図3. 家族類型別一般世帯数の推移(1980〜2025年)
4. 世帯主が65歳以上または75歳以上の世帯の見通し(表2、表3、表4、図4)
(1)世帯主が65歳以上または75歳以上の一般世帯総数の見通し
表2および図4に示したように、世帯主年齢が65歳以上の一般世帯の総数は、2000年の1,114万世帯から2025年には1,843万世帯へと1.65倍に増加することになり、この間の総世帯数の増加(1.06倍)、65歳以上人口の増加(1.58倍)をいずれも上回る。この傾向は、世帯主年齢が75歳以上の世帯ではさらに強く、2000年から2025年の人口の増加が2.25倍であるのに対し、同期間の世帯主75歳以上の世帯数の増加は394万世帯から1,039万世帯の2.64倍である。世帯主が65歳以上の世帯の相対的に大きな増加速度のため、世帯主が65歳以上の世帯数が総世帯数に占める割合は、2000年の23.8%から2025年の37.1%へと大幅に上昇する。すなわち、世帯主が65歳以上の世帯の割合は、4世帯に1世帯という現在の水準から、3世帯に1世帯を超える水準になる。世帯主が75歳以上の世帯数が総世帯数に占める割合は、2000年の8.4%から2025年の20.9%へと大幅に上昇する(表3)。すなわち、5世帯に1世帯は世帯主75歳以上の世帯で占められる。また、世帯主が65歳以上の世帯に占める世帯主が75歳以上の世帯の割合も2000年の35.4%から2025年には56.4%へと増大し、世帯の高齢化が一層進むことになる。
(2)世帯主が65歳以上または75歳以上の家族類型別世帯数の見通し
2000年から2025年の世帯主が65歳以上世帯の変化を家族類型別にみると、もっとも増加するのは「単独世帯」の2.24倍(303万世帯→680万世帯)で、次いで「ひとり親と子から成る世帯」の1.87倍(75万世帯→140万世帯)である。「夫婦のみの世帯」は1.58倍(385万世帯→609万世帯)、「夫婦と子から成る世帯」も1.42倍(146万世帯→207万世帯)の増加となると見通される。また、「その他の一般世帯」は1.01倍(204万世帯→206万世帯)の増加で、5つの家族類型の中ではもっとも増加率が小さい。世帯主が75歳以上の世帯については、いずれの家族類型も世帯主が65歳以上の世帯に比して増加率が大きいが、特に「単独世帯」は3.03倍(139万世帯→422万世帯)と顕著な増加をみせている。また、「夫婦と子から成る世帯」も2.99倍(31万世帯→92万世帯)、「ひとり親と子から成る世帯」も2.57倍(32万世帯→83万世帯)と大きく増加する。
世帯主が65歳以上の世帯について、2000年から2025年の家族類型別割合の変化をみると、「単独世帯」は27.2%から36.9%へと一貫して増加する一方、「その他の一般世帯」は18.3%から11.2%へと一貫して低下する。「夫婦のみの世帯」、「夫婦と子から成る世帯」には、目立った変化はなく、それぞれ33〜35%、11〜14%という水準で推移する。世帯主が75歳以上の世帯をみても、「単独世帯」が増加(35.3%→40.6%)、「その他の一般世帯」が減少(18.9%→10.4%)という点では世帯主が65歳以上の世帯と同じ傾向をみせているが、「夫婦のみの世帯」「夫婦と子から成る世帯」(それぞれ29.7%→32.1%、7.8%→8.9%)は割合が上昇し、「ひとり親と子から成る世帯」はさほど変わらない。また、世帯主65歳以上、75歳以上世帯に占める単独世帯+夫婦のみ世帯数割合をみると、2025年にはそれぞれ70.0%、72.7%となり、高齢の独居世帯、夫婦のみ世帯の割合が増加する(表4)。
家族類型別にみても、世帯主が65歳以上の世帯に占める世帯主が75歳以上の世帯の割合はそれぞれ増加の傾向にある。「夫婦と子から成る世帯」では2000年の21.2%から2025年には44.6%と2倍以上になり、「夫婦のみの世帯」では30.4%から54.7%へ、「単独世帯」は45.9%から62.1%、「ひとり親と子の世帯」は43.2%から59.3%へとそれぞれ上昇し、世帯の高齢化がさらに進む。
表2. 世帯主65歳以上・75歳以上の世帯の家族類型別世帯数、割合(2000〜2025年)
年次 |
一般世帯 |
総数 |
単独 |
核家族世帯 |
その他 |
総数 |
夫婦のみ |
夫婦と子 |
ひとり親と子 |
世帯数(1,000世帯) |
世帯主65歳以上 |
2000年 |
11,136 |
3,032 |
6,061 |
3,854 |
1,456 |
750 |
2,043 |
2005年 |
13,376 |
3,861 |
7,447 |
4,695 |
1,831 |
920 |
2,068 |
2010年 |
15,406 |
4,709 |
8,602 |
5,420 |
2,089 |
1,093 |
2,095 |
2015年 |
17,616 |
5,664 |
9,725 |
6,136 |
2,321 |
1,268 |
2,227 |
2020年 |
18,471 |
6,354 |
9,928 |
6,310 |
2,255 |
1,363 |
2,189 |
2025年 |
18,426 |
6,801 |
9,566 |
6,092 |
2,070 |
1,404 |
2,059 |
世帯主75歳以上(再掲) |
2000年 |
3,943 |
1,393 |
1,805 |
1,171 |
309 |
324 |
746 |
2005年 |
5,468 |
1,977 |
2,605 |
1,709 |
476 |
420 |
887 |
2010年 |
6,923 |
