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厚生労働省広報室・発
 ☆今年は九月に入ってからも暑い日が続いて、梅雨明けも遅かったし何だか季節が後ろ倒しになったような妙な気候となっていますが、それでも予算の概算要求も終わり、人事異動もあって、仕事のカレンダーの方は暦どおりに進んでいるようです。自民党総裁選挙、内閣改造、総選挙、というあたりが不透明ですが、それもこの稿が活字になる頃にはかなりはっきりしていることでしょう。
 私ども広報室のとなり、厚生労働記者会に常勤している記者さんで旧厚生関係を担当している人たちには、大きく分けて各社の政治部に属している記者さんと社会部に属している記者さんがいます。政治部は医療保険、年金など主に社会保険関係を、社会部は福祉とか医薬品とか食品とかの関係を主に追っているということになっていて、この分担からあるいはご想像がつくかも知れませんが、二十四時間体制でバタバタ、ということになるのは社会部案件であることが多いのです。しかしこのひと月、八月末から九月にかけては政治部の皆さんをお相手にすることの本当に多いひと月でした。理由はひとつ、「年金改革」です。
 ☆来年の年金制度改正に向け、この年末までに政府案をまとめなければならないというスケジュールの中で、九月五日には坂口厚生労働大臣の試案が、また、九月十二日には社会保障審議会年金部会の意見書がとりまとめられました。九月五日の大臣試案発表の際の記者会見では、集まる記者の数が多く、会見室の椅子のレイアウトをいつもと変更し、沢山の椅子を持ち込んで対応しました。こんなことは厚生労働省が発足して以来なかったことで、この問題に対する関心の高さがわかります。
 年金制度というのは世代を越えて続く極めて長期の制度ですし、費用負担や給付の額についても、制度全体について、あるいは個々人のケースについて、計算方式が精緻にできていてなかなかわかりずらいところが多いのですが、しかしその基本のところは国民各層に広く理解をしていただき、今後の制度のあり方を選択していただくということがどうしても必要です。特に、個々人にとって計算上損になるか得になるかということだけでなく、そのことは踏まえた上で、社会的な財産としてこの制度をどう維持し、あるいは変えてゆくのかという視点を持つことが必要だと思います。高齢化と共にこの制度によって動くお金がとても大きなものとなっているだけに、これをどう変えるかによってもたらされる影響も大変大きいのです。
 ☆前置きが長くなってしまいましたが、と言う訳で、月刊「厚生労働」十月号の特集は年金改革です。改革案とりまとめの途中段階ではありますが、社会保障審議会年金部会の意見書と坂口大臣試案を中心に、来年の年金改革に向けた議論をできるだけわかり易くご紹介したいと考えています。ぜひお読みいただき、ご参考にしていただきたいと思います。
 ☆恒例のインタヴューは山崎章郎さん。「病院で死ぬということ」という本で話題をさらってから十二年、その間ずっと、わが国のホスピス医療、ターミナルケアの分野の第一線に身を置き続けている方です。今回はその現場、東京小金井市の「聖ヨハネホスピス」にある山崎さんの研究所におうかがいし、ホスピスに取り組むこととなったきっかけからホスピスケアのあり方、高齢者医療・介護との接点、これからのお仕事など幅広いお話をうかがうことができました。ここ数か月のこの欄に比べるとちょっと辛口、と言うか、われわれの仕事にも結びついてくる話になっています。とは言っても、お人柄でしょうか、とても平易な、本当の意味での良いお話でした。どうぞご期待下さい。
(厚生労働省 大臣官房広報室長 樽見英樹)
 
