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4、不妊についての心配と治療経験
(1)不妊を心配したことのある夫婦は四組に一組、子どものいない夫婦では約半数
 「過去に子どもができないのではないかと心配したことがある(あるいは現在心配している)」夫婦は全体の約四分の一(二六・一%)であった。さらに、子どものいない夫婦ではこの割合は約半数(四八・二%)に上る。また、実際に不妊に関する検査や治療を「過去に受けたことがある(あるいは現在受けている)」夫婦は全体で約十三%、子どものいない夫婦では四組に一組(二五・五%)であった。
(2)妻が四〇歳代の子どものいない夫婦では、半数が不妊に関する検査や治療を経験
 子どもがいない夫婦について、不妊の心配・治療経験を妻の年齢別に見ると、年齢が高いほど不妊を「心配したことがある(あるいは現在心配している)」夫婦の割合が高くなる。不妊に関する検査や治療を「受けたことがある(あるいは現在受けている)」夫婦は、妻の年齢三〇歳代前半で四組に一組(二五・四%)、四〇歳代では約半数(四○歳代前半四九・四%、後半四九・二%)に達する。妻の年齢が高くなるほど、心配した夫婦の中での検査・治療の経験率は高くなり、四〇歳代ではおよそ八割となっている。
 
表IV-4-1 子どもの有無別にみた、不妊についての心配と治療経験
注:初婚どうしの夫婦について。子どもの有無不詳の夫婦については掲載を省略。ただし、総数にはこれを含む。「心配したことがある」は「現在心配している」を、「検査や治療を受けたことがある」は「現在受けている」
 
 
表IV-4-2 妻の年齢別にみた、子どものいない夫婦の不妊についての心配と治療経験
注:表IV-4-1に同じ。ただし、子どものいない初婚どうしの夫婦について。15〜19歳(2件)は掲載を省略。ただし、総数にはこれを含む。
 
V、子育ての状況
1、妻の就業と出生力
(1)結婚五年未満で就業しながら子育てする妻は二割以下
 結婚前就業していた妻について、現在の就業状態と子どもの有無との関係を調べた。結婚五年未満では就業している妻が四五%、専業主婦が五四%いるが、子を持ちながら就業するケースは全体の中で二割弱(十八・一%)、正規雇用に限ると約1割(一〇・七%)である。また、就業者に占める子を持つ割合(四〇%)は、専業主婦の子を持つ割合(七六%)に比べて格段に低く、出産に際して就業を継続せず専業主婦となる就業者が多いことをうかがわせる。一方、結婚持続期間が長くなると、再就業する妻の割合は増加し、結婚後十〜十四年では子を持つ就業者(五六%)が、子を持つ専業主婦(三八%)を上回る。
(2)妻の就業経歴と平均出生子ども数
 一歳以上の子どもがいる夫婦について、最初の子どもの保育期間を含む妻の就業経歴とその後の出生子ども数との関係を見ると、都市的地域(人口集中地区)で妻が正規雇用を継続している場合、結婚持続期間五年以降でわずかに少ない傾向があるものの、必ずしも明確な差は見られない。
(次号へつづく)
 
表V-1-1 調査・結婚持続期間別にみた、妻の就業状態および子どもの有無の構成
(結婚前就業していた妻について)
注:妻が結婚前就業していた初婚どうしの夫婦(子ども数不詳を除く)について。
 妻の現在の就業状態の定義は以下の通り。
 就業:結婚前就業〜現在就業、正規雇用:結婚前正規雇用〜現在正規雇用
 (正規雇用には派遣・嘱託含む)、専業主婦:結婚前就業〜現在無職。
 総数には就業状態不詳を含む。なお、結婚前就業していた妻の割合は、
 第10回91.6%、第11回93.5%、第12回84.8%。
 
図V-1-1 調査・結婚持続期間別にみた、妻の就業状態および子どもの有無の構成
(結婚前就業していた妻について)







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