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―創立40周年記念速報―
盛大に日本保育協会創立四十周年を祝う
―全国から一、四〇〇人が参加―
 
記念式典で斎藤会長が挨拶
 
 全国各県支部からの代表者、保育事業の充実・発展に功労のあった被表彰者、記念研修大会の参加者など一、四〇〇人が集まり、日本保育協会創立四十周年記念式典が開催された。
 十月二十三日と二十四日の両日、会場を砂防会館別館(シェーンバッハ砂防・東京都千代田区)、祝賀会は赤坂プリンスホテル五色の間で盛大に行われた(今月号に概要報告を、次号に写真集を掲載します)。
 日本保育協会は昭和三十七年十月三十一日に社団法人として誕生。昭和四八年十月二十二日、社会福祉法人に改組し、事業の大幅な拡充と会員数の増加、事務局体制の充実を図ってきた。これまで全国会員の支援を得ながら今年四十一年目をむかえたが、去る五月に日本武道館で総決起大会を開催するなど、ここ一・二年を振り返るだけでも平坦な道のりではなかったのである。
 以下概要をレポートする。
〈第一日 式典 二十三日(木)十三時三〇分〜十七時〉・総合司会 蒲池知佳子(福岡市、新星保育園園長)
 はじめに、斎藤十朗日本保育協会会長が主催者を代表して挨拶を行った。
 「日本保育協会創立四十周年記念式典を開催し、永年勤続保育者表彰と創立四十周年記念永年勤続保育所長表彰及び感謝状贈呈式を執り行うことができますことは誠に慶びに堪えません。また、この場において厚生労働大臣表彰が行われることになっており、二重のおめでたい席であります。」「今日、少子化対策における保育所の役割はますます重要になっています。また、永年の念願でありました、保育士の国家資格化が実現しました。保育対策が充実された一方で、総合規制改革会議や地方分権改革推進会議においては「幼保一元化」、「保育所運営費等の一般財源化」「保育所調理室の設置義務の撤廃」など子どもの立場や状況を無視した議論が行われております。そのため本年五月に、日本武道館において八千人を超える参加を得て『こどもを守る総決起大会』を開催しました。本年六月に閣議決定された『経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三』においては、両会議の意見が見直された内容となっており、大会の開催とその後の皆様の活動が大きな影響を与えたことは明らかであります」。「保育所入所児童だけでなく保育所を利用していない家庭に対する子育て支援など保育所に対する社会の期待はますます大きくなっております。地域の子育て支援施設として、我々認可保育所こそが、社会の要請に応えた良質な保育サービスを提供し得るものであるという気概と自信をもって日々努力してまいらねばなりません」。
〈来賓からの祝辞〉
津島雄二全国保育関係議員連盟副会長
 「昭和三十七年は日本の社会保障制度が確立された直後でございます。それからの四十年間本当に皆様方ご苦労様でございました。保育の道を通じて子ども達を守り育てるために、どれだけ関係者の皆様方がご苦労されたか、私は二度担当閣僚をさせていただきましたので、よく存じ上げております。そして、そういう中で社会経済状況もだんだん変わって参りまして、それぞれの全国の地域で固有の問題を抱えるに至りました。私が二度目の大臣をやりました平成十二年に衆参両院の関係委員会で待機児童の問題、無認可保育の問題について与野党の関係議員から随分厳しいご意見を頂戴したことは忘れることができません。しかし、その前後からの日保協の皆様方、保育関係者のご努力をみておりますと、こういう難しい変化の早い社会の中でも最大限の努力を積み重ねて必要な保育事業に応えておられる。私は保育所をお訪ねしていつも感銘を受けるわけでありますけれども、保育がより多くの子ども達の幸せな成長に合うようにという大変な工夫を皆様方しておられまして、その皆様の努力を理解することなしに将来の保育行政というのはできないと私は信じておるところでございます。その一方で、今大変せっかちでその一方的な議論が行われております。幼保一元化の話に象徴される、皆様方の努力、それから保育の難しさを充分に理解しない立場から、独りよがりの議論を行われていることを私は本当に残念に思い、また怒りを感ずる時があるのでございます。今日の四十周年のこの機会に、皆様方深くこの四十年のお互いの努力を噛みしめて、これからの子どもの幸せと保育の進歩には皆様の四十年間の努力なくしてはあり得ないということを再認識いたしたいと思います。全国的に子どもの数が減っていることは事実です。しかし、そうであればあるほど、一人ひとりの子どもをしっかり育てなければならない。ただ単なる数合わせで幼稚園の方は人が減ってきた、保育の需要は増えてきた、そこで保育の原点を忘れて余っているマンパワーを使わせようとか、あるいは場所を提供しようとか、それだけの議論で我が国の保育が救われるわけはないのであります。私は、今までの議員活動の中で保育士の国家資格を作るための法案の提案者であったということも今誇りに思っておりますが、この機会に皆さん、我々がこの国を救うんだ、日本の子ども達を幸せにするのは我々の努力なんだということをもういっぺん確認して、素晴らしい四十周年の大会にしていただきたいと思います。がんばりましょう。」
 
脇屋氏(左)の講演と調理
 
 
被表彰者の皆さん
 
 
阿部外務副大臣の発声で乾杯
 
 
橋本保育議連会長
 
 このあと自由民主党組織本部長代理の南野知惠子参議院議員が来賓挨拶を行った。
 つづいて、保育事業功労者に対する厚生労働大臣表彰式に移り、森英介厚生労働副大臣が挨拶を行ったあと、被表彰者を代表して千葉県の吉野初恵さんに表彰状と記念品が森副大臣から手渡され、岩手県の渡邉英雄さんが謝辞を述べた。今回は二四八人が表彰を受けた(本誌十一月号に名簿)。
 次に、毎年実施している永年勤続保育者表彰式が行われ、斎藤十朗日本保育協会会長から被表彰者代表神奈川県の小池カヅヱさんに表彰状と記念品が渡された。表彰を受けたのは保育所長一二五人、保育士・調理員等が五〇九人、合計六三四人。
 このあと、創立四十周年記念永年勤続保育所長表彰が行われ、八六人を代表して静岡県の青野溥芳さんに、創立四十周年記念感謝状一四七人を代表して、東京都の山城清子さんに渡された。
 ここで、出席した来賓が紹介された。
〈参議院・本人〉
 岩城光英、山内俊夫、三浦一水、木村仁、小斉平敏文。
〈厚生労働省〉
 伍藤忠春雇用均等・児童家庭局長、中村吉夫総務課長、唐澤剛保育課長。
 保育関係団体からは、佐藤全国保育協議会会長、武内全国保育士会会長、西村全国私立保育園連盟前会長。







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