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次世代育成支援対策推進法及び児童福祉法の一部を改正する法律について
(厚生労働省発雇児第〇七一六〇〇一号 平成十五年七月十六日 各都道府県知事宛 厚生労働事務次官)
 政府においては、これまでも中長期的に進めるべき総合的な少子化対策の指針である「少子化対策推進基本方針」(平成十一年十二月十七日少子化対策推進関係閣僚会議決定)、「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について(新エンゼルプラン)」(平成十一年十二月十九日大蔵・文部・厚生・労働・建設・自治六大臣合意)、「仕事と子育ての両立支援策の方針について」(平成十三年七月六日閣議決定)に基づく「待機児童ゼロ作戦」等により、子育てと仕事の両立支援を中心として、子どもを生み育てやすいようにするための環境整備に力点を置いて、様々な対策を実施してきたところである。
 しかしながら、平成十四年一月に発表された「日本の将来推計人口」によれば、従来、少子化の主たる要因であった晩婚化に加え、「夫婦の出生力そのものの低下」という新しい現象が見られ、現状のままでは、少子化は今後一層進行すると予想されている。
 急速な少子化の進行は、今後、我が国の社会経済全体に極めて深刻な影響を与えるものであることから、少子化の流れを変えるため、改めて国・地方公共団体・企業等が一体となって、従来の取組に加え、もう一段の対策を進める必要がある。
 こうした観点から、平成十四年九月には、厚生労働省において「少子化対策プラスワン」を取りまとめ、保育に関する施策など「子育てと仕事の両立支援」が中心であった従来の取組に加え、「男性を含めた働き方の見直し」、「地域における子育て支援」、「社会保障における次世代支援」、「子どもの社会性の向上や自立の促進」という四つの柱に沿って、総合的な取組を推進することとした。
 また、これを踏まえ、平成十五年三月には、少子化対策推進関係閣僚会議において、政府における「次世代育成支援に関する当面の取組方針」を取りまとめるとともに、地方公共団体及び企業における十年間の集中的・計画的な取組を促進するための「次世代育成支援対策推進法案」及び地域における子育て支援の強化を図るための「児童福祉法の一部を改正する法律案」を国会に提出していたところである。
 本日、それぞれ法律第一二〇号及び法律第一二一号として公布されたところであり、これらの法律の主たる内容は下記のとおりであるので、御了知の上、管内の市町村、関係機関等に周知を図るとともに、その施行に万全を期されたい。
 以上、命によって通知する。
 
