくなったり、基礎代謝が低く、体温の上昇がみられないことになる。
 数年前に朝の体温の低い子が多いといった報告が話題となったが、体温の上昇と知的作業能力は一致するといわれる。
 朝食をとることによって基礎代謝を高め、体温や血糖を上昇させ脳の働きを助け、また全身の代謝活性を高める働きをしているのである。
 脳のエネルギー源となるのは、血液中のブドウ糖であるが、脳は寝ていてもエネルギーを消費しているので、朝食で糖を補給し、脳の活性化を図ることが大切である。
 
五、早寝早起きが欠食防止の特効薬
 幼児は起床して、副交感神経の支配から交感神経の支配に移行するまでに大人よりも長く二〇分程度は必要とされている。朝起きると同時に顔も洗うか洗わないうちにご飯といっても、子どもはまだ寝ぼけまなこで食欲が出るはずがない。朝食欲のない子どもに対しては、早寝早起きこそ最良の薬ということができよう。
 
図1 午後10時以降に就寝する割合
資料:(社)日本小児保健協会「幼児健康調査」
1980年については1.6歳の調査は行っていない。
 
 昔から幼児は十〜十一時間の睡眠が必要といわれ、幼児は遅くとも夜八時頃には眠りにつき、朝六時には目をさますサイクルであったが、最近は二二時以降に就寝する比率がすべての年齢で、年度を追うごとに上昇しており、平成十二年の二歳児では六〇%が、二二時以降の就寝となるなど子どもの生活が夜型となっており、子どもの心身に悪影響を与えている。(図1)
 また、睡眠時間の不足もあって、中には保育園に行ってもまだ目がさめず、十時頃になってようやく本調子といった子どももいるとのことで、幼児の生活を規則的にすることにもっと気を使っていきたいものである。
 一日三食を規則的にとることは、健康面でも有益で、同じ質と量の食物をとるにしても、食事回数や食事時間によって栄養効果が異なる。同時刻に食事をとっていると、生活リズムとして定着し、消化液の分泌、腸の蠕動運動など食事摂取の準備が整い、消化吸収、栄養素利用も効率的に営まれることになる。
 
六、就学時までに出来ている生活習慣は
 欠食を予防するためにも、幼児期の生活習慣をいかに健康的なものにするかが重要である。平成十四年に国立教育政策研究所が「家庭の教育力再生に関する調査研究」で、就学時までにどんな生活習慣が身についているかの調査を行っている。
 この調査は、子どもを持つ二五歳から五四歳までの男女を対象に、自分の子どもが小学校入学までに挨拶など、対人的な生活習慣がどの程度できているかを調べたものである。
 「箸を使って食事すること」「いただきます・ごちそうさま」「おはようございます・おやすみなさい」「ありがとう・ごめんなさい」などは「できていた」「だいたいできていた」と回答する者が大半であった。
 しかし、「おもちゃの後片付けをすること」「外から帰った時や食事の前に手を洗うこと」「一人で歯磨きをすること」など、自分の身辺的態度については、できていないとする親が多くみられた。(図2)
 
図2 子どもが小学校入学までにできていた生活習慣
(資料)国立教育政策研究所「家庭の教育力再生に関する調査研究」(平成14年)
 
 また、「箸を使って食事をすること」「朝起きた時や寝る前に一人で歯磨きをすること」については、三五歳以上の世代では、「できていた」とする回答が多いが、二五−三四歳の若い親の世代では「できていない」との回答が多く、子どもが生活習慣を身につけることが、だんだん遅れてきている傾向がみられるようである。
 
七、家庭のしつけの国際比較
 子どもの体験活動研究会が、平成十二年行った「子どもの体験活動に関する国際比較調査」により、しつけの国際比較をしてみたい。
 
図3 家庭のしつけの国際比較
 あなたは、お父さんやお母さんから、次のようなことをどのくらい言われていますか。
 
(資料)子どもの体験活動研究会「子どもの体験活動等に関する国際比較調査」(平成12年2月)
 
 わが国は子どものしつけが十分でなく、子どもを甘やかしがちな親が多いといわれる。
 もちろん、国によって子ども観や家庭観が異なり、背景も異なるので、子どものしつけの方法や内容の比較はむずかしい面も多い。「ちゃんとあいさつをしなさい」「早く寝なさい」「テレビを見すぎだからやめなさい」「もっと勉強をしなさい」「もっと部屋をきれいにしなさい」のいずれの項目をとっても、日本は他の国に比べ「言われない」割合が多く、「よく言われる」割合は少ない。
 それに比べ韓国、アメリカ、イギリスは、「よく言われる」比率が高い。いずれにしても子ども達に責任感を持たせ、自分を促していく上で、各家庭でのしつけのあり方を問い直してみることが大切である。
文献
1、平成十五年版厚生労働白書、平成十五・八・四
2、データに見る生徒指導の課題と展望、国立教育政策研究所、(株)ぎょうせい刊、平成十五・七・三〇
3、食生活指針 田中平三・坂本元子編 第一出版刊、平成十五
 
―話題―
 このところ、各地で開催される研修会のテーマの一つに、「次世代育成支援対策」に関連した講演等が目につきます。本誌でもこれに関する情報はたびたび掲載していますが、次世代育成支援対策推進法(平成十五年七月九日成立・十六日公布)によって、企業と地方公共団体は国が定める「行動計画策定指針」に沿って行動計画を策定し、平成十七年四月一日以降取り組みを進めなければならないとされました。
 ところで、事業主(所)というと、企業をイメージしがちですが、保育所など福祉施設も含まれます。三〇〇人以上の事業所は義務づけられていますが、三〇〇人以下の事業所は努力義務とされています。地域での子育て支援の中核を担う保育所が自らの手で「次世代育成支援のための行動計画」を作ることが、社会に対して大きなメッセージとなると思います。
(M)







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