2,579 |
3,394 |
2,227 |
636 |
531 |
950 |
2015年 |
8,052 |
3,092 |
4,003 |
2,616 |
755 |
632 |
958 |
2020年 |
9,083 |
3,587 |
4,515 |
2,951 |
836 |
728 |
981 |
2025年 |
10,392 |
4,222 |
5,088 |
3,332 |
923 |
833 |
1,082 |
割合(%) |
世帯主65歳以上 |
2000年 |
100.0 |
27.2 |
54.4 |
34.6 |
13.1 |
6.7 |
18.3 |
2005年 |
100.0 |
28.9 |
55.7 |
35.1 |
13.7 |
6.9 |
15.5 |
2010年 |
100.0 |
30.6 |
55.8 |
35.2 |
13.6 |
7.1 |
13.6 |
2015年 |
100.0 |
32.2 |
55.2 |
34.8 |
13.2 |
7.2 |
12.6 |
2020年 |
100.0 |
34.4 |
53.8 |
34.2 |
12.2 |
7.4 |
11.8 |
2025年 |
100.0 |
36.9 |
51.9 |
33.1 |
11.2 |
7.6 |
11.2 |
世帯主75歳以上(再掲) |
2000年 |
100.0 |
35.3 |
45.8 |
29.7 |
7.8 |
8.2 |
18.9 |
2005年 |
100.0 |
36.1 |
47.6 |
31.2 |
8.7 |
7.7 |
16.2 |
2010年 |
100.0 |
37.2 |
49.0 |
32.2 |
9.2 |
7.7 |
13.7 |
2015年 |
100.0 |
38.4 |
49.7 |
32.5 |
9.4 |
7.8 |
11.9 |
2020年 |
100.0 |
39.5 |
49.7 |
32.5 |
9.2 |
8.0 |
10.8 |
2025年 |
100.0 |
40.6 |
49.0 |
32.1 |
8.9 |
8.0 |
10.4 |
|
注:四捨五入のため合計は必ずしも一致しない。
図4. 世帯数65歳以上・75歳以上の世帯の家族類型別世帯数の推移
(2000〜2025年)
表3. 総世帯数に占める世帯主65歳以上、75歳以上世帯の割合
|
世帯主
65歳以上 |
世帯主
75歳以上 |
2000年 |
23.8% |
8.4% |
2005年 |
27.3 |
11.2 |
2010年 |
30.7 |
13.8 |
2015年 |
34.9 |
16.0 |
2020年 |
36.7 |
18.1 |
2025年 |
37.1 |
20.9 |
|
表4. 世帯主65歳以上、75歳以上世帯を占める単独世帯+夫婦のみ世帯の割合
|
世帯主
65歳以上 |
世帯主
75歳以上 |
2000年 |
61.8% |
65.0% |
2005年 |
64.0 |
67.4 |
2010年 |
65.7 |
69.4 |
2015年 |
67.0 |
70.9 |
2020年 |
68.6 |
72.0 |
2025年 |
70.0 |
72.7 |
|
5. 欧米諸国との比較(表5)
表5は、日本の現在及び将来の世帯の特性を、現在の欧米諸国と比較したものである。2000年の日本の平均世帯規模2.67人は、アメリカ・カナダと同程度で、北欧・西欧より高い。日本の平均世帯人員は2025年には2.37人まで低下すると予想される。これは2000年時点の北欧・西欧諸国の平均的な水準で、フランスとほぼ等しい。世帯の縮小は続くものの、25年経った時点でも現在の北欧やドイツの平均世帯人員ほどには小さくならないと考えられる。
日本の単独世帯割合は2000年に27.6%、スペイン、アメリカ、カナダに近い水準である。これが2025年には34.6%まで上昇するが、やはり現在の北欧やドイツほどには高くならないものと予想される。
表5. 平均世帯人員と単独世帯割合の国際比較
国 |
(年次) |
平均世帯人員(人) |
単独世帯割合(%) |
ノルウェー |
(2001年) |
2.3 |
38 |
フィンランド |
(2000年) |
2.2 |
37 |
イギリス |
(2001年) |
2.3 |
31 |
フランス |
(1999年) |
2.4 |
31 |
ドイツ |
(2000年) |
2.1 |
36 |
オーストリア |
(2000年) |
2.4 |
31 |
オランダ |
(2000年) |
2.3 |
33 |
スペイン |
(2001年) |
3.1 |
29 |
クロアチア |
(2001年) |
3.0 |
21 |
アメリカ |
(2000年) |
2.6 |
26 |
カナダ |
(2001年) |
2.6 |
26 |
日本 |
(2000年) |
2.7 |
28 |
日本 |
(2025年) |
2.4 |
35 |
|
資料:
Statistics Finland
Institut national de la statistique et des études
économiques
Federal Statistical Office, Germany
Instituto Nacional de Estadística
US Department of Commerce, Statistical Abstract of the United States 2001,
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