第1 次世代育成支援対策推進法関係
1 目的(第一条関係)
 この法律は、我が国における急速な少子化の進行等にかんがみ、次世代育成支援対策に関し、基本理念を定め、関係者の責務を明らかにするとともに、行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主の行動計画の策定等を定めることにより、次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進し、もって次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される社会の形成に資することを目的とすることとしたこと。
2 定義(第二条関係)
 この法律において「次世代育成支援対策」とは、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備のための国若しくは地方公共団体が講じる施策又は事業主が行う雇用環境の整備その他の取組をいうこととしたこと。
3 基本理念(第三条関係)
 次世代育成支援対策は、父母その他の保護者が子育てについて第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行われなければならないこととしたこと。
4 関係者の責務(第四条から第六条まで関係)
 国及び地方公共団体、事業主並びに国民の責務を定めることとしたこと。
5 行動計画策定指針(第七条関係)
(1)主務大臣は、基本理念にのっとり、6の市町村行動計画、7の都道府県行動計画、8の一般事業主行動計画及び11の特定事業主行動計画の策定に関する指針(以下「行動計画策定指針」という。)を定めなければならないこととしたこと。
(2)主務大臣、少子化の動向等を勘案して必要があると認めるときは、速やかに行動計画策定指針を変更するものとすること等としたこと。
6 市町村行動計画(第八条関係)
(1)市町村は、行動計画策定指針に即して、五年ごとに、地域における子育ての支援、母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備、子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保、職業生活と家庭生活との両立の推進その他の次世代育成支援対策の実施に関する計画(以下「市町村行動計画」という。)を策定することとしたこと。
(2)市町村行動計画においては、達成しようとする目標及び次世代育成支援対策の内容等を定めることとしたこと。
7 都道府県行動計画(第九条関係)
(1)都道府県は、行動計画策定指針に即して、五年ごとに、地域における子育ての支援、母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進、子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備、子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保、職業生活と家庭生活との両立の推進その他の次世代育成支援対策の実施に関する計画(以下「都道府県行動計画」という。)を策定することとしたこと。
(2)都道府県行動計画においては、達成しようとする目標、次世代育成支援対策の内容及びその実施時期並びに市町村を支援するための措置の内容等を定めることとしたこと。
8 一般事業主行動計画(第十二条関係)
(1)国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって、常時雇用する労働者の数が三〇〇人を超えるものは、行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画(一般事業主が実施する次世代育成支援対策に関する計画をいう。以下同じ。)を策定し、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならないこととしたこと。
(2)一般事業主行動計画においては、計画期間、達成しようとする目標及び次世代育成支援対策の内容等を定めることとしたこと。
(3)一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が三〇〇人以下のもの(10の(1)及び(2)において「中小事業主」という。)は、行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画を策定し、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出るよう努めなければならないこととしたこと。
9 基準に適合する一般事業主の認定等(第十三条及び第十四条まで関係)
(1)厚生労働大臣は、一般事業主行動計画に係る届出をした一般事業主からの申請に基づき、当該事業主について、雇用環境の整備に関し、厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができることとしたこと。
(2)(1)の認定を受けた一般事業主(以下「認定一般事業主」という。)は、広告等に厚生労働大臣の定める表示を付することができることとし、何人もこの場合を除くほか、広告等に当該表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならないこととしたこと。
10 委託募集の特例等(第十六条関係)
(1)中小事業主が、人材確保に関する相談及び援助を行うものとして、厚生労働大臣が承認した事業協同組合等(以下「承認中小事業主団体」という。)をして次世代育成支援対策を推進するための措置の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとする場合において、職業安定法(昭和二二年法律第一四一号)第三六条第一項及び第三項の規定は、適用しないこととしたこと。
(2)承認中小事業主団体は、当該募集に従事しようとするときは、募集時期等の労働者の募集に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならないこととしたこと。
11 特定事業主行動計画(第十九条関係)
(1)国及び地方公共団体の機関等で政令で定めるもの(以下「特定事業主」という。)は、政令で定めるところにより、行動計画策定指針に即して、特定事業主行動計画(特定事業主が実施する次世代育成支援対策に関する計画をいう。以下同じ。)を策定することとしたこと。
(2)特定事業主行動計画においては、計画期間、達成しようとする目標及び次世代育成支援対策の内容等を定めることとしたこと。
(3)特定事業主は、特定事業主行動計画を策定し、又は変更したときは、これを公表しなければならないこととしたこと。
12 次世代育成支援対策推進センター(第二〇条関係)
(1)厚生労働大臣は、一般事業主の団体等であって、一般事業主行動計画の策定及び実施に関し、一般事業主等に対し、雇用環境の整備に関する相談等を行うことができると認めるものを次世代育成支援対策推進センター(以下「センター」という。)として指定することができることとしたこと。
(2)センターの役職員等は、センターの業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないこととしたこと。
13 次世代育成支援対策地域協議会(第二一条関係)
 次世代育成支援対策の推進を図るための活動を行う者は、次世代育成支援対策地域協議会を組織することができることとしたこと。
14 その他(第二二条から第二七条まで関係)
(1)この法律における主務大臣を定めることとしたこと。
(2)罰則について必要な規定を整備することとしたこと。
(3)その他必要な規定を整備することとしたこと。
15 施行期日等(附則第一条から第三条まで関係)
(1)施行期日
 この法律は、公布の日から施行すること。ただし、5は公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から、6から11までは平成十七年四月一日から施行することとしたこと。
(2)この法律の失効日
イ この法律は、平成二七年三月三一日限り、その効力を失うこととしたこと。
ロ この法律の失効に伴い、必要な経過措置を定めることとしたこと。
 
第2 児童福祉法の一部を改正する法律関係
 
1 改正の趣旨
 我が国における急速な少子化の進行等を踏まえ、すべての子育て家庭における児童の養育を支援するため、市町村における子育て支援事業の実施、市町村保育計画の作成等に関する規定を整備する等の措置を講ずることにより、地域における子育て支援の強化を図ることとしたこと。
2 市町村における子育て支援事業の実施等
(1)市町村は、児童の健全な育成に資するため、その区域内において、放課後児童健全育成事業及び子育て短期支援事業並びに次に掲げる事業であって主務省令で定めるもの(以下「子育て支援事業」という。)が着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努めることとしたこと。(第二一条の二七関係)
イ 児童及びその保護者等の居宅において保護者の児童の養育を支援する事業
ロ 保育所等において保護者の児童の養育を支援する事業
ハ 地域の児童の養育に関する各般の問題につき、保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行う事業
(2)市町村は、子育て支援事業に関し必要な情報の提供を行い、保護者から求めがあったときは、当該保護者の希望等を勘案し、当該保護者が最も適切な子育て支援事業の利用ができるよう、相談に応じ、必要な助言を行うとともに、必要に応じて、子育て支援事業の利用についてあっせん又は調整を行い、子育て支援事業を行う者に対し、当該保護者の利用の要請を行うこととしたこと。(第二一条の二九第一項及び第二項関係)
(3)市町村は、(2)の情報提供、相談及び助言並びにあっせん、調整及び要請の事務を当該市町村以外の者に委託することができることとしたこと。(第二一条の二九第三項関係)
(4)(3)の調整等の事務に従事する者等は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないこととしたこと。(第二一条の三〇関係)
3 市町村保育計画の作成等
(1)保育の実施への需要が増大している市町村(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下「特定市町村」という。)は、保育の実施の事業及び主務省令で定める子育て支援事業その他児童の保育に関する事業であって特定市町村が必要と認めるものの供給体制の確保に関する計画を定めることとしたこと。(第五六条の八第一項関係)
(2)保育の実施への需要が増大している都道府県(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下「特定都道府県」という。)は、市町村保育計画の達成その他の市町村における保育の実施の事業及び主務省令で定める子育て支援事業その他児童の保育に関する事業であって特定都道府県が必要と認めるものの供給体制の確保に資するため、当該供給体制の確保に関する計画を定めることとしたこと。(第五六条の九第一項関係)
4 その他
(1)都道府県児童福祉審議会の必置規制について、行政処分等に係る事項以外の児童等の福祉に関する事項については任意に調査審議することができるように緩和することとしたこと。(第八条第一項及び第二項関係)
(2)乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設の長は、地域の住民に対して、児童の養育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めることとしたこと。(第四八条の二関係)
(3)2の(1)及び3における主務省令等を定めることとしたこと。(第五九条の七関係)
(4)罰則について必要な規定の整備を行うこととしたこと。(第六〇条から第六二条まで関係)
(5)その他所要の規定の整備を行うこととしたこと。
5 施行期日等
(1)この法律は、平成十七年四月一日から施行すること。ただし、4の(1)に関する事項は、平成十六年四月一日から施行することとしたこと。(附則第一条関係)
(2)その他関係法律について所要の規定の整備を行うこととしたこと。
 
次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画について
(厚生労働省雇児発第〇八〇八〇〇一号 平成十五年八月八日 各都道府県知事宛((人事担当課、市町村担当課及び区政課扱い)) 各指定都市市長宛((人事担当課扱い)) 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)
 次世代育成支援対策推進法(平成十五年法律第一二〇号。以下「法」という。)が平成十五年七月十六日に、次世代育成支援対策推進法施行令(平成十五年政令第三七二号。以下「令」という。)が平成十五年八月八日にそれぞれ公布され、次世代育成支援対策推進法のうち特定事業主行動計画部分が平成十七年四月一日から施行されることとなりました。
 つきましては、特定事業主行動計画に関し、当面必要な事項について、下記のとおり通知します。
 また、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知願います。
 
第1 法の目的について(法第一条関係)
 
 我が国における急速な少子化の進行等にかんがみ、次世代育成支援対策に関し、基本理念を定め、関係者の責務を明らかにするとともに、行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主の行動計画の策定等を定めることにより、次世代育成支援対策を迅速にかつ重点的に推進し、もって次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される社会の形成に資することを目的とされている。
 
第2 行動計画策定指針について(法第七条関係)
 
(1)主務大臣は、基本理念にのっとり、市町村行動計画、都道府県行動計画、一般事業主行動計画及び特定事業主行動計画の策定に関する指針(以下「行動計画策定指針」という。)を定めなければならないとされている。
(2)この行動計画策定指針については、今月中に告示することとしており、告示後、速やかに通知することとする。
 
第3 特定事業主行動計画について(法第十九条関係)
 
(1)国及び地方公共団体の機関等で政令で定めるもの(以下「特定事業主」という。)は、政令で定めるところにより、行動計画策定指針に即して、特定事業主行動計画(特定事業主が実施する次世代育成支援対策に関する計画をいう。以下同じ。)を策定するものとされている。
(2)特定事業主行動計画においては、計画期間、達成しようとする目標及び次世代育成支援対策の内容等を定めるものとされている。
(3)特定事業主は、特定事業行動計画を策定し、又は変更したときは、これを公表しなければならないこととされている。
 
第4 特定事業主について(令関係)
 
 特定事業主は、国及び地方公共団体の機関、それらの長又はそれらの職員で政令で定めるものとされており、令においては、
(1)地方公共団体の機関のうち、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三一年法律第一六二号)及び警察法(昭和二九年法律第一六二号)により職種に応じた特別な身分取扱いに関する制度が定められている教育関係職員及び警察職員については、その特殊性にかんがみ、特定事業主は以下の表のとおりとされている。
 
地方公共団体の教育委員会 地方公共団体の教育委員会が任命する職員(都道府県の教育委員会については地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第37条第1項に規定する県費負担教職員(以下この欄において「県費負担教職員」という。)を除き、市町村の教育委員会については県費負担教職員を含む。)
警視総監及び都道府県警察本部長 都道府県警察の職員注)
注)警察法第56条第1項に規定する「地方警務官」を含むものである。
 
(2)(1)に規定するもののほか、法の特定事業主行動計画を策定することとなる地方公共団体の機関、その長又は職員を当該地方公共団体の規則で定めるものとし、それぞれ当該地方公共団体の規則で定める職員についての特定事業主行動計画を策定するものとされている。
 この地方公共団体の規則について所要の措置を講じられるに当たっては、別添「次世代育成支援対策推進法の特定事業主等を定める規則(例)」(略)を参考とされるようお願いする。
 なお、「次世代育成支援対策推進法の特定事業主等を定める規則(例)」においては、特定事業主行動計画が、育児休業の承認や官署を異にする異動の場合の人事上の配慮といった任命権に関わることや、超過勤務の縮減といった服務上の配慮といった服務監督に関わることを盛り込むこととされているため、特定事業主は、地方公務員法(昭和二五年法律第二六一号)第六条において任命権者とされている者とし、任命権者がその任命する職員についての特定事業主行動計画を策定することとしているものである。
 また、法、令及び規則においては、それぞれの特定事業主が特定事業主行動計画を策定することを規定しているものであることから、それぞれ各地方公共団体の実情に応じて、連名で特定事業主行動計画を策定することは、差し支えないものである。
 
第5 その他
(1)特定事業主行動計画については、別紙(略)のとおり、特定事業主行動計画関係省庁等研究会を開催し、検討を進めているところであり、本年末を目途に、モデル計画を含む報告書をとりまとめることとしており、その際には、速やかに通知することとする。
(2)なお、同研究会の報告書をとりまとめ後に、厚生労働省において都道府県の人事課等を対象とした説明会等を開催することを予定しており、その詳細が決定次第、改めて通知することとする。







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