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保育界(平成15年9月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


――シリーズ・保育研究(15)――
気になる親
 十年一昔というが、今や社会の仕組みの複雑化と共に、めまぐるしい生活様式の変化等で五年一昔という感の強い此の頃である。物事の考え方や尺度、子どもへの関わり方も大きく変わった。
 入園式での年長児は、保育園の最年長という自信と期待に満ち溢れ、誇らしげに僕たちの出番とばかりに目を輝かせ、「さすが年長児」とこれからの一年間が楽しみとなったものだった。ここ近年子どもの様子がちょっと違い、集中して話が聞けない。親同士をみても友達づきあいなのか、馴れ合いの雰囲気で緊張感に欠ける。節目の行事として真剣な眼差しは、初体験の親と子だけである。そして、毎日の子どもの送迎からは、子どものかばん持ちをしている祖父母や親。気分が乗らないという顔つきで不機嫌そうな親。告知板の文字を消していても注意しない親・・・。とちょっと気になる光景に、「なぜ?」と首をかしげ不思議な違和感を感じ、ここで立ち止まり気になる親について考えてみたい。
 
心の基地
 かつて年度当初は新入園児の泣き声たるや凄まじいものがあり、不安で保育士のエプロンの裾にしがみつき、鈴なりになって“泣き声”の大合唱だった。また、玄関の鍵を勝手に開け、脱走を企てる子どももいた。傍にいるだけで身を切られる思いにかられたものである。
 しかし、最近は子どもも場慣れしているのか、離れ際だけで、親が見えなくなると、すぐに泣き止み遊び始める。これは、母という基地がしっかり存在していてすぐに泣き止むのでなく、親子の関係が希薄になってきたように思われる。
 
園任せ・人任せ
 年少で入園してくる子の中で、おむつが外れていない子が年々増えている。以前は年少に入る前におむつを外してくることがあたりまえだったように思う。入園の説明会に外れていないと恥ずかしそうに保護者が話しに来て、「いいですよ。無理に外さなくても保育園に入るとすぐに取れますよ。」と応えたものである。
 しかし、近年は年少児の四分の一位の子どもがおむつを当てて入園してくる。おむつが外れないパターンにはいくつか考えられる。一つには身体が小さく、周りから可愛がられ赤ちゃん扱いされている場合。二つには兄弟との年齢差があり、子育ての記憶が薄れ、いつか外れるだろうと少々無関心なのか。三つには母親があまりにも神経質になりすぎてなかなか上手くいかない場合などがある。こうした中で、ある保護者が「三歳児検診のとき相談したら、小児科の先生は保育園に入ったら取ってもらいなさいと言われた」と言う。こうした検診などの際に「お母さんこうしてやってごらん」とアドバイスをしてくれてもいいのでは?
 
叱ること・褒めること
 クラス全体に向けて「みなさん、○○しましょうね」などと保育士が話をしていてもしっかり話が聞けない。話を聞かないから行動に移せない。移せないから好き勝手気ままな行動をとってしまう。間違ったことを叱られていても自分のこととせず、どこ吹く風。注意されても平気な子。家庭の中できちんと叱ることがなされているのだろうか?親自身が思いやりを持ち、子どもの心にきちんと膝を突き合わせ、話を聞ける親であるのか。親の感情・気分しだいで、曖昧な叱り方をしているのではないだろうか。
 褒めても叱っても、心に響いていない子。褒められればうれしい。又やってみよう、頑張ってみようと言う気持ちが持続するものだが、次には続かない。親が心を込めて子どもを褒めている姿を見ることが、随分と少ないように感じる。あまり褒められることがないのだろうか?
 言葉使いがとっても乱暴な子。子ども同士の会話を何気なく聞いていると、友だちを傷つけるような言葉使いをしている。お家の人に対しても、ましてはお迎えに来てくれた祖父母に対しても乱暴な言葉は日常的である。それを祖父母は「そんな悪い言葉を使ってはいけない」と叱らない。孫に嫌われたくないのだろうか。あまりにも聞き捨てならずと注意するのだが・・・。そんな時、親の気持ちを子どもに伝えられたら、子どもなりに感じ取ってくれるのではないのか。テレビ・ビデオなどメディアの影響も大なのだろう。子どもたちが一度は使ってみたくなる言葉が氾濫しているようだ。
 
興味津々
 「そんなのつまんない。」「おもしろくない」興味や関心のないことには「できない」と、苦手なことには興味を持つことを敬遠し、何事にも挑戦しようとしない子。限られた枠の中で遊び、「今楽しければいい。」といった風潮があるように思う。そんな光景が見え隠れすると気持ちが変に通じ合ってしまうのか、子どもたちの間で伝染してしまう。家庭の中で、自由に遊べる環境が与えられ、熱中し遊び込んでいるのだが・・・。
 
気になる光景
 お迎えに来ても、子どもより母親同士の会話が盛り上がり、それが日常になっているので、子どもは親に執着せず、勝手な行動をとっている。ひとしきり話が終わると「何やってんの?帰るよ」と遊びを平気で中断してしまう。子どもを迎えに来たのか、話に来たのか、子どもの心に寄り添えない親。
 お迎えのとき、玄関に入ると携帯電話を耳にあて、子どもが傍に来ても声をかけずに話し込んでいる親。子どもなりに精一杯集団の中で自分を表現している。子どもの顔を見たら、オーバーなボディアクションで「お帰り、待ってたよ。」と抱きしめてくれたなら、どんなにか心響くであろうに・・・。
 
子ども任せ
 降園時玄関から駆け出し、園庭で遊び始めた子どもをじっと待ち、まだ年端もいかぬ子どもに「どうするの?帰るの、帰らないの。」といった具合に聞いて子ども任せにしている親。洋服にこだわり始めタンスの中を覗いては「あの服じゃないと保育園に行かない」とか、季節外れの洋服を着せ「まだ肌寒いのに、この洋服が良いって言うから。」と子どもの言いなりになっている親。一見何か話の分かる親のように思えるが、子どもの我がままを助長したり、子どもを放任しているように思う。子どもは年齢なりに「待つこと」や「我慢すること」を、小さいながらも日々の生活の経験によって、自由に選択できる能力を身に付けられることを認識して欲しいものである。
 
親子は横並び
 子どもが親の名前を呼び捨てにし、友達感覚。夫婦間でも呼び捨てなのだろうか、子どもの前くらいと思うのは古いだろうか。
 夫婦でお迎えに来て、子どもを真ん中にして両手を繋いで帰るうしろ姿はこども中心だった。今や母親が真ん中。子どもは端っこ。まずは夫婦が仲睦まじくなければ家庭が崩壊するので、夫婦中心なのだろうか。時代と共に変わったのか、「川の字になって寝る」「子どものために我慢する」という考え方は、これも古いのか・・・。
 
 世の中ものの見方や考え方が多様化し、価値観が変わっても、子育ての根本は昔も今も変わらないものだと思う。子どもを受入れ無償の愛情を注ぎ、スキンシップによって、親と子どもの絆はしっかりと安定したものになってくる。心の安定が築ければ、そこからやる気と思いやりの心が育まれ、家族の一員として小さな社会が築け、集団の場でも自分を発揮できるだろう。
 必ずしも、すべての母親は子どもが大好きという訳ではない。虐待に繋がりかねない場合もある。だから、この子育てという事業が親にとって楽しいものと少しでも感じられるよう、保育園の立場で支援し、共感できる子育てのパートナーとして“思いやり”の心を持って伝えていきたいと思う。
 私自身のことである。学生時代の恩師の言葉に“保育は人なり”“保育は接触なり”とあった。保育はその人の人間性を表し、人との触れ合いなくして成り立たぬ真剣勝負である。子どもとの距離は遠すぎず近すぎず常に半歩離れ、倒れそうになったときにはいつでも手を差しのべ、受け止められる距離を保つことと保育の精神を話された。もう数十年前のことだが、時折恩師の言葉を思い出す。心に響いた言葉は忘れないものである。いつも胸において保育の指針としている。
(保育内容部会 藤田)
 このシリーズ保育研究についての、ご質問、ご意見がありましたらこちらまでお寄せ下さい。
TEL 029-292-6868
FAX 029-292-3831
Eメール iinuma-n@ans.co.jp
(保育総合研究会事務局)
 
 
 
保育情報ファクシミリサービス
社会福祉法人日本保育協会
 平成15年7月21日から平成15年8月20日までに、新規登録及び登録抹消した保育情報は次のとおりです。ご利用下さい。
 
2 官庁の報告
【情報取出番号=162(プップップッ)#284 03 5485 4282(情報番号)#】
(注)ダイアル回線の場合は162(プップップッ)後、トーンボタン・PCボタン等を押してから#284へ
 
情報番号 情報内容 ページ数
(新規に登録したもの)
25 平成15年給与勧告の骨子(H15,8,8) 6
40 社会連帯による次世代育成支援に向けて―次世代育成支援対策の在り方に関する研究会報告書のポイント― 9
41 社会連帯による次世代育成支援に向けて(H,15,8.7 次世代育成支援施策の在り方に関する研究会) 32
(登録を抹消したもの)
25 平成14年給与勧告の骨子(H14,8,8) 5
 
3 各種調査統計
【情報取出番号=162(プップップッ)#284 03 5485 4283(情報番号)#】
(注)ダイアル回線の場合は162(プップップッ)後、トーンボタン・PCボタン等を押してから#284へ
 
情報番号 情報内容 ページ数
(新規に登録したもの)
46 第12回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要 25
47 平成14年度女性雇用管理基本調査結果概要 「女性の育児休業取得率は上昇(64.4%)」
(H15,7,17 厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課)
16
 
4 保育トピックス等
【情報取出番号=162(プップップッ)#284 03 5485 4284(情報番号)#】
(注)ダイアル回線の場合は162(プップップッ)後、トーンボタン・PCボタン等を押してから#284へ
 
情報番号 情報内容 ページ数
(新規に登録したもの)
39 少子化社会対策基本法案(H15,7,23) 17
40 衆議院予算対策委員会議事録(抄)(H15,7,18) 3
41 社会福祉法人の指導監督に関する行政評価・監視結果に基づく勧告(H15,7月 総務省) 12
 
平成15年度秋の全国交通安全運動の実施について
――中央交通安全対策会議交通対策本部決定――
期間 平成15年9月21日(日)から9月30日(火)までの10日間
運動重点(全国重点)
(1)高齢者の交通事故防止
(2)シートベルトとチャイルドシートの着用の徹底
○シートベルトとチャイルドシートの着用の必要性と着用効果に関する正しい理解の促進
○チャイルドシートの安全性能に関する情報提供の推進
○シートベルトの運転席及び助手席における着用の徹底と後部座席における着用の促進
○体格に合ったチャイルドシートの使用と座席への正しい取付けの徹底
 
 
 
龍神様
 中高年の皆様(ある漫談家の台詞)、伝統的な「祭り」の縁起と言えば、田舎出の方は「鎮守様の神社」を、お江戸出身の方は「神田明神」とかをお考えではありませんか。有名な祭りは、大概、神社が中心。
 そんな常識を、この年になって覆された。その祭りは、信州の御代田町の「龍神祭り」。当町出身の東京在住の知人のお勧めで、先週の土曜日、カミさんとドライブがてらに祭り見物に出掛けた。祭り見物は、地元の「よさこいソーラン踊り」を主体とした新しい祭りなどを除き、娘の小さき頃以来。
 御代田町は、浅間山麓の町。軽井沢と小諸との間に位置し、上信越道(高速道路)の佐久インターを降りて、ものの五分足らず。先々月、善光寺様に行ったとき、素通りした。そうだ、上信越道を走行中、愛車のウインカー(方向指示器)が出なくなったのは、「丁度この辺り」。雨交じりの天候だったが、今回もあいにくの曇天で、浅間山はスカートの部分のみを見せ、肝心のご尊顔は雲間に御隠れ。風景画で、この辺から浅間山を描いたものも多く、「晴れたらいいね♪」と、返す返すも残念。
 御代田町は、人口一万四千人の町。最近、この町がマスコミに登場したことと言えば、二〜三年前のリバイバル・ヒットソングで、中高年の皆様でもご存知(失礼!)の「亜麻色の髪の乙女」を最初に歌ったビレッジ・シンガーズと言うグループサウンズのメンバーの一人の「偽物」にまつわる話題。マンガチックな話と裏腹に、町は静かで落ち着きのある綺麗な町で、軽井沢地区の一画をなしている町との印象。畑の中の街道を行けば、「小諸馬子唄」も出て来そう。
 町に到着したのは午前9時過ぎ。幸い、少し日差しも出てきた。祭りの中心地の一つである駅周辺も舞台を設営中の段階で、町の通りも閑散としていた。やがて、お昼近くには、露天も店開きし、人通りも多くなり、いか焼きやたこ焼きのニオイが、否が応にも祭りのテンションを高揚。
 ともあれ、祭りの主役は龍神様。龍神様は、祭りの二つ目の中心地の龍神の杜公園に、四頭(?)待機。全長四十五メートルで日本一の長さを誇る男龍は、トラックの上にとぐろを巻き鎮座。女龍と、子ども達のための小さい龍二頭は、広場のコンクリートの上で寝そべっていた。いずれの龍も、眼や歯、耳、腹以外は濃緑で、厳つい形相。胴体には担ぎ手衆が手にする棒が足の如く並んでいる。長崎おくんち(御九日)の蛇踊りを彷佛とさせる。長野パラリンピックヘの出演以来、一躍スター(?)になったとのこと。
 やがて、あちこちから、晒しをまいたイナセなお兄さんやお姉さんが、ハッピを纏い、真っ白なズボンと白足袋も眩しく、登場。粋なお姉さんのアップした頭の上にチョコンと乗った鉢巻きが、チョーカッコイイ。郷里の祭りを思い出した。わが郷里の村まつりの出し物は、「称里(ねり)」(二輪車の山車)。お囃子は、県指定の無形文化財と聞いている。当時、今の半分ぐらいしかない砂利道の往還を、祭り姿の青年団の若者達が練り歩く姿に、羨望。時と場所は移り、この町の担ぎ手衆に混じる茶髪や首に掛けた携帯電話も、「時代の流れか」と、いとおかし。
 公園広場で、町長さん等の参加の下に出発式が行われ、龍神様に眼を入れる儀式(開眼式)の会場へとバスにて移動。てっきり神社に行くのかと思いきや、真楽寺というお寺に行くとのことで、びっくり仰天。龍神様も、文明の利器のお助けで、飛雲ならずトラックで、お出まし。トラックの荷台に、とぐろを巻いて走って行く龍神様も、いとおかし。
 境内の石段の中腹にて、セレモニーをじっくり見物。上の階段からシズシズと二人の僧が下りてきた。ここでも町長さん等のご挨拶のあと献杯の音頭があり、そのあと祝詞ならず、僧による「般若心経」の読経とともに、儀式が行われた。龍の赤い眼に火が入り、龍神様の誕生。儀式の後は、池に入水したとのことであるがこれは見られず、その後の境内での笛や太鼓に合わせての乱舞を見学。炎を吐きながらの龍神様が、爆竹と共に、金の玉に先導され、時には激しく練る。夜に拝見できなかったのが、口惜しい。その中で、龍神様の白くりっぱな「歯並び」が印象的だった。
 実は、今回のテーマとして、現在筆者を悩ましている「歯」のことを龍神様に託けて書こうと思っていたところ、筆(パソコンでの指タッチ)が思わぬ方向にいってしまったが、あとの祭り。これもいた「シカ」たがない。
 ともかく、幼き胸をときめかした田舎の祭りへの郷愁をそそった龍神祭りでした。御代田町の皆様、ありがとうございました。
(S・0)15







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