4. 「勤労青少年ホーム事業の推進のための託児場所の確保について」の発出（以上本号）

5. 最近の国の施策（以下来月号）

　

　職業生活と家庭生活の両立支援策に関しては、広く厚生労働省の各行政分野において取り組まれているところであるが、昨今、職業能力開発局の所管行政の分野でも取り組みが進みつつある。

　職業能力開発局においては、

を中心に企画・実施している。これまで、“両立支援”という視点は必ずしも十分ではなかったが、（1）・（2）にいう求職者・在職者ともに女性が増加し、両立支援の視点を踏まえる必要性が高まっている。

　今般、施設整備に際して国（職業能力開発局）が補助している市区町村立の「勤労青少年ホーム」において、当該市区町村が一時保育の機能を設けようとする場合について、施設整備費補助金の国庫返還の有無に係る取扱いを定めた通知が発出された。本稿では、その概略を紹介する。尚、意見に係る部分は私個人のものである。

　

　「勤労青少年ホーム」は、勤労青少年福祉法第15条に基づく市区町村立施設であり、雇用保険法第64条及び雇用保険法施行規則第140条に基づき、雇用保険を財源として、国が施設整備費助成を行っている。全国に約500箇所あり、そのうち約110箇所が、保育所待機児童が10人以上（平成14年4月現在）の都市部に立地している。

　この勤労青少年ホームにおいては、勤労青少年福祉法に基づき、在職者に対して各種のレクリエーションの場の提供とともに、求職者に対して各種の就業支援事業を提供することとされている。ただし、運営事務は市区町村の自治事務であり、運営費の国庫補助制度はないこともあり、具体的な運営内容の実態は個々のホームによって異なっている。

　なお、「勤労青少年福祉対策基本方針（平成12年12月労働省決定）」において、対象となる”勤労青少年”の年齢について、上限はおおむね30歳を目途に地域の実情に応じて弾力的に設定できる、とされている。

（注）勤労青少年ホーム設置一覧表