日本財団 図書館


2、子どもを持つ理由、持たない理由
(1)子どもを持つ理由は「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから」
 理想的な子どもの数を一人以上と答えた人に、なぜ子どもを持つことが理想なのかをたずねたところ、どの年齢層でもほぼ八割の人が「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから」と回答した。また、「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」は年齢が高いほど多く回答されているが、若い層ではそれに代わって「好きな人の子どもを持ちたいから」が多く回答されている。「子どもは老後の支えになるから」は若い層ほど多い。
(2)予定子ども数が理想子ども数を下回る理由:「お金がかかりすぎる」がトップ
 予定子ども数が理想子ども数を下回る夫婦に、その理由をたずねたところ、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」がどの年齢層でもトップとなった。また、若い層ほどこの理由を多く選んでおり、二〇歳代では八割を超えている。ほかに三〇歳代後半では「高齢で生むのはいやだから」が、またそれより若い年齢層では「子どもがのびのび育つ社会環境ではないから」が多く回答されている。「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」は中間の年齢層で多く回答されている。
 
図IV-1-2 調査・結婚持続期間別にみた、夫婦の平均理想子ども数と平均予定子ども数
結婚持続期間0〜4年の夫婦
 
 
結婚持続期間5〜9年の夫婦
 
表IV-2-1 妻の年齢別にみた、子どもを持つことを理想と考える理由
妻の
年齢
標本数 子どもがいると生活が楽しく豊かになるから 結婚して子どもを持つことは自然なことだから 好きな人の子どもを持ちたいから 子どもは夫婦関係を安定させるから 子どもは将来の社会の支えとなるから 子どもは老後の支えになるから 夫や親など周囲が望むから 子どもを持つことで周囲から認められるから その他
25歳未満 (184) 81.5% 45.1 61.4 34.8 19.0 24.5 8.2 3.3 6.5
25〜29歳 (878) 81.5 42.7 53.4 28.5 18.0 22.0 15.1 4.8 6.3
30〜34歳 (1,306) 83.1 49.9 44.4 30.0 20.5 20.0 11.6 6.7 5.3
35〜39歳 (1,337) 84.3 54.4 38.4 35.2 28.4 18.4 12.1 8.4 5.7
40〜44歳 (1,269) 80.4 61.7 32.7 35.7 31.2 17.7 10.6 7.3 5.3
45〜49歳 (1,297) 78.6 66.7 30.1 34.9 33.1 17.0 9.6 7.1 4.5
総数 (6,271) 81.6% 55.6 39.6 33.2 26.6 19.0 11.5 6.9 5.4
注:理想子ども数が1人以上と答えた初婚どうしの夫婦について。
 複数回答のため合計は100%を超える。
 
表IV-2-2 妻の年齢別にみた、予定子ども数が理想子ども数を下回る理由
妻の
年齢
標本数 子育てや教育にお金がかかりすぎるから 高年齢で生むのはいやだから これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから 子どもがのびのび育つ社会環境ではないから 健康上の理由から 自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから 欲しいけれどもできないから 家が狭いから 夫の家事・育児への協力が得られないから 自分や夫婦の生活を大切にしたいから 一番末の子が夫の定年退職までに成人してほしいから 夫が望まないから その他
25歳未満 (21) 81.0% 4.8 14.3 19.0 23.8 33.3 - 14.3 19.0 14.3 4.8 14.3 -
25〜29歳 (186) 81.7 7.5 16.7 28.0 11.8 15.1 5.4 20.4 13.4 18.3 6.5 8.6 7.0
30〜34歳 (417) 75.5 16.5 25.7 27.1 15.1 21.8 12.9 18.0 9.4 17.3 6.2 8.2 6.5
35〜39歳 (525) 59.2 42.1 25.5 20.2 19.0 18.1 16.2 16.2 13.5 13.0 12.4 7.0 6.7
40〜44歳 (516) 57.8 40.7 20.3 17.1 23.6 15.1 20.5 13.0 12.2 8.9 11.6 6.2 4.7
45〜49歳 (469) 53.1 41.4 18.3 15.6 23.0 14.1 17.3 9.2 11.9 4.9 8.7 6.8 4.5
総数 (2,134) 62.9% 33.2 21.8 20.4 19.7 17.1 15.7 14.6 12.1 11.5 9.6 7.2 5.6
注:理想子ども数が1人以上と答えた初婚どうしの夫婦について。複数回答のため合計は100%を超える。
 
表IV-3-1 調査・理想子ども数別にみた、理想の男女児組み合わせ別、夫婦割合
理想子ども数の男女児組み合わせ 第8回調査
(1982年)
第9回調査
(1987年)
第10回調査
(1992年)
第11回調査
(1997年)
第12回調査
(2002年)
1人 男児1人・女児0人 51.5% 37.1 24.3 25.0 27.3
男児0人・女児1人 48.5 62.9 75.7 75.0 72.7
2人 男児2人・女児0人 8.8% 4.1 2.7 2.1 1.9
男児1人・女児1人 82.4 85.5 84.0 84.9 85.9
男児0人・女児2人 8.9 10.4 13.3 13.0 12.2
3人 男児3人・女児0人 0.7% 0.5 0.3 0.4 0.6
男児2人・女児1人 62.4 52.3 45.1 38.4 41.6
男児1人・女児2人 36.2 46.2 52.9 58.9 55.4
男児0人・女児3人 0.7 0.7 1.6 2.3 2.4
注:理想子ども数が1人以上の夫婦(初婚どうし)のうち、男女児組み合わせに理想があると回答した夫婦について(回答者は妻)。理想子ども数4人以上の組み合わせについては掲載を省略。
第12回調査の標本数:理想子ども数1人(66人)、2人(1,703人)、3人(1,566人)。
 
図IV-3-1 調査別にみた、理想男女児数の総和の構成
注:理想子ども数が1人以上の夫婦(初婚どうし)によって回答された理想の男女児組み合わせにおける総男女児数の構成を表す。グラフ下の( )内は、その性比(理想女児数100に対する理想男児数)。
 
3、子どもの男女組み合わせ
(1)理想の男女組み合わせ:女の子を望む夫婦が多い
 理想の子ども数について、男女児数の組み合わせをたずねたところ、第十回調査(一九九二年)から顕著となった女児が好まれる傾向は続いているが、選好の強さは前回調査並みであった(表IV-3-1)。回答者全体による理想とする総男児数と総女児数の構成を見ても、女の子が望まれる傾向とその強さは前回並みである(図IV-3-1)。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION