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保育界(平成15年11月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


―速報―
――日保協速報15・9・12――
第三次構造改革特区(保育所関連)について
 構造改革特区第三次構想には「調理室の必置規制の撤廃」や「保育所と幼稚園の共用化」等の提案が寄せられていましたが、厚生労働省では、保育所に関連する対応を以下の通り決定し、九月十二日に公表しました。
 この中で「調理室の必置規制の撤廃」については、調理室は子どもの健やかな育成のために不可欠であることから認められませんでしたが、公立保育所の運営合理化の観点から、調理室は必置とした上で、特区において公立保育所に限り、給食の外部搬入を認める方針が示されました。
 
保育所に係る構造改革特区第三次提案について
 構造改革特区に関する地方公共団体等からの第三次提案については、平成十五年六月三〇日に締め切られ、保育所関係については調理室の必置規制の撤廃等約三〇件の提案が寄せられたところ。
 厚生労働省としては、調理室の必置は維持した上で、次により対応する。
 
1 調理室について
 公立保育所についてその運営の合理化を進める一環として、保育所(公立保育所に限る。)における調理業務に関し、次の条件を満たす場合に限り、特区に限って外部搬入を認める。
【条件】
(1)調理室は必置。外部搬入を受ける保育所においては、保存、配膳及び加熱や食物アレルギー及び体調不調児等の対応に支障が生じないようにするため、調理室として一定の調理機能を有する設備を設けることとする。
(2)外部搬入を行う場合であっても、児童の食事の内容・回数・時機に適切に応じることができること。
(3)社会福祉施設において外部搬入を行う場合の衛生基準に従うとともに、衛生面では保健所との協力の下に行うこと。また、現行の調理業務の委託・受託に係る基準を遵守すること。
(4)必要な栄養素量を給与するとともに、食を通じた子どもの健やかな育成を(食育)を図る観点から、食育プログラムに基づき食事を提供すること。
 
2 保育所と幼稚園の施設の共用化について
 乳幼児の数が減少等している地域において、保育所と幼稚園の施設の共用化による連携の強化をさらに進めるため、下記の条件の下に、特区において、保育所と幼稚園の共用化施設において保育室を共用化し、当該保育室で合同保育することを認めることとする。
※ 幼稚園における合同保育は第一次提案において、保育所における合同保育は第二次提案において、既に対応済み。
【条件】
(1)共用する保育室は、幼児(保育所児及び幼稚園児)数の合計により児童福祉施設最低基準を満たすこととすること。
(2)共用する保育室において幼児の保育に直接従事する職員は、保育士資格及び幼稚園教諭資格を併有し、保育士及び幼稚園教諭を兼務していること。
(3)保育・教育内容は、保育所保育指針及び幼稚園教育要領に沿ったものであること。
 
3 不動産の貸与を受けて設置する保育所の認可について(全国的に対応)
 待機児童の解消等のため、緊急に保育所の整備が必要となる地域について、都市部等土地の取得が極めて困難な地域以外の地域であっても、新設の社会福祉法人が保育所を設置する場合、国又は地方公共団体以外の者から土地の貸与を受けることを認める。
 
〔参考〕
構造改革特区の第3次提案に対する政府の対応方針
平成15年9月12日
構造改革特別区域推進本部
 
 本年6月1日から30日まで実施した構造改革特区に係る第3次提案の募集に対しては、280件の提案が地方公共団体や民間事業者等から寄せられた。構造改革特別区域基本方針(平成15年1月24日閣議決定。以下「基本方針」という。)において、「特区の推進に当たっては、定期的に地方公共団体や民間事業者等から提案を受付け、それらの提案について「実現するためにはどうすればいいか。」という方向で検討を行い、別表1を追加・充実していくものとする。」とされていることを踏まえ、政府においてそれぞれの提案における規制改革要望について検討を行い、以下のような対応方針をとることとする。
 
1. 新たに特区において講じることが可能となる規制の特例措置
 検討の結果、新たに特区において講じることが可能となる規制の特例措置は、別表1のとおりである。
 
〔今後の対応方針〕
(1)別表1のうち法律改正が必要な事項については、構造改革特別区域法の改正法案として、国会が年内に開催される場合には原則としてその国会に提出するよう準備する。
 
(2)別表1に掲げられた規制の特例措置については、「規制の特例措置の内容」、「同意の要件」及び「特例措置に伴い必要となる手続き」を具体的に検討した上で、来年1月下旬を目途に閣議決定により基本方針の別表1に追加する。
 
(3)基本方針の別表1に掲げられた規制の特例措置を定める政省令、訓令又は通達は、平成16年3月までのできる限り早い時期に公布し、平成16年4月1日までに施行するものとする。なお、規制所管省庁においては、別表1に掲げられた規制の特例措置を定める法律、政省令、訓令又は通達(以下「法令等」という。)の案を作成するに当たっては、別表1及び基本方針の別表1に即して作成するとともに、内閣官房と所要の調整を行うものとする。
 
(4)別表1に掲げられた規制の特例措置は、原則として平成16年4月1日からの構造改革特別区域計画の認定申請において、構造改革特別区域計画に記載できる規制の特例措置の対象とする。
 
2. 全国において実施する規制改革事項
 検討の結果、構造改革特区として区域を限定するのではなく、全国において実施することが時期、内容ともに明確な規制改革事項は、別表2のとおりである。
 
〔今後の対応方針〕
(1)別表2に掲げられた規制改革事項については、上記の基本方針の別表1の追加の閣議決定において、基本方針の別表2に追加する。
 
(2)別表2に掲げられた規制改革事項について、年末の総合規制改革会議の答申に向けた検討における対象とする。
 
(3)内閣官房は、総合規制改革会議と連携して、その実施状況のフォローアップを行う。
 
(4)別表2に掲げられた規制改革事項を実施するために法令等の改正等を行った場合は、規制所管省庁はすみやかに内閣官房及び内閣府にその旨を報告する。
 
3. その他
 地方公共団体や民間事業者等から提案を受けた規制改革事項のうち、今回対象とはならなかったものについては、すべてが構造改革特別区域で講じられる規制の特例措置として馴染まないものとして整理をしたものではない。今後、地方公共団体や民間事業者等のさらなる提案も受けながら、必要に応じて「実現するためにはどうすればいいか。」という方向で、総合規制改革会議等の意見を聴きつつ、検討を深めていくものとする。
 
写真:あおば保育園
 
◎去る十月二三日に日本保育協会四十周年記念事業として、永年勤続保育者表彰、永年勤続保育所長表彰、感謝状の贈呈が行われた。本部関係(退職者)については次の方々に贈られた。
藤本勝巳(前常務理事)
落合進(元事務局長)
坂茂(元事務局長・理事)
高畠輝(元電話相談員)
◎厚生労働大臣表彰被表彰者名簿については、本誌(今月号)に掲載したとおり。去る十月二三日の四〇周年記念の式典の中で表彰式が行われた。
 
別表1 構造改革特区において実施することができる特例措置(第3次提案追加分)
厚生労働省関係(保育所)事項抜粋
注)「市町村」には、特別区を含む。
番号 事項名 規制の根拠法令等 規制の特例措置の概要 所管省庁
920 公立保育所における給食の外部搬入方式の容認 保育所における調理業務の委託について
(平成10年2月18日児発第86号)
公立保育所についてその運営の合理化を進める等の観点から、次の要件に該当する場合、公立保育所における給食の外部搬入を認める。
(1)調理室として保存、配膳等のために必要な調理機能を有する設備を設けること
(2)児童の食事の内容・回数・時機に適切に応じることができること
(3)社会福祉施設において外部搬入を行う場合の衛生基準に従うとともに、衛生面では保健所との協力の下に行い、また、現行の調理業務の委託・受託に係る基準を遵守すること
(4)必要な栄養素量を給与するとともに、食育を図る観点から、食育プログラムに基づき食事を提供すること
厚生労働省
921 幼稚園と保育所の保育室の共用化の特例 「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針について」
(平成10年3月10日文初幼第476号・児発第130号)
共用化指針に基づき設置された施設において、幼稚園児・保育所児が合同活動を行う保育室について、次の要件に該当する場合、幼稚園と保育所の保育室を共用することを認める。
(1)幼児(幼稚園児・保育所児)数の合計により児童福祉施設最低基準(面積・職員配置)を満たしていること
(2)幼稚園における幼稚園児と保育所児等の合同活動の特例(幼稚園設置基準第5条第1項の専任規定の特例)の認定を受けること
(3)職員は、幼稚園教諭免許と保育士資格を併有し、幼稚園教諭及び保育士を兼務していること
(4)合同活動の内容は、幼稚園教育要領と保育所保育指針に沿ったものであること
(5)当該保育室は合同活動を行う幼稚園児及び保育所児それぞれの定員数で按分して管理すること
文部科学省厚生労働省
954 地域子育て支援センター事業のNPO法人への委託の容認 特別保育事業の実施について
(平成12年3月29日児発第247号)
現行では、保育所等の児童福祉施設又は医療施設を経営する者に限定されている地域子育て支援センター事業の委託先を、子どもの健全育成を図る活動を主たる活動事業とし、かつ市町村が適当と認めNPO法人にも認める。 平成16年4月
955 新設の社会福祉法人が土地の貸与を受けて保育所を設置することの容認 不動産の貸与を受けて設置する保育所の認可について
(平成12年3月30日児発第297号)
待機児童の解消等のため、緊急に保育所の整備が求められている地域においては、都市部等土地の取得が極めて困難な地域以外の地域であっても、次の要件に該当する場合、新設の社会福祉法人が保育所を設置する際、国又は地方公共団体以外の者から土地の貸与を受けることを容認する。
(1)保育所を経営する事業の存続に必要な期間の地上権又は賃借権を設定し、かつ、登記すること
(2)賃借料の水準は、無料又は極力低額であることが望ましく、また、法人が当該賃借料を長期間にわたって安定的に支払う能力があると認められること
平成16年度中
 
「年金制度改正に関する意見」より
〈抜粋〉平成十五年九月十二日
社会保障審議会年金部会
III、次期制度改正における個別論点についての考え方
4、多様な働き方への対応・次世代育成支援
(4)次世代育成支援
○世代間扶養を基本とする年金制度は、少子化の影響を大きく受けるものであり、制度を持続可能なものとして安定的に維持していくためには、次世代育成支援は本質的に重要な課題である。このため、年金制度においても次世代育成支援施策に取り組んでいくべきであるが、その場合、まず、出産・育児のために年金制度において不利になっている状況を解決することを基本とすべきである。
○次世代育成支援施策として年金制度において考えられる具体的な方策としては、現行の育児休業中の保険料免除期間の延長、勤務時間の短縮等の措置を受けながら就業を継続する者の年金保障が不利にならないよう育児期間前の標準報酬で保険料納付が行われたものとして扱うなどの配慮がある。さらに、出産等に伴い離職した後再就職した場合の何らかの配慮、育児期間中の第一号被保険者の保険料負担への配慮措置なども必要との意見があった。
○一方、公的年金制度の財源を制度本来の趣旨と異なる目的に流用すべきではないとの慎重な意見もある。
 
 
 
福祉雑感
 最近の国の福祉制度改革の動向はこれまで積み上げてきた日本の福祉制度を根幹から変えようとするほど厳しいものである。
 特に保育所問題等については国会冒頭の代表質問に取り上げられ、それに内閣総理大臣がこれまでの制度を守るのではなく、幼保一元化を推進させていくとの答弁がされたので、現内閣が続く限り改革が進められることになると覚悟しなければならない。最近は福祉施策が国の政権構想の大きな柱になっており、これまでと比較すれば隔世の感がある。国が進めようとしている福祉改革は全体的に見て財政問題や効率化が優先されすぎ、福祉の視点が欠けているように思えてならない。
 また、福祉の政策決定する委員会の構成員に福祉の環境関係者が入ってないことも改革の内容が厳しくなっている要因の一つである。
 しかし、時の政権が福祉改革を政策の柱として進めている以上、反対だけを言っていても守り通せるものでもないし、既得権擁護と思われ、逆に過激な改革になってしまう。
 我々福祉関係者は何を守り、何を譲るのか真剣に検討する時期にきている。その時大切なことは、利用者や国民の立場に立って検討をし、理論武装すべきである。
 現在保育制度改革で提言されている主なものは
(1)待機児の解消
(2)直接契約(バウチャー制の導入)
(3)保育が欠ける要件をなくす
(4)幼保一元化
(5)保育所運営費の一般財源化
(6)少子化対策
であり、また、子どもをとりまく状況としては
(1)共働きに家庭の一般化
(2)出生数の減少
(3)子どもの子育て環境の変化
(4)女性の雇用形態の多様化
(5)家庭における養育機能の低下等
が大きな課題である。
 児童福祉の視点からみれば、子どもの置かれている環境が最善のものであり、健全育成を阻害するものであってはならない。
 そうならないように最善の努力をすることが次代を担う子どもたちのために現在の大人が果たす責務であり、その上に立って効率化を考えていくことが改革の基本であると思う。
 日本の福祉制度を考えた時、今一番心配しているのが地方分権の名の下で行われようとしている三位一体改革である。
 聞こえは良いが具体的に言えば、国の補助金をカットして小さな政府をつくり、福祉は地方自治体の独自財源で賄うというものである。日本の福祉制度は補助金制度の下で構築されてきたので、それがなくなれば福祉制度が大きく変わることは当然である。
 補助金はそのお金の性格から目的外には使えないので、必ず福祉に使われる仕組みになってこれまで発展してきたのである。
 改革が進めば削減部分が独自財源とイコールになるのか、又、新たな税収において都道府県格差が生じないのか、また、国の財政も厳しいが地方自治体はもっと苦しいので増えた自己財源は福祉に使われないのではないか、それで本当に福祉の水準が維持できるのか不安である。
 地方分権は大きな政治の流れとなっているので、それを止めることは出来ないが、しかし福祉の切り捨てにならないような制度上の配慮が必要であると思う。我々福祉関係者は、そのための努力が今こそ求められる。
(夢井仁・フリーライター)